高知県 高知県立須崎総合高等学校 長井海斗 先生

高知県立須崎総合高等学校 勤務
長井 海斗 先生 高等学校教諭特別免許状 「体育」

プロフィール

学歴
2013年 大正大学卒業
 
職歴
2013年~2015年 株式会社ハイデイ日高
2016年~2017年 株式会社リーズワークス
 
競技歴、競技成績
高校からカヌースプリント競技を始める
インターハイ・国体優勝
世界ジュニア選手権大会出場
2012年~2015年日本代表
2014年アジア大会4位
日本選手権優勝
2015年引退
2017年教師になり現役復帰
2024年日本選手権3位

現職における役職や役割

教科:保健体育
校務分掌:生徒指導部
部活動:カヌー部
その他:1年担任

特別免許状の授与を受けて勤務されている先生より

Q:教師を目指したきっかけや理由

A:高校時代に出会ったカヌー部顧問の先生に競技だけでなく人間的に成長させてもらい人生を変えてもらった。私は恩師のように生徒を成長させられるようになりたいと思い教師を目指した。また、カヌーという競技に出会えたおかげで日本一や日本代表を経験させてもらえたので、カヌーに対しても恩返しをしたいと思い、普及や競技力向上に取り組もうと思った。

Q:実際に教師として勤務してみての感想・やりがいや、採用前のイメージとの変化

A:1年目は不安しかなかったが、体育科の先生や一緒にクラスを持たせていただいた担任の先生が授業のことやホーム運営などを一から教えてくれた。生徒たちはとても素直な生徒が多く接しやすかった。採用前の教師のイメージはブラックなイメージがとてもあったが、実際にやってみると生徒たちの成長を間近で見られるのでやりがいがあり、とても楽しく仕事をさせていただいている。

Q:前職の経験が生きていると感じるところ

A:前職では、工場でのライン作業や店舗でのお客様への接客、人事課で会社説明会を行うなど幅広く仕事をしてきた。
接客業では、相手のニーズに合わせた対応が重要であり、教師としても、生徒一人一人の状況やニーズを理解し、それに合わせた教え方やサポートが求められる。また、保護者等や周りの先生方とのコミュニケーションも円滑に進めることができている。

Q:これから特別免許状の授与を受け、教師として勤務することを目指している方々への助言やメッセージ

A:教師はとても大変な仕事ではあるが、それ以上にとてもやりがいのある仕事だと考える。生徒たちの成長する姿を一番近くで見られる特別な仕事だと感じている。
特別免許状を取得し教壇に立つことは不安がとてもあると思うが、周りの先生方のサポートや研修システムがしっかりとあるので一から学ぶことができる。
これまでの様々な経験を生徒たちに共有してあげることで生徒たちはとても成長してくれる。
自分には「無理」や「教師には向いていない」と思うのではなく、生徒たちの成長の手助けになるためにチャレンジしていただきたい。

特別免許状を授与された先生の授業を受けた生徒より

生徒A

Q:現在の学年、または御職業

A:高校3年

Q:その先生との当時のかかわり(クラス担任、教科担任、生徒(進路)指導、部活動顧問など)

A:本校カヌー部の部活動顧問として、高校3年間指導していただいた。技術面、体力面のみならず心身ともにサポートしてくださったことで、思い出に残る、充実した高校生活を送ることができた。

Q:その先生に対して持っているイメージや、「他の先生とここが違う」と感じたことなど

A:口先だけの指導ではなく、先生自身が行動をもって模範となり、「何が大切か」をしっかりと教えてくれた。カヌー競技の技術的指導や体力づくりだけでなく、日常生活における礼儀やマナー、他者への気遣いを、店舗や路上での何気ないゴミ拾い等の自身の行動を通して示してくれた。先生との時間を共有できたことで、自分自身が大きく成長できたと感じている。

Q:その先生についての印象的なエピソードや印象に残った言葉など

A:私の面前で、全日本選手権第3位の結果を残されたことに大変感動した。身近に日本ランカーがいることを改めて実感するとともに、自身のさらなる努力の必要性を感じ、大いに励みになった。先生は私の目標であり、憧れの存在である。

特別免許状を授与された先生の勤務先の先生より

Q:貴校における教育の特徴やアピールポイントなど

A:令和元年に、須崎工業高校と須崎高校が統合されて開校した。須崎工業高校の歴史78年と須崎高校の歴史72年を引き継ぎ、須崎市唯一の県立高校として今年で創立6年目を迎える。本校は、「『人を思い 人とつながり 人に役立つ』人材の育成」を教育目標としており、高吾地域の進学拠点並びに産業教育の拠点、部活動の拠点として取り組んでいる。また、須崎市が掲げる「海のまちプロジェクト」をとおして、地域との連携や地域おこし活動の充実を図り、地元地域を支える人材の育成を目指している。

Q:特別免許状を授与された教師の採用に当たって期待したこと

A:専門的な知識と高度な技術により、生徒のより一層の心身の成長を目指すとともに、民間企業等での経験や体験を基に、多様化する生徒に様々な角度や視点から適切に対応することができる、高度な専門性をもった教員であると期待している。

Q:特別免許状を授与された教師を採用することで変化したことや得られた成果など

A:アスリートとしての自身の経験に基づいた指導方法、常に学び続ける姿勢や熱意に、周りの教職員も大いに刺激を受けている。また、生徒にとっても良き指導者というだけでなく、社会人としての良い手本となっている。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:専門的で高度な技術や知識、経験を基にした指導力を存分に発揮することで、多様な生徒の個々の能力を伸ばすだけでなく、社会人としての規範意識の高揚にもつながることが期待される。今後さらに、この制度を活用した教員が増えることで、教職員集団全体の質や組織力の向上が期待できると考える。

都道府県教育委員会の方より

Q:貴教育委員会において、特別免許状の授与に当たっての特徴や力を入れているところなど

A:H29年度にスポーツの分野において、指導者として高い指導実績を持つ者又は競技者として優秀な実績を持つ者を採用することにより、生徒のスポーツ活動の質的向上を図るとともに、スポーツの指導の分野の多様化・活性化を図ることを目的に、特別選考を行った経緯がある。
現在は、教員の確保が困難な教科(高等学校の情報・工業・水産・看護)について、社会人経験等を受審要件にした特別選考を行い、名簿登載になった者に特別免許状を授与している。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:様々な分野で活躍した人材は、それぞれの分野における専門知識・技能はもちろん、その経験で培われた、課題を発見し努力し続ける分析力や継続力などにも卓越しており、こうした方が教師として学校教育に参画することは、学校・児童生徒双方にとって有意義なことだと考えている。