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コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(第47条の6)条文解説

学校運営協議会関係法令 解説

【関係条文】

地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)(抄)
   ※学校運営協議会制度は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」(平成十六年法律第九十一号)において創設。最終改正は「義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律」(平成二十九年法律第五号)による。

第四十七条の六 

  1. 教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校ごとに、当該学校の運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する機関として、学校運営協議会を置くように努めなければならない。ただし、二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合として文部科学省令で定める場合には、二以上の学校について一の学校運営協議会を置くことができる。 
  2. 学校運営協議会の委員は、次に掲げる者について、教育委員会が任命する。
    一   対象学校(当該学校運営協議会が、その運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する学校をいう。以下この条において同じ。)  の所在する地域の住民
    二   対象学校に在籍する生徒、児童又は幼児の保護者
    三   社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第九条の七第一項に規定する地域学校協働活動推進員その他の対象学校の運営に資する活動を行う者
    四   その他当該教育委員会が必要と認める者
  3. 対象学校の校長は、前項の委員の任命に関する意見を教育委員会に申し出ることができる。
  4. 対象学校の校長は、当該対象学校の運営に関して、教育課程の編成その他教育委員会規則で定める事項について基本的な方針を作成し、当該対象学校の学校運営協議会の承認を得なければならない。
  5. 学校運営協議会は、前項に規定する基本的な方針に基づく対象学校の運営及び当該運営への必要な支援に関し、対象学校の所在する地域の住民、対象学校に在籍する生徒、児童又は幼児の保護者その他の関係者の理解を深めるとともに、対象学校とこれらの者との連携及び協力の推進に資するため、対象学校の運営及び当該運営への必要な支援に関する協議の結果に関する情報を積極的に提供するよう努めるものとする。
  6. 学校運営協議会は、対象学校の運営に関する事項(次項に規定する事項を除く。)について、教育委員会又は校長に対して、意見を述べることができる。
  7. 学校運営協議会は、対象学校の職員の採用その他の任用に関して教育委員会規則で定める事項について、当該職員の任命権者に対して意見を述べることができる。この場合において、当該職員が県費負担教職員(第五十五条第一項又は第六十一条第一項の規定により市町村委員会がその任用に関する事務を行う職員を除く。)であるときは、市町村委員会を経由するものとする。
  8. 対象学校の職員の任命権者は、当該職員の任用に当たつては、前項の規定により述べられた意見を尊重するものとする。
  9. 教育委員会は、学校運営協議会の運営が適正を欠くことにより、対象学校の運営に現に支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合においては、当該学校運営協議会の適正な運営を確保するために必要な措置を講じなければならない。
  10. 学校運営協議会の委員の任免の手続及び任期、学校運営協議会の議事の手続その他学校運営協議会の運営に関し必要な事項については、教育委員会規則で定める。

義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律(平成二十九年法律第五号)(抄)

附則
(学校運営協議会の在り方の検討)
第五条   政府は、この法律の施行後五年を目途として、第四条の規定による改正後の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の六の規定の施行の状況、学校教育を取り巻く状況の変化等を勘案し、学校運営協議会の活動の充実及び設置の促進を図る観点から、学校運営協議会の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の六第一項ただし書に規定する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合を定める省令(平成二十九年文部科学省令第二十三号)(抄)

   地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の六第一項ただし書に規定する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合として文部科学省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一   同一の教育委員会の所管に属する小学校及び中学校において、学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)第七十九条の九第一項の規定により小学校における教育と中学校における教育を一貫して施す場合
二   同一の教育委員会の所管に属する中学校及び高等学校において、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第七十一条の規定により中学校における教育と高等学校における教育を一貫して施す場合
三   同一の教育委員会の所管に属する小学校及び当該小学校に在籍する児童のうち多数の者が進学する中学校において、これらの学校が相互に密接に連携し、その所在する地域の特色を生かした教育活動を行う場合その他教育委員会においてその所管に属する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要があると認めた場合


