学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について



文初高第202号
平成10年3月31日

 

各都道府県教育委員会、各都道府県知事、附属学校を置く各国立大学長  あて

                                                          文部省初等中等教育局長通知

 

学校教育法施行規則の一部を改正する省令等について(通知)


 このたび、別添1のとおり、「学校教育法施行規則の一部を改正する省令(平成10年文部省令第3号)」が平成10年3月27日に公布され、同年4月1日から施行されることになりました。
 また、別添2のとおり、「学校教育法施行規則第63条の4各号の規定により別に定めることとされた学修について定める件」(以下「告示」という。)が平成10年3月27日文部省告示第41号をもって定められ、同年4月1日から実施されることとなりました。
 今回の学校教育法施行規則(以下「省令」という。)の改正及び告示の概要、留意点等は、下記のとおりですので、事務処理上遺漏のないようお願いします。
 なお、都道府県教育委員会にあってはその所管の学校及び管下の市町村教育委員会に対して、都道府県知事にあってはその所管の学校法人及び私立学校に対して、国立大学長にあってはその管下の附属高校に対して、この趣旨の徹底を図るようお願いします。

第1 省令改正及び告示の趣旨・概要

1 省令改正及び告示の趣旨

  高等学校の生徒の能力・適性、興味・関心等の多様化の実態を踏まえ、学習の選択幅を拡大するとともに、自ら学ぶ意欲の向上により、生涯にわたる学習の基礎を培う観点から、生徒の学校外における体験的な活動や、自らの在り方・生き方を考えて努力した結果をこれまで以上に評価していくこととし、ボランティア活動就業体験等に係る学修について、各高等学校の判断により、当該学校の単位として認定できるようにするものであること。

2 省令改正及び告示の概要

(1)学校外における学修の単位認定の対象の拡大について

   従来より、高等学校の生徒の学校外における学修として、専修学校における学習成果と技能審査の成果について、単位を認定することが認められていたが、今回の改正により、単位認定の対象となる学校外における学修を拡大し、下記アからウまでの学修を対象とすることとしたこと。(今回新たに対象とされたのは、アの(ア)、(イ)のうち専修学校の専門課程における科目等履修生又は聴講生としての学修及び(エ)並びにウである。)

 ア 大学、高等専門学校又は専修学校の高等課程若しくは専門課程における学修その他の教育施設等における学修で以下に掲げるもの(省令第63条の4第1号関係)

  (ア)大学又は高等専門学校における科目等履修生、研究生又は聴講生としての学修(告示第1項第1号関係)

  (イ)専修学校の高等課程における学修及び専門課程における科目等履修生又は聴講生としての学修(告示第1項第2号関係)

  (ウ)専修学校が高等課程又は専門課程において高等学校の生徒を対象として行う附帯的教育事業における学修(告示第1項第3号関係)

  (エ)大学において開設する公開講座における学修、公民館その他の社会教育施設において開設する講座における学修その他これらに類する学修で、高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの(告示第1項第4号関係)

 イ 知識及び技能に関する審査で以下に掲げるものの合格に係る学修(省令第63条の4第2号関係)

  (ア)技能審査の認定に関する規則(昭和42年文部省告示第237号)により文部大臣が認定した技能審査で、当該審査の合格に係る学修が高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの(告示第2項第1号関係)

  (イ)(ア)に掲げるもののほか、一定の要件を備えた知識及び技能に関する審査で、当該審査の合格に係る学修が高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの (告示第2項第2号関係)

 ウ ボランティア活動その他の継続的に行われる活動(当該生徒の在学する高等学校の教育活動として行われるものを除く。)に係る学修で以下に掲げるもの(省令第63条の4第3号関係)

  (ア)ボランティア活動、就業体験その他これらに類する活動に係る学修で、高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの(告示第3項第1号関係)

  (イ)スポーツ又は文化に関する分野における活動で顕著な成績をあげたものに係る学修で、高等学校教育に相当する水準を有すると校長が認めたもの(告示第3項第2号関係)

(2)単位の認定方法について

  従来、専修学校における学習成果については、高等学校の科目の単位数の一部として認定することができるとされており、また、技能審査の成果については、審査の内容に対応する高等学校の科目について生徒が修得した単位数に一定の単位数を加えることができるとされていた。今回の改正では、新たに単位認定の対象とされた学校外における学修も含あ、単位の認定方法を限定せず、校長の判断によることとしたこと。(省令第63条の4関係)

(3)単位として認定できる数について

  省令第63条の3の規定に基づき他の高等学校における学習成果について加えることのできる単位数及び改正後の省令第63条の4の規定に基づき与えることのできる単位数の合計は、従来と同様、20単位を超えないものとすること。(省令第63条の5関係)


第2 留意事項

1 学校外における学修については、生徒が主体的に行う学修であり、かつ、自らの在り方・生き方を考えて努力した結果であることから、その単位認定に当たっては、通常の教科・科目の単位認定の際の評価・評定の方法によらず、その趣旨を生かしたものとなるよう工夫することが必要であること。

2 学校外における学修の単位認定に当たっては、学校外における学修の種類、態様等に応じてオリエンテーションの実施、計画書の提出、活動レポート等による成果の報告など、事前・事後の適切な指導が望まれること。

3 ボランティア活動、就業体験等に係る単位認定については、上記第1の2(1)ウ(ア)によるもののほか、高等学校においてあらかじめ開設された教科・科目(「その他の科目」等)の履修として行われるボランティア活動、就業体験等についても、もとより可能であること。

4 各種学校や専修学校一般課程の中には、予備校なども存在するが.そのような学校における特別の進学指導等に係る学習の成果を単位認定の対象とすることについては、学校外における体験的な活動等を評価しようとする本来の趣旨に沿わないと考えられること。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

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