福井県 福井県立若狭東高等学校 松岡孝幸 先生

福井県立若狭東高等学校 勤務
松岡 孝幸 先生 高等学校教諭特別免許状 「農業」

プロフィール

福井工業大学 工学部 建設工学科土木工学専攻 卒業
株式会社SCに土木施工管理業務として17年勤務
本校で講師2年勤務

現職における役職や役割

農業科(測量、農業土木設計、課題研究)
庶務部、同窓会担当等
弓道部顧問
学級担任

特別免許状の授与を受けて勤務されている先生より

Q:教師を目指したきっかけや理由

A:建設業界の喫緊の課題に慢性的な技術者不足があり、また地方にとっては地元の担い手不足も大きな課題である。
私は、自分自身の経験が、「教科書にはない現場での体験談などを交える等から、学習への興味・関心を高め、学ぶ目的を明確にできる。」「自分達の学習が生活のライフラインを支えることにつながることを理解できれば、この学習を生かした業種に就きたいと意欲的に捉える生徒も増える。」との思いから、地元の建設業界を支える人材を育成する仕事に携わりたいと考えた。

Q:実際に教師として勤務してみての感想・やりがいや、採用前のイメージとの変化

A:同じ指導でも、社会人相手と全く知識のない高校生では大きく異なるため、指導に対する難しさがあった。
高校では、人生の分岐点(就職、進学)にも携わるため指導にも力が入り、卒業時には生徒の成長を目の当たりにしたり、感謝の言葉があったりと大変やりがいを感じる。部活動では、高校時代に弓道を経験していたので顧問をさせていただき、技術指導を通して人を育てることや、ボランティア活動を取り入れるなど社会貢献できることにもやりがいを感じている。
採用前は、難しい、堅苦しいというイメージがあったが、勤務してみると大変なことはたくさんあるが、現在のところ、多少なりとも人として手本となれる教師でいることができて大変良かったと思っている。

Q:前職の経験が生きていると感じるところ

A:授業では、教科書にない専門知識や現場での経験を伝えることができることは大変良かったと感じている。また、建設関係への進学や就職を希望する生徒に、しっかりと雇う側の目線で支援できていることも経験が生きていると感じる。
一方で技術職を経験したからこそ専門の知識以外の力の必要性を感じ、実習では校外に出て、実習以外の注意点や地元の方と話しコミュニケーション能力を高めることで新たな自分を発見させることができている。さらに、何事も成功に導くことだけでなく、失敗から学べることが多いことも伝えることができている。

Q:これから特別免許状の授与を受け、教師として勤務することを目指している方々への助言やメッセージ

A:企業の経験を生徒達に伝えたり、経験させたりして一人でも多くの人材を育ててほしいと思います。また、社会や生徒の手本となる教師を目指して常に新しい事を取り入れて人を育ててほしいと思います。

特別免許状を授与された先生の授業を受けた生徒より

生徒A

Q:現在の学年、または御職業

A:介護職

Q:その先生との当時のかかわり(クラス担任、教科担任、生徒(進路)指導、部活動顧問など)

A:クラス担任(3年間)、部活動顧問(3年間)

Q:その先生に対して持っているイメージや、「他の先生とここが違う」と感じたことなど

A:私たちと同じ目線に立って話をしてくれて間違ったことを正しく直してくれる。親身になって寄り添ってくれて、何でも気軽に話せるお父さんのような存在。

Q:その先生についての印象的なエピソードや印象に残った言葉など

A:大会前で練習がうまくいかなかったときに、一緒に話を聞いてくれたこと。練習も私のペースに合わせて指導してくださったこと。先生が私自身よりも私の事を信じてくれたこと。
落ち込んでいた時に「○○なら大丈夫」と立ち直るまで優しく寄り添って話を聞いてくれたりアドバイスをくれたこと。授業で分からない所やテスト前には放課後補習してくれたこと。特に資格試験の時には助かりました。

特別免許状を授与された先生の勤務先の先生より

Q:貴校における教育の特徴やアピールポイントなど

A:総合産業高校で、農業科・工業科・商業科の3つの科で構成されている。それぞれの学科・コースでは専門知識を学習し、実習をとおして理解を深めている。また、3年次には総合選択が4単位設定されており、他学科の教科を学習することができる。
校外との連携では、イベントを企画して学習してきたことを地域へ発信し、来場者との交流でコミュニケーション力を身に付けている。
卒業後は、地元の企業で就職し、地域を支える社会人になることを目指している。

Q:特別免許状を授与された教師の採用に当たって期待したこと

A:現場ではどのようなスキルを身に付けた人材が求められているのか?

Q:特別免許状を授与された教師を採用することで変化したことや得られた成果など

A:実際に現場で行われている施工方法等を授業や実習に取り入れることで、生徒になぜその知識が必要なのか自覚させるができた。
また、企業での人の育て方を知り、生徒への対応を見直すことができた。教員の業務についても、企業ではチームやグループで様々な事業に取り組んでいることを知り、校務の取り組み方について考えることができた。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:
① 現場で実際に体験してきたことを、生徒や教職員に教えてほしい。
② 企業が求める高校生について教えてほしい。
③ これまでの経験から、高校で指導すべきことについて提案してほしい。

都道府県教育委員会の方より

Q:貴教育委員会において、特別免許状の授与に当たっての特徴や力を入れているところなど

A:例年、教員採用試験において教育エキスパート特別選考として採用枠を設け、専門教育(理数系や農工商業など)、英語、芸術、スポーツの分野における民間企業経験や高い専門性を有する人材の採用を行っている。

Q:特別免許状の授与及び採用により変化したことや得られた成果など

A:各分野において専門性の高い人材を学校に配置することで、より実践的な授業や実習を行うことができ、生徒の興味関心を高めることはもちろん、専門知識の習得や学力の向上に役立っている。

Q:今後、特別免許状制度や特別免許状を授与された教師に期待すること

A:生徒の多様なニーズに対応するため、幅広い分野において高い専門性と経験を教育現場で活用してもらいたい。
地域との連携強化も含め学校教育の活性化の一助となってもらいたい。