【よくある質問】デジタルな形態も含む新たな教科書について

令和7年12月24日
文部科学省初等中等教育局

はじめに

中央教育審議会デジタル教科書推進ワーキンググループにおいては、次期学習指導要領の検討も見据え、今後のデジタル教科書の在り方と推進方策について検討審議を行い、令和7年9月24日に取りまとめを行いました。
この度、よくある疑問を基に審議まとめの解説資料を作成しましたので、審議まとめの概要・本文と併せて御参照いただければ幸いです。

※本ページの内容は「デジタルな教科書も含む新たな教科書について‐デジタル教科書推進WG審議まとめ(令和7年9月24日)解説資料‐」PDF(2.2MB)と同一です。

<Question一覧>

Q1:なぜ、教科書の形態として、紙だけでなくデジタルも認めることとしたのですか?
Q2:今後、紙の教科書はなくなるのですか?
Q3:デジタルな形態を含む新たな教科書には動画などのデジタルコンテンツも掲載されるのでしょうか? また、その質は担保されるのでしょうか?
Q4:デジタルな形態を含む新たな教科書により、子供たちの学びはどう変わっていくのですか?
Q5:諸外国ではデジタルから紙に回帰する動きも見られますが、デジタルな形態を含む新たな教科書の導入は学力の低下に繋がるのではないでしょうか?
Q6:デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に伴い、採択や使用に当たり自治体や学校現場の負担が増すのではないでしょうか?
Q7:デジタルな形態を含む新たな教科書はいつから導入されるのでしょうか?

Q1:なぜ、教科書の形態として、紙だけでなくデジタルも認めることとしたのですか?

文部科学省は、少子化や社会のデジタル化が進む中、子供たち一人一人の能力を最大限に伸ばす観点から、「デジタル」の可能性に着目してきており、これまでの取組の中でも、「デジタル」の活用が多様な児童生徒の資質・能力の育成につながっているとの現場からの声が多く寄せられています。
→審議まとめP7~12 (活用の実態)参照

このため、次期学習指導要領の考え方として示されている、主体的・対話的で深い学びの実装や多様性の包摂などの方向性を実現するために、これまで紙だけが認められていた教科書にデジタルの良さを取り入れることを可能とすることで、教科書での学びの可能性を大きく広げることを目指しています。
→審議まとめP1・2 はじめに 参照

学習者用デジタル教科書の使用頻度と授業内容の理解との関連を示すグラフ。『授業の内容はよく分かりますか?』という設問に対し、小学校中高学年と中学生の「デジタル教科書をいつも使う」層の半数以上(小学校中高学年で53.0%、中学生で55.3%)が「当てはまる」と回答しており、使用頻度が低い他の層に比べて割合が大きい。学習者用デジタル教科書の使用頻度と「主体的な学び」との関連を示すグラフ。『課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいますか?』という設問に対し、小学校中高学年と中学生の「いつも使う」層の半数以上(小学校中高学年で58.6%、中学生で57.8%)が「当てはまる」と回答しており、使用頻度が低い他の層に比べて割合が大きい。
【出典】令和6年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」大規模アンケート調査(文部科学省委託事業)

Q2:今後、紙の教科書はなくなるのですか?

紙だけではなく、デジタルの良さも取り入れることにより、より分かりやすい教科書づくりを可能とする方針であり、紙の教科書を廃止するものではありません。ましてや、児童生徒の学習環境から本やノートをなくしてデジタル一辺倒の学びを志向するものでもありません
→審議まとめP13(紙・デジタル・リアルを組み合わせた教育環境)参照

文部科学省では、紙が適した学習場面・デジタルが適した学習場面の例示も含め、教科等の特性や子供の発達段階を踏まえた、デジタルな形態を含む新たな教科書の発行・採択等に係るガイドラインを策定する予定です。今後、教育委員会等の採択権者においては、それらを踏まえて、デジタルな形態も含む新たな教科書の中からふさわしいものを採択いただくこととなります。
→審議まとめP13~15 (制度的位置付け)、P15(対象学年・教科等に係る指針(ガイドライン))参照

デジタルな形態も含む新たな教科書のイメージ。全ての記載内容が紙媒体として存在し、教材にアクセスする二次元コードがついていない「紙媒体のみの教科書」、紙部分と二次元コード先のデジタル部分を組み合わせた「ハイブリッドな形態の教科書」、全ての記載内容がデジタル媒体として存在する「デジタル媒体のみの教科書」の3つの形態が示されている。ハイブリッドな形態の教科書において、デジタル部分とは、現在紙の教科書の二次元コード先に掲載されているデジタルコンテンツを精選したものとされている。紙とデジタルの組み合わせ方として、紙部分に「各教科等の本質的理解の獲得に関わる基本的な内容」が掲載され、デジタル部分に「発展的な内容」や「動画や音声、アニメーションを活用した分かりやすい説明」等が掲載されるといったイメージが例示されている。※画像を一部更新(令和8年5月8日)

Q3:デジタルな形態を含む新たな教科書には動画などのデジタルコンテンツも掲載されるのでしょうか?また、その質は担保されるのでしょうか?