   *なお、上記法令はすべて平成29年4月1日に施行されている。

【地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の六 条文解説】

   学校運営協議会(以下「協議会」といいます。)は、保護者や地域住民の意見を学校運営に反映し、地域とともにある学校づくりを実現するための仕組みであり、平成16年度に地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号。以下「地教行法」といいます。)の改正によって制度化されて以来、「地域と連携した取組が組織的に行えるようになった」などといった成果に関する認識とともに、全国に広がってきているところです。他方、今日、児童生徒の状況に応じたきめ細かい学習支援、生徒指導上の課題への対応、学校安全の確保など、学校を取り巻く課題はますます複雑化・困難化しており、こうした課題を解決し、子供たちの「生きる力」を育むためには、教職員のみならず、地域住民や保護者等(以下「地域住民等」といいます。)の適切な支援を得ながら、学校運営の改善を図っていく必要があります。
   このため、学校と地域の組織的・継続的な連携を可能とする協議会について、更なる活動の充実と設置の促進を図る必要があるとの認識の下、必要な制度の見直しを行い、平成29年4月1日から改正地教行法が施行されました(以下、本改正を「平成29年改正」といいます。)。各教育委員会においては、改正された制度の趣旨を踏まえ、それぞれの地域や学校の状況に応じた適切な措置を講ずる必要があります。

第1項(学校運営協議会の設置及びその役割)

   上に述べたように、今日の学校を取り巻く課題に適切に対応するためには、地域住民等との連携・協働体制を構築し、その協力を得ることが不可欠です。そして、それらの協力・支援活動が適切に行われるためには、その活動を担う地域住民等が、当該学校の校長が持つ学校運営のビジョンや、当該学校の運営の現状、児童生徒が抱える課題等を的確に把握することが必要です。
   従来から、協議会は、その協議の対象となる学校(以下「対象学校」といいます。)の校長が作成する学校運営に関する基本方針の承認等を通じて、対象学校の運営について協議をすることとされていました。このような学校運営に関する協議を通じて、協議会は、学校運営の現状や児童生徒が抱える課題等を把握する立場にあり、そうした課題を解決するための地域住民等による支援の方法や内容について、協議会が併せて協議を行うことが効果的であると考えられます。
   こうした状況を踏まえ、平成29年改正より、協議会の役割として、従来の学校運営に関する協議に加え、学校運営への必要な支援に関する協議も行うものとしました。
   また、これからの公立学校は、地域とともにある学校へと転換し、地域との連携・協働体制を持続可能なものとしていくことが不可欠であることから、全ての公立学校において学校運営協議会制度の導入を目指すべく、各教育委員会に対して、これまで任意に設置するものとされていた協議会について、設置の努力義務を課すこととしました。この趣旨は、各教育委員会において、協議会が有効に機能するために必要な学校と地域の信頼関係の構築や、関係者の理解増進等の手順を踏みつつ、漸次、協議会の設置に向けた取組を進めていただくことを求めるものです。
   協議会をまだ設置していない教育委員会においては、この改正の趣旨を踏まえ、協議会の設置に向けた検討をこれまで以上に積極的に行うことが必要です。なお、努力義務化により、協議会の設置について特定の学校を指定する必要がなくなったため、従来の「指定」の仕組みを削除しています。
   併せて、旧制度においては、協議会は学校ごとに置くものとされていたところですが、小中一貫教育の効果的な実施や、中学校区内における複数の学校間の円滑な連携を図るためには、複数の学校について一つの協議会を置くことができる仕組みが必要であるとの指摘も踏まえ、今回の改正において、同一の教育委員会の所管に属する二以上の学校について相互に密接な連携を図る必要がある場合には、当該二以上の学校について一の協議会を置くこともできるよう、規定の整備を行いました。具体的にどのような場合に複数の学校で一つの協議会を置くことができるかについては、法の委任を受け、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十七条の六第一項ただし書に規定する二以上の学校の運営に関し相互に密接な連携を図る必要がある場合を定める省令(平成二十九年文部科学省令第二十三号)」において定めているところです。
   協議会を設置する対象の学校となり得るのは、地方公共団体が設置する小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園です。

第2項(学校運営協議会の委員)

   協議会は、学校運営及び任命権者の任命権の行使の手続に関与する一定の権限が付与される機関であることから、その委員については、設置者である教育委員会の責任において人選が行われ、任命されることになります。その際、幅広く適任者を募る観点から、例えば、公募制の活用等選考方法を工夫するとともに、地域住民や保護者等へ広報、周知に努める必要があります。
   委員は、これまで、対象学校が所在する地域の住民、対象学校に在籍する生徒、児童又は幼児の保護者等から選任することとされていました。しかし、第1項の改正において示されたように、協議会は、平成29年改正により、学校運営への必要な支援に関しても協議を行うこととしました。この協議が実効的・効果的に行われ、かつ、その結果を踏まえた学校運営への支援活動が円滑に実施されるためには、実際に当該学校の運営改善に関する活動を行っている者が協議に加わることが求められます。
   このため、平成29年改正により、協議会の委員に「学校の運営に資する活動を行う者」を加えることとしました。その典型的な例としては、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)に規定される「地域学校協働活動」において、中核的な役割を果たす「地域学校協働活動推進員」が想定されますが、それ以外にも、例えば、
   ・年間を通じて学校と地域の行事の共同実施や、朝学習の指導を積極的に行う自治会やPTA等の団体の代表者
   ・学校の授業における学習支援やキャリア教育を積極的に行うNPOの代表者
といった方を任命することも考えられます。
   これらの学校運営への支援に関するネットワークを持っている方をすでに任命している教育委員会におかれては、そうした方を「学校の運営に資する活動を行う者」として任命することで、さらに効果的な協議会の運営が期待されます。
   また、法定されている者以外の委員としては、例えば、対象学校の校長、教職員、指導主事等の教育委員会事務局職員に加えて、地域の商工会等の関係者、警察や児童福祉施設など関係機関の職員、教育行政や学校教育に指揮権を有する有識者等が想定されます。
   委員については、公立学校としての運営の公正性、公平性、中立性の確保に留意しつつ、適切な人材を幅広く求めて任命するとともに、協議会において合議体として適切な意思形成が行われるよう、研修等を通じ、委員が協議会の役割や責任について正しい理解を得るよう努める必要があります。また、協議会の委員は、地方公務員法第3条第3項第2号に該当し、特別職の地方公務員の身分を有することになります。このため、地方公務員法上の守秘義務等は課されませんが、委員は、児童生徒や職員等に関する個人的な情報を職務上知り得る可能性があることから、教育委員会規則において守秘義務を定めるなどの適切な対応が必要です。

第3項(委員の任命に関する校長の意見の申出)

   協議会は、学校運営及び当該運営への必要な支援に関する協議を行い、後述するように、校長が作成する学校運営に関する基本的な方針を承認する役割を担う機関です。そのため、協議会の委員は、単に第三者的な立場から学校運営を批評するような者ではなく、対象学校について一定の理解を有した上で、当該学校を応援する存在として、その運営改善に資するような建設的意見を述べ、学校運営に責任感を持って参画することができる者であることが求められます。
   こうした人材を確保するためには、学校運営の責任者としての立場にある校長が、自校の運営の現状や課題等に照らして、どのような人物がその運営の改善に資するかを考え、任命権者である教育委員会に意見を申し出ることで、委員の任命にかかる手続きに具体的に関与することが適当であることから、平成29年改正により、対象学校の校長が協議会の委員の任命に関して教育委員会に意見を申し出ることができることとしました。各教育委員会におかれては、規則において、委員の選定の際に校長から意見を聴取する手続きについて規定を置くなど、対象学校の校長が意見を申し出る機会を確保するための措置を講ずることが求められます。

第4項(学校運営に関する基本的な方針の承認)

   協議会は、校長の作成する学校運営の基本的な方針の承認を通じ、育てたい子供像や目指す学校像等に関する学校運営のビジョンを共有し、地域住民等の意向を当該方針に反映させることで、地域住民等が校長とともに学校運営に責任を負っているという自覚と意識を高めるとともに、学校運営の最終責任者である校長を支え、学校を応援する役割を担っていることを明確化するものです。校長は、承認された学校運営に関する基本的な方針に沿い、その権限と責任において教育課程の編成等の具体的な学校運営を行うことになります。
   教育課程の編成以外の学校運営に関する基本的な方針の対象となる事項としては、一般的には、施設管理、組織編成、施設・設備等の整備、予算執行等に関する事項が考えられますが、具体的には、地域や学校の実態等に応じて教育委員会規則において定めます。

第5項(協議の結果に関する情報の提供)

   平成29年改正により、協議会は、学校運営への必要な支援についても協議する役割を担う(第1項解説参照)とともに、学校運営に資する活動を行う者を委員に加える(第2項解説参照)こととなりました。これらの趣旨は、学校が抱える複雑化・困難化した課題により適切に対応していくため、学校運営に対する地域住民等からの一層の支援・協力を得ることにあります。
   こうした改正に加え、協議した支援の内容が、実際に学校運営への支援活動に携わる地域住民等と確実に共有された上で、地域住民等による学校運営に対する理解・協力が得られるようにするためには、協議会が、その協議の結果に関する情報を広く地域住民等に積極的に提供することが必要です。このため、同改正において、協議会は、その協議の結果に関する情報を地域住民等に提供するよう努めることとしました。協議会が情報提供を行うことは、地域住民等の学校運営に対する理解を深めるだけでなく、学校運営及び協議会における協議の適正さを確保することにもつながります。このことは、協議そのものと相まって、地域住民等に開かれた学校運営の実現という協議会の本来の趣旨の実現を補完する役割を果たすものとなります。
   具体的な情報提供の方法としては、いわゆる「学校だより」や「学校運営協議会だより」といった形で配布すること、インターネットを通じて発信すること、PTA集会等の会合の場を利用して周知することなどが想定されるほか、新たに委員として加えられた学校の運営に資する活動を行う者が有するネットワークを通じて、協議会の委員外の地域住民等に広く情報を提供することも考えられます。教育委員会としては、そうした情報提供が円滑に行われるよう、適切に配慮することが求められます。

第6項(運営に関する意見の申し出)

   協議会は、学校運営に関して協議する機関として設置されるものであることから、基本的な方針の承認に止まらず、当該学校の運営全般について、広く地域住民等の意見を反映させる観点から、教育委員会又は校長に対して主体的に意見を申し出ることができる旨を明確にしたものです。

第7項(職員の任用に関する意見)

   協議会による対象学校の職員の任用に関する意見は、地域とともにある学校づくりの観点から、対象学校の職員の採用その他の任用に関する事項について、地域住民等が協議会を通じて直接任命権者に述べることができることとしたものであり、対象学校の運営に関する基本的な方針を踏まえ、学校と協議会が実現しようとする教育目標等に適った教職員の配置を求めるための重要な機能です。
   他方、協議会を設置していない教育委員会の一部等からは、当該意見が述べられることにより、教職員人事や学校運営の混乱につながるのではないかとの懸念が示されており、協議会の設置促進にとっての足かせとなっているとの指摘がありました。しかし、こうした懸念は、実際に協議会を設置することにより、ほとんど解消することがわかっています(平成25年度の文部科学省の委託調査によれば、「任用の意見の申出で人事が混乱しないか」といった課題意識を持つ対象学校の校長の割合は、協議会設置前は約23%であったところ、設置後は約1%に低減しています。また、平成27年度の文部科学省委託調査においては、「教職員の任用に関する意見申出により人事が混乱した」との設問に対して、回答した対象学校の校長のうち「とても当てはまる」と答えたのは0%、「少し当てはまる」と答えたのは約0.4%にとどまっています。)。
   このような実態があるにも関わらず、引き続き懸念があることも考慮すれば、職員の任用に関する意見については、各学校の特色や地域の実情等を踏まえつつ、どのような事項を協議会による意見申出の対象とするかについて、各教育委員会の判断に委ねることが適当と考えられることから、平成29年改正において、協議会の意見の対象となる事項の範囲について、各教育委員会規則で定めることとしました。各教育委員会においては、この趣旨を踏まえ、それぞれの域内の事情を勘案し、適切に規則を設けることが求められます。
   規則においてどのような内容を定めるかは、まさに各教育委員会において検討・判断いただく必要がありますが、例えば、協議会の趣旨を踏まえた建設的な意見に限ることや、個人を特定しての意見ではなく、対象学校の教育上の課題を踏まえた一般的な意見に限ることなどが想定されます。
   なお、本項の対象となる「職員」とは、校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、学校事務職員その他当該学校の職員がすべて含まれます。また、「採用その他の任用」とは、採用、転任、昇任に関する事項であり、分限処分、懲戒処分などについては本項に基づく意見の対象とはなりません。校長、教育委員会においては、協議会が本項に基づく意見を述べようとするに当たって、適切な意思形成を行えるよう十分な情報提供に努める必要があります。
   協議会を設置する学校に関しても、現行の市町村教育委員会の内申権、校長の意見具申権には変更は生じません。したがって、協議会の意見の有無や内容にかかわらず、校長は意見具申を行うことが可能であるとともに、都道府県教育委員会は、市町村教育委員会の内申を待って任命を行う必要があります。その際、市町村教育委員会は、内申の内容について、協議会の意見の内容との調整に留意する必要があります。
   県費負担教職員に関する協議会の意見については、設置者としてその内容を了知しておく必要があることから、手続上、市町村教育委員会を経由して都道府県教育委員会に提出されるものであり、市町村教育委員会においてその内容が変更されるものではありません。

第8項(職員の任用に関する意見の尊重)

   第7項に規定される職員の任用に関する意見の意義が果たされるためには、協議会が単に意見を述べるのみならず、任命権者において、協議会の意見の内容を実現するよう努めることが求められます。このため、本項は、任命権者が協議会の意見を尊重することを規定するものです。
   ただし、本規定は、任命権者の任命権の行使そのものを拘束するものではなく、任命権者は、協議会の意見を尊重するとともに、市町村教育委員会の内申(地教行法第38条)や人事評価の結果等を総合的に勘案し、最終的には自らの権限と責任において任命権を行使することとなります。

第9項(協議会の適正な運営の確保)

   従来の制度においては、協議会の活動が著しく適性を欠くことにより、協議会を置く学校として指定された学校の運営に支障が生じることのないよう、協議会の指定の取消しに関する規定を置いていたところですが、平成29年改正により、協議会の設置について各教育委員会に努力義務を課したことから、設置に当たり特定の学校を指定する必要がなくなったため、本項における指定の取消しに関する規定も含め、指定を前提とした規定は改めることとなりました。
   他方、協議会の設置が努力義務となった場合でも、協議会の適正な運営を確保する仕組みは引き続き必要であることから、指定の取消しに代え、協議会の運営が適正を欠くような場合には、設置者である教育委員会がその適正な運営を確保するために必要な措置を講じなければならないこととしています。具体的な措置の内容は、協議会が抱える課題の性質や内容を踏まえて、各教育委員会において判断されることとなりますが、例えば、発言力の強い特定の委員により偏った協議会の運営がなされ、学校運営に支障を生じかねない場合には、当該委員を罷免した上で新しい委員を任命することや、委員同士の意見が対立して協議会としての意思形成がなされず、学校運営に関する基本的な方針の承認がなされない場合には、協議会の運営を一時的に停止させ、運営の改善に向けた指導を行うことなどが想定されます。
   なお、どのような場合に、どのような措置を講じるかについては、あらかじめ教育委員会規則において定めておくことが望ましいと考えられます。
   また、協議会の運営がそもそも適性を欠くことのないよう、教育委員会は、協議会の運営の状況について的確な把握に努めるとともに、必要に応じて協議会及び校長に対して指導、助言を行うなど、協議会の円滑な運営の確保に努める必要があります。

第10項(諸手続に関する教育委員会規則の定め)

   協議会の運営に関する事項については、地域の実態や学校の実情なども踏まえ、各教育委員会の判断で柔軟な運用が可能となるよう、教育委員会規則において定めることとしているものです。各教育委員会は、公立学校としての運営の公正性、公平性、中立性の確保に留意しつつ、責任をもって定めるとともに、その内容について広報、周知に努める必要があります。
   「学校運営協議会の委員の任免の手続及び任期」
   協議会の委員については、委員の構成、人数、選考方法等も含め、任免に当たっての必要な規定を整備する必要があります。また、任期ごとにその活動状況を把握し、適任者の任命に努めることが必要です。
   「学校運営協議会の議事の手続」
   協議会は、合議制の機関として意思決定を行うものであり、開催の手続、議長の選出、議決方法などについてあらかじめ規定することが必要です。
   「その他必要な事項について」
   その他教育委員会規則で定めることが必要な事項としては、守秘義務など委員の服務に関する事項、協議会の運営の評価に関する事項などが考えられます。

【義務教育諸学校等の体制の充実及び運営の改善を図るための公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の一部を改正する法律 附則】

第五条(学校運営協議会の在り方の検討)

   政府は、平成29年改正により、協議会の設置を努力義務としたことで、各教育委員会における取組がどの程度進捗したか、また、協議会が学校運営への必要な支援に関しても協議するとしたことで、学校運営の改善にどのような効果があったかといった点を把握しつつ、今後の学校教育を取り巻く環境の変化を踏まえ、改正法の施行後5年を目途として、協議会の在り方について改めて検討を行うこととされています。この検討は、協議会の活動の更なる充実を図り、協議会の設置を一層促進する観点から行われるものであり、その結果に基づき、政府が所要の措置を講ずべきことが規定されています。

お問合せ先

総合教育政策局地域学習推進課

(総合教育政策局地域学習推進課)

-- 登録:平成23年11月 --