筑波大学附属視覚特別支援学校中学部・高等部 勤務
澤村史裕 先生
学歴
2000年、筑波大学附属盲学校高等部本科音楽科卒業。
2006年、東京藝術大学音楽学部邦楽科箏曲生田流専攻卒業。
2008年、東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程箏曲生田流終了。
2015年、箏曲宮城会師範免状取得。
職歴
2016年より、株式会社セールスフォース・ジャパン所属アーティスト。
受賞歴など
1995年、第45回 全日本盲学生音楽コンクール その他の楽器部門最高位。
1997年、第3回 高校生国際芸術コンクール 第3位。
2008年、第2回 八橋検校日本音楽コンクール 最高位。
2013年、第11回 チャレンジ賞。
2017年、第11回 塙保己一賞奨励賞。
A:母校であったことと同時に、視覚障害のある当事者として同じ立場にある生徒に指導を行うことで、教養のみならず勇気を与えると考えたため。
A:箏は最近では触れられる機会がめっきり少なくなった楽器ゆえに、敷居が高いと思われがちです。そういった部分を払拭してもらうために、比較的演奏しやすい、また親しみやすい曲を教材に選んでいます。
A:各学年ともに授業時間が非常に限られているので、生徒一人一人が楽器にようやく親しみ始めたタイミングでカリキュラムが終わってしまい、歯がゆいと感じる瞬間がしばしばあります。
A:友達同士の輪からちょっと浮いていて、あまりやる気もなくふざけ気味の生徒がいました。
僕はできないからと課題曲の主旋律はとても覚えられそうにない雰囲気だったため、「君がリズムを刻んでくれるとみんなやりやすいからよろしく頼む」と伝えて簡単なリズムを弾かせたところ、周りとの一体感が得られて、本人も周りも笑顔になった様子が感じられ、指導している側もとても嬉しい気持ちになりました。
A:私たち視覚障害者は、特に実技については見よう見まねが不可能なため、一つ一つの技術の習得に何倍も時間を要します。
それゆえに、目の見える指導者側は、全盲の生徒が「何がわかっていて、何がどうわからないのか」と言った部分が、わかりにくいそうです。
一方当事者の側も、指導されているのにわからないうちは「何がわからない」のかが判断しづらいのです。
そのため、指導する側も当事者であると、「過去に自分がつまずいていた場所、わからない場所」が容易に予測できるため、双方が理解し合えるまでの時間が短くなるように感じることが非常に多くなりました。
A:中学部2年
A:自分と同じ視覚障害者であることと、お箏の専門家だなあと感じるところ。
A:1拍と、その半分の説明が、リンゴとか円とかでなく、点字用紙を半分に折っての説明だったので、見える先生が説明するよりよくわかった。
A:視覚障害者のための音楽教育、研究を専門とする機関として、全国のみならず、アジア
ヨーロッパへも発信しています。多くの有能な視覚障害演奏家、音楽家を輩出している。
A:箏曲はそもそも視覚障害者の専門の分野です。もちろん真っ先に卒業生から人材を開拓した。
A:何より箏曲家であることと、自身の感覚、捉え方、つまり、視覚以外の感覚をフルに活用しての説明が、非常に生徒に響く言葉になっていることを実感している。
A:次世代を担う、箏曲の専門家を、是非、本校から出してほしい。講師の背中を追って、箏曲家の道へ進むような人材を育成してほしい。