地域の教育力を高め活用するコミュニティ・スクール
ー コミュニティ・スクールと生涯学習の接点 ー
全国コミュニティ・スクール連絡協議会、文部科学省、岐阜市教育委員会
平成29年8月4日(金曜日) 午前10時00分~午後4時00分
長良川国際会議場(岐阜市長良福光2695-2)
・岐阜市教育委員会 教育長 早川 三根夫
「意外とやさしいコミュニティ・スクールのつくり方と育て方」と題して、主催者である岐阜市教育委員会の早川教育長が意見発表を行いました。
(ポイント)
1.「岐阜市の全ての学校をコミュニティ・スクールに」という強引な施策の実現
2.今さらコミュニティ・スクールと言わなくてももうコミュニティ・スクール
3.地域の教育力を自覚してもらうチャンスは続いている
4.コールマン報告とプラウデン報告
5.地域コミュニティの全ては直接体験
6.地域の教育者としての自覚を促す
・東京大学大学院教育学研究科 教授 牧野 篤 様
「30年後の社会をつくる子どもたちのために」-コミュニティ・スクールといま私たちがすべきこと-
と題して、生涯学習の観点からコミュニティ・スクールのあり方やその意義について、御講演いただきました。
私たちは今、自分が足を踏み入れいている社会の現実を真正面からとらえ、その可能性を探り、次世代を生きる子供たちが希望をもって未来を構想し、新しい社会を作り出すことができるよう励まさなければなりません。
時代は、競争から協働へ。コミュニティ・スクールを基盤として、私たちは何をすべきなのか、たくさんの御示唆をいただきました。
【ファシリテーター】
・NPO法人カタリバ 代表理事 今村 久美 様
【パネリスト】
・東京大学大学院教育学研究科 教授 牧野 篤 様
・岐阜大学大学院教育学研究科 准教授 吉澤 寛之 様
・岐阜市立岐阜小学校運営協議会 委員 青山 朋宏 様
・児童・生徒代表
岐阜大学の吉澤先生から、岐阜市の子供たちのデータに基づく話がありました。
子供たちが地域に主体的に関わることは、学力の向上と深い関係があることを示されました。
(パネリストの主な意見)
・忘れてはならないことは、「地域」だけでなく「保護者」との連携やつながりを密にすること。
・地域住民が頑張ると、先生が受動的になるのでは。
→決して先生が受動的になるのではなく、それぞれの立場で、それぞれの役割をしっかり果たしている姿でもある。
・既存のPTAとの棲み分けはどうすればよいか。負担感が増えそう。
→負担は増える。しかし、負担感が増えるかどうかは別である。子供たちの成長を軸として、学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たし、社会総がかりで取り組んでいくことが重要。そういう視点に立てば、CSの理解者は増える。
・地域には色々な方がいるが、どのようにして関わりをもつとよいか。
→例えば、キャリア教育で行う職場体験も、CSの仕組みがあると、その体験だけにとどまらない関係が続く。そのことが重要。
・自分がやりたいことにCSを利用したことはたくさんある。CSは目的ではなく、手段である。
・学校や子供たちにどう関わっていくか、それを大人がみんなで考えていきたい。
(児童・生徒の意見)
・大人の皆さんが、私たち「子供たち」のためにこんなにたくさん集まっていただいていることに驚きました。このことを、私たち子供がみんな知らないといけないと思います。
・これからは、自主的に動ける、関わりを持つことができる大人を目指していきます。
・文部科学省初等中等教育局 参事官 木村 直人
最後に、文部科学省の木村参事官が本大会の総括を行いました。
「全ては子供たちのために」
ぜひ、子供たちに関わる多くの関係者で、「未来に向けて、アクションを起こしていきましょう。」というメッセージを送りました。
地教行法の改正により、CSの設置が努力義務となりましたが、CSはこれからの時代に必要なツール。本研究大会の成果を持ち帰っていただき、各自治体における持続可能な仕組みづくりに生かしていただきたい。
約1,200名
初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付