現在の教科書に掲載されている二次元コード先のデジタルコンテンツは、教科書ではなく教材扱いですが、今後は動画・音声等のデジタルコンテンツを教科書の一部として掲載することが可能になります。

ただし、あくまで教科書の一部として位置付けられるものに限定して認めることとし、コンテンツの無制限な拡大を抑制しつつ、検定対象とすることで質の保証も実現してまいります。
→審議まとめP16・17(二次元コード先のデジタルコンテンツ)参照

現行と制度改正後の、二次元コード先のコンテンツの扱いの変化を説明する資料。現行制度では、二次元コード先のデジタルコンテンツ(補充的資料、動画、音声、ドリル等)は教科書ではなく「教材」であるため、検定での扱いは教科書と異なり、教科書の内容との関連性等のみ確認されている。現行と制度改正後の、二次元コード先のコンテンツの扱いの変化を説明する資料。制度改正後は、二次元コード先のデジタルコンテンツ(発展的内容、動画、音声、アニメーション等)が、教科書の一部として検定の対象になるというイメージが示されている。

Q4:デジタルな形態を含む新たな教科書により、子供たちの学びはどう変わっていくのですか?

英語のネイティブ音声を実際に聞いて確認したり、図形やグラフを画面上で動かして視覚的に理解したりするなど、これまで以上に児童生徒が教科書の内容を理解しやすくなることを目指しています。加えて、児童生徒の理解度や学習進度に合わせて、動画・音声やアニメーション等を繰り返して学習することが可能となることで、個々の状況に応じた学びの充実を図り、学習内容の一層に定着にも寄与するものであると考えています。

また、大型提示装置(プロジェクターなど)や学習支援ソフトウェアなどと一体的に活用することで、児童生徒の考えをクラス全体に共有したり、共有した内容をもとに話し合うことが容易になるなど、協働的な学びの実現にも資するものと考えています。
→審議まとめP7~12 (活用の実態)、P13 (紙・デジタル・リアルを組み合わせた教育環境)参照

紙とデジタルの良さを生かした学びの充実の例

紙とデジタルの良さを生かした学びの充実の例を示した資料。英語の場合。紙は、長文読解を例示。デジタルは、会話を聞く・話す活動でネイティブ音声を聞く、アニメーションを見ることを例示。国語の場合。紙は漢字を書く練習を例示。デジタルは、漢字の書き順を動的に確認することを例示。紙とデジタルの良さを生かした学びの充実の例を示した資料。算数・数学の場合。紙は、図形の作図や実際の長さを測る活動を例示。デジタルは、立体図形をシミュレーション機能で展開・回転させて空間的な理解を深めることを例示。 理科の場合。紙は、実験で学んだことを整理して残すことを例示。デジタルは、安全な実験手順を動画で視覚的に理解することを例示。
※上記の例は、中央教育審議会デジタル教科書推進ワーキンググループでの議論や実証研究事業での調査結果等を踏まえて記載したもの

Q5:諸外国ではデジタルから紙に回帰する動きも見られますが、デジタルな形態を含む新たな教科書の導入は学力の低下に繋がるのではないでしょうか?

例えば、スウェーデンについては、学力低下によるデジタル化の見直しが指摘されていますが、

  • デジタル教育を推進してきた2010年以降も、国際学力調査のTIMSSでは過去3回とも成績が向上し、PISAでは2015年、18年と向上し、直近の22年でのみ低下していること
  • 教科書検定による教科書の質保証の仕組みがない中でデジタル化が進められてきており、我が国とは状況が異なること

等を考慮する必要があると考えています。

また、教科書のデジタル化を進めてきた韓国やエストニアは国際学力調査でトップクラスの成績を残しているところです。

【韓国】2015年から全学校でデジタル教科書の使用を解禁
(TIMSS 2023)算数・数学3位 (PISA 2022)読解力3位、数学的リテラシー2位
【エストニア】2018年に全小中学校でデジタル教科書等の無償使用が可能に
(PISA 2022)読解力4位、数学的リテラシー3位

→審議まとめP6 (諸外国の状況)参照


スウェーデンの国際学力調査の結果を示すグラフ。
※PISA成績はOECD加盟国中のもの。エストニアはTIMSSには不参加

Q6:デジタルな形態を含む新たな教科書の導入に伴い、採択や使用に当たり自治体や学校現場の負担が増すのではないでしょうか?

今後、文部科学省において、教科書採択権者への意向調査の結果等を踏まえたうえで、教科書の構成や活用の在り方の具体的なイメージを示すガイドラインを策定することとしており、自治体や学校現場で混乱なく円滑に新たな教科書が採択・使用されるよう必要な準備についても検討してまいります。
→審議まとめP15(対象学年・教科等に係る指針(ガイドライン))、P19(採択)参照

また、二次元コード先のコンテンツについては、今後は教科書の一部として位置付けられるものに限定して認めることとし、コンテンツの無制限な拡大の抑制により、教育現場や発行者の負担を軽減してまいります。
→審議まとめP16・17(二次元コード先のデジタルコンテンツ)参照

Q7:デジタルな形態を含む新たな教科書はいつから導入されるのでしょうか?

新しい学習指導要領の実施に合わせてデジタルな形態を含む新たな教科書を使用できるよう、必要な制度改正を検討してまいります。
→審議まとめP15・16 (導入時期)参照

前回の学習指導要領改訂のスケジュールと、今後(仮定)のスケジュール。新しい学習指導要領の検討が前回と同じスケジュール感で進むと仮定した場合、2026年度に必要な制度改正が行われ、2027年度に教科書の著作・編集、2028年度に検定、2029年度に採択+供給が行われる。その後、2030年度~2032年度にかけて、小・中・高と段階的に新しい教科書の使用が開始される。

関連リンク

令和7年9月24日
デジタル教科書推進ワーキンググループ 審議まとめ
令和8年4月10日~
デジタルな形態を含む教科書の発行・採択等の指針に関する検討会議

お問合せ先

初等中等教育局 教科書課

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