静岡県 浜松学院中学校・高等学校 カトラ マイケル ジョセフ 先生

浜松学院中学校・高等学校 勤務
カトラ マイケル ジョセフ 先生 中学校教諭特別免許状 「英語」

プロフィール

平成20年に来日後、英会話学校指導員などの仕事を経て、平成25年4月から浜松学院中学校・高等学校に実習助手として勤務。そして平成30年3月31日の特別免許状の授与にともない、平成30年4月1日からは中学校・高等学校の専任講師に身分変更となりました。

現職における役職や役割

中学校においては1年の英語(週4時間)、3年の英語(週5時間)、3年の英会話(本校独自科目・週1時間)の教科授業を担当(すべて日本人教員とのティームティーチング)。3年A組の学級担任(日本人教員との複数担任制)。部活動として中学校英語部を担当しています。
高校においては1年の英語表現Ⅰ(2単位)、3年の英語表現Ⅱ(1単位)の教科授業を担当。総合的な学習の時間を活用したマイビジョン教育において、普通科ドリーム実現コースのインターナショナル系を担当しています。

特別免許状の授与を受けて勤務されている先生より

Q:教師を目指したきっかけや理由

A:来日以降、社会人への英会話指導は数多く経験しましたが、実習助手という立場で、初めて中学生・高校生を指導した浜松学院中学校・高等学校での5年間は、とても新鮮なものでした。私はその中で英語の指導だけでなく、外国人としての私が感動した日本の良さを生徒たちに知ってもらえるよう、私の日本に対する想いも生徒たちに訴えてきました。このことは彼らにとっても大変新鮮に感じられたようです。そしてこれらの体験を通じて、もっともっと生徒たちに関わりたい。「英語」という自分の持っている力を生徒たちに注ぎ、今後彼らが国際社会で活躍できるよう、責任を持って指導していきたいと考えるようになり、特別免許状の申請を決意しました。

Q:実際に教師として勤務してみての感想・やりがいや、採用前のイメージとの変化

A:今年度、中学3年生の学級担任として働くことができたのは、私にとっても非常に価値のあることでした。中学3年生ということで、生徒たちの将来の進路に関する大きな決断に携わる機会が数多くありました。生徒たちが自分の将来について考えているとき、私のアドバイスが彼らの役に立っていると知ることができ、本当にうれしく思います。彼らが実りある高校生活を送り、巣立っていく姿を間近で見るのをとても楽しみにしています。

Q:前職の経験が生きていると感じるところ

A:英会話講師として働いていたころは、子どもから定年退職した大人たちまで幅広い世代に英語を教えてきました。彼らが英語を学びたいと思う目的も非常に幅広く、それぞれのニーズに合わせた方法で指導する必要がありました。この柔軟性というものが現在の指導に大いに役に立っており、その授業集団に合った指導方法で授業を行うことができています。これにより、生徒たちは常に集中して授業に取り組んでくれているように感じます。

Q:これから特別免許状の授与を受け、教員として勤務することを目指している方々への助言やメッセージ

A:私からのメッセージは、特別免許状を受け取り教壇に立つという自分の決断に対して、真剣に向き合ってほしいということです。これは自分自身にとってもそうですが、これから毎日指導する生徒たちにとっても大切なことだと思います。生徒たちは授業はもちろん、毎日の生活の中でも皆さんを勉強面においても生活面においても頼りにしているのですから、彼らの思いを理解し、温かい心を持って接してほしいです。そういう意味ではとても大きな責任も伴うのでいい準備をして教壇に立っていただきたいと思います。

特別免許状を授与された先生の授業を受けた生徒より

生徒A

Q:現在の学年、または御職業

A:中学校3年生

Q:その先生との当時のかかわり(クラス担任、教科担任、生徒(進路)指導、部活動顧問など)

A:学級担任、英語および英会話の教科担任(共に現在)

Q:その先生に対して持っているイメージや、「他の先生とここが違う」と感じたことなど

A:最初に出会った時は、とても静かなイメージで、アメリカ人であるということもあり少し不思議な感じがしました。しかし、授業やホームルーム活動などを通して深く接する中で、今ではとてもおもしろい先生だという印象に変わりました。

Q:その先生についての印象的なエピソードや印象に残った言葉など

A:私が友だちとちょっとしたトラブルを起こしてしまった時、私と友だちの間に入って、お互いが納得いくように解決に導いてくれました。そして、その時だけでなく、その後もずっと気にかけて見守ってくれました。そんな先生の姿から、私たち生徒のことを親身になって考えてくれていることが感じ取れ、とても信頼できる先生だと改めて感じています。

特別免許状を授与された先生の勤務先の先生より

Q:貴校における教育の特徴やアピールポイントなど

A:本校は併設する高等学校を有する私立中学校である。中学校は各学年一クラス、少人数で個に行きとどいた教育環境の中、英語教育と国際理解教育における実践は、本校の特色ある教育といえる。中でも外国人教員3人という充実した職員体制で、コミュニケーション活動を中心とした英語授業、さらには週一回「英会話」の授業も行い、活用できる英語の習得を目指した教育実践に努めている。

Q:特別免許状を授与された教師の採用に当たって期待したこと

A:授業のアシスタント教員としての役割から、外国人教員単独の授業が可能になることにより、英語授業はもとより学級担任の立場で、より主体的に取り組む姿勢が身に付く。
また、英語の授業においては、単元や学習内容によってTT授業が有効か、1C2Tの授業が有効かなど、生徒の実態も鑑みながらより多様な学習形態を導入することが可能になる。そして生徒に合った多様な授業実践を重ねることにより、生徒の英語力が身に付くとともに英語好きが増えることも期待した。

Q:特別免許状を授与された教師を採用することで変化したことや得られた成果など

A:生徒が今まで以上に積極的に授業に参加するようになり、ネイティブな英語に触れる機会が増え、生徒にとっては生きた英会話力の向上につながっている。また、本校は、学級担任二人制を行っており、現在そのうちの1人は外国人が務め、朝の英会話講座を学級担任が行うことができる。また、生徒の教育相談に対しても、グローバルな視点など幅広い観点での対応が可能なため生徒たちも信頼して相談を持ちかけている。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:大学で教育課程を履修する機会がなかった者でも、専門的な知識を有し、経験を積めば正式に教諭として学校で勤務する機会が与えられることは、本人の意欲につながる。また、従来の教員にとっても、彼らの活躍が刺激となるだけでなく指導の視点も広がるなど、相乗的な成果が期待できる。