コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)

平成22年度コミュニティ・スクール推進協議会

平成22年度コミュニティ・スクール推進協議会実施報告

全体のまとめ

平成22年度のコミュニティ・スクール推進協議会を、秋田、滋賀、佐賀、東京の4会場で実施しました。
各会場では、コミュニティ・スクールの意義や導入及び運営の方法等について具体的な事例を基に普及・啓発を図るため、専門家による基調講演と実践校による実践発表を基にした研究協議を実施しました。
基調講演では、コミュニティ・スクールの基本的な考え方や導入に向けてのポイントなどについて、コミュニティ・スクールを指定している教育委員会の教育長や、専門的に研究されている学識経験者が講演。
分科会では、小学校分科会と中学校分科会のそれぞれで実践発表を基に研究協議を実施。各学校の実践から、コミュニティ・スクールの成果や課題が明らかにされました。
参加者からは、コミュニティ・スクールの全体像と具体的実践が理解できた、学校を核とした地域づくりの重要性が分かった、推進協議会等を通じてさらに普及啓発を図っては、などの声が寄せられました。

参加者数~4会場の総数~

・合計参加者数:1322名

・参加者内訳:学校関係者585名、教育委員会関係者243名、保護者87名、学識経験者24名、一般の方324名ほか※一部無記名

参加者アンケートから~4会場のまとめ~

・基調講演については、肯定的な回答が約95%の545件(回答総数572件中)
・分科会については、肯定的な回答が約98%の516件(回答総数526件中)
・コミュニティ・スクール導入への意欲については、肯定的な回答が約74%の238件(322件中)
※回収総数は602件(回収率)だが、無回答があるため、設問によって回答総数は異なる。

分科会協議概要~成果と課題~

<成果>

学校運営の改善が図られた例

○地域・保護者の協力による学校の情報発信方法の改善
小学校就学予定児童の保護者説明会で、地域住民や保護者の代表が、学校からは伝えにくい内容に踏み込んで説明(保護者としてのマナーなど)
○地域・保護者との共同による教育課題の解決
学校内外で大人と子どもが挨拶し合える関係・環境づくりを促進
○地域の教育資源・人材を活かした地域に根差した学習活動等の充実
地域住民が行っている環境保全活動に子どもが参加
教育活動を推進する組織が立ち上がり、地域主催の土曜寺子屋を実施
○教育ボランティアの増加など、学校への協力体制の充実
教育活動への教育ボランティアの積極的な活用が促進
教育ボランティアの組織が確立し、計画的、組織的な学習支援が促進
○小中連携の充実
小中学校の学校運営協議会の委員が連携・協力することで、小中の連携による教育が促進

地域・保護者との関係づくりに効果が見られた例

○保護者との信頼関係の構築
保護者の要望等を間接的に学校運営協議会が学校に伝え、円滑な解決に寄与
○教員の意識変化
地域住民や保護者に教育活動へ参画してもらうことへ教員の不安が薄れ、共に教育に取り組む意識が醸成

<課題>

・学校運営協議会の事務(連絡調整、会議準備等)に係る教員への負担
・教職員のコミュニティ・スクールへの参加意識
・学校運営協議会委員の人選・固定化
・学校運営協議会による具体的な改善策の提案
・PTAとの連携
・地域住民・保護者に対するコミュニティ・スクールへの理解・協力の拡大
・学校関係者評価、学校評議員など既存組織等との連携
・学校運営協議会委員以外の地域住民・保護者のニーズの把握
・学校運営協議会委員による学校運営の評価
・学校運営協議会の経費

  • 平成22年度コミュニティ・スクール推進協議会実施報告
  • 【開催案内】平成22年度コミュニティ・スクール推進協議会の開催について(※報道発表へリンク)

1.秋田会場

午前の全体会では、玉川大学教職大学院教授の小松郁夫氏が「学校、家庭、地域住民が創造する新しい教育」と題して、「地域連携へのやりがいの向上」や「地域連携による教員の指導力の向上」などコミュニティ・スクール導入による成果や、「『熟議型』共通意思の形成による新しい公教育の創造」などコミュニティ・スクールの可能性等について基調講演。

午後の小学校、中学校の各分科会では、実践校の発表を基に、学校運営協議会制度を活用する上での課題やその解決策等について協議。小学校分科会助言者の玉川大学教職大学院教授の坂野慎二氏からは、コミュニティ・スクールと学校支援地域本部との違いや関係性などについて、中学校分科会助言者の香川大学教育学部教授の柳澤良明氏からは、コミュニティ・スクールの多様性・可能性や、多様な人々のネットワークが学校にもたらす効果などについて助言がありました。

(1)開催日:平成22年7月27日(火曜日)

(2)会場:秋田県児童会館、秋田県生涯学習センター

(3)参加者数:292名(学校関係者171名、教育委員会関係者80名、保護者4名、学識経験者2名、一般の方20名ほか)

2.滋賀会場

午前の全体会では、東京都三鷹市教育委員会教育長の貝ノ瀨滋氏が「今、なぜコミュニティ・スクールか」と題して、三鷹市が学校運営協議会制度を活用しようとした目的や意義、成果等について基調講演。

午後は、鈴木寛文部科学副大臣の挨拶に引続き、小学校、中学校の各分科会では、実践校の発表を基に、学校運営協議会制度を活用する上での課題やその解決策等について協議。小学校分科会助言者の筑波大学准教授の水本徳明氏からは、各学校でコミュニティ・スクールの意味形成していくことの大切さや、コミュニティ・スクールがもつよさなどについて、中学校分科会助言者の静岡大学教授の山﨑保寿氏からは、既存の組織との関係付けなど、コミュニティ・スクールを発足する際の工夫や、学校運営のマネジメントサイクルとの関連付けなどについて助言がありました。 

(1)開催日:平成22年8月5日(木曜日)

(2)会場:野洲文化ホール

(3)参加者数:357名(学校関係者155名、教育委員会関係者48名、保護者21名、学識経験者8名、一般の方109名ほか)

3.佐賀会場

午前の全体会では、福岡県春日市教育委員会教育長の山本直俊氏が「コミュニティ・スクール 6年目・今見えてきたこと」と題して、「学校の課題を解決するためにコミュニティ・スクールを活用すること」や「学校・家庭・地域の三者が共に取り組まなければ成功しない活動を考えること」など、コミュニティ・スクールの取組を通じて明らかになってきたことを中心に、コミュニティ・スクールのポイントについて基調講演。

午後は、小学校、中学校の各分科会では、実践校の発表を基に、学校運営協議会制度を活用する上での課題やその解決策等について協議。小学校分科会助言者の兵庫教育大学准教授の竺沙知章氏からは、地域性を受け止めた学校づくりの大切さやコミュニティ・スクールの取組を通じて学校の将来、地域の将来を考え、作り上げていくことの大切さなどについて、中学校分科会助言者の国立教育政策研究所総括研究官の屋敷和佳氏からは、学校評価における学校運営協議会の取組の工夫や学校支援ボランティアの取り組みからコミュニティ・スクールへ発展させていくことなどについて助言がありました。

(