和歌山県 和歌山県立串本古座高等学校 藤島徹 先生

和歌山県立串本古座高等学校 勤務
藤島 徹 先生 高等学校教諭特別免許状 「理科」

プロフィール

日本大学理工学部航空宇宙工学科卒。
(公財)日本宇宙少年団、
(一財)日本宇宙フォーラム、
(国研)宇宙航空研究開発機構などを経て、
令和5年度より和歌山県商工労働部企業政策局成長産業推進課勤務
(和歌山県立串本古座高等学校併任)。

現職における役職や役割

和歌山県商工労働部企業政策局成長産業推進課 主幹
・宇宙教育推進担当
和歌山県立串本古座高等学校 教諭
・教科:理科(宇宙分野)
・分掌:進路指導部
・部活動:CGS(Community General Support)(地域包括的支援)部顧問
・その他:国際交流委員会、1学年付き

特別免許状の授与を受けて勤務されている先生より

Q:教師を目指したきっかけや理由

A:
・学生時代に塾講師や家庭教師のアルバイト経験が多数あり、教育に興味を持つ。
・浪人時代に米国スペースシャトルの打ち上げ失敗のシーンをTVで視聴し、宇宙開発に興 味を持つ。
・今までの経験を糧に公立高校初となる宇宙探究コースで「宇宙教育」を推進したいと考えた。

Q:実際に教師として勤務してみての感想・やりがいや、採用前のイメージとの変化

A:
・和歌山県内を含む全国から集まった宇宙好きのやる気ある生徒と共に、宇宙に関する学びを推進できる喜びを多いに感じている。
・毎回授業時に生徒たちと宇宙について議論し、宇宙に関する学びを深めることに強いやりがいを感じている。
・採用前は宇宙教育を教えることを専門と考えていたが、実際は宇宙を教える以外に分掌、部活、学校行事対応など多種多様な業務をこなす必要があった。ただ、それらはすべて宇宙教育につながると考えて業務に当たっている。実際大変なことも多いが、嬉しいことも多いので、教師になって本当によかったと考えている。

Q:前職の経験が生きていると感じるところ

A:
・宇宙出前授業:採用前からボランティアで宇宙開発の話と工作・実験を組み合わせたワークショップを展開しており、串本古座高等学校宇宙探究コースを進学先としてもらえるよう近隣の小中学校へ宇宙教育の普及も兼ねた出前授業を実施している点。
・宇宙探究コース授業:採用前に業務として関わっていた「宇宙」をわかりやすく高校生向きに教えることができている点。
・進路先開拓業務:大学へ進学してさらに「宇宙」を学んで欲しいことから、宇宙に関する研究室がある大学との連携を模索。前職で宇宙と大学をつなぐ業務をしていた実績が活かせる点。

Q:これから特別免許状の授与を受け、教師として勤務することを目指している方々への助言やメッセージ

A:
・教諭職は日本の将来を担う青少年を育てていく大切な職業です。どんな些細なことでも高校生は興味を持って授業を受けてくれます。自分自身が今までやってきたことを青少年に伝えていく、後生に残していく、これらは安全・安心で豊かな社会を形成していくことにつながります。今までのあなたの貴重な経験を学校現場で活かしてみませんか。チャレンジする方を熱烈に応援します。

特別免許状を授与された先生の授業を受けた生徒より

生徒A

Q:現在の学年、または御職業

A:高校1年生

Q:その先生との当時のかかわり(クラス担任、教科担任、生徒(進路)指導、部活動顧問など)

A:教科担任

Q:その先生に対して持っているイメージや、「他の先生とここが違う」と感じたことなど

A:優しくおおらかなイメージ。
宇宙に関して専門的な知識を有している。
探究の授業の中で、自由に発言していい空気をつくってくれている。

Q:その先生についての印象的なエピソードや印象に残った言葉など

A:生徒と一緒になりプロジェクトやものごとを考えてくれる。
「宇宙開発は一人ではできない」という言葉が印象に残っている。

特別免許状を授与された先生の勤務先の先生より

Q:貴校における教育の特徴やアピールポイントなど

A:公立学校としては全国初となる、宇宙を専門に学ぶことのできる「宇宙探究コース」が令和6年4月に開設された。既存の教科・科目以外に宇宙に関する科目を設定し、大学や研究機関、宇宙産業関連企業等と連携した探究的な学びを行っている。

Q:特別免許状を授与された教師の採用に当たって期待したこと

A:これまでのキャリアを生かした授業の開発。
外部組織と連携する上での橋渡し役。
進路開拓。
入学生増加に向けた広報等。

Q:特別免許状を授与された教師を採用することで変化したことや得られた成果など

A:専門的な知識が必要な科目を、系統的・探究的に学ぶ体制ができたことで、生徒の学習内容が深く、充実したものとなった。
職員の宇宙に関する知識や関心が高まったことで、新設したコースへの職員の理解が深まった。また、共通の知識が話題に上がることで、職員間の交流も深めることができた。
近隣小中学校等への広報活動が活発になり、本校に対する地域や小中学生の認知・理解が深まった。
報道機関等からの注目が集まり、当該教員がそれらに積極的に対応することで、本校のアピールに大きく寄与している。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A: 可能な限り継続して本校の教育活動を支える重要な役割を担っていただきたい。

都道府県教育委員会の方より

Q:貴教育委員会において、特別免許状の授与に当たっての特徴や力を入れているところなど

A:特別免許状授与申請予定者には、事前に推薦者を通して相談するようホームページに掲載しており、特別免許状検定委員の意見を聴取する前に一定の要件を満たしているか確認を行う。
また特別免許状を活用した教員採用選考試験を実施しており、教員免許状を所持していない優れた専門的知識や実績等を有する方を教員として採用できるよう努めている。

Q:特別免許状の授与及び採用により変化したことや得られた成果など

A:特別免許状を授与されていた教員を、令和6年4月に新設の県立串本古座高等学校宇宙探究コースの担当とすることができた。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:特別免許状を授与された教員については、優れた専門的知識や実績等を有する方ですので、学校現場にてその専門性を充分に発揮していただきたい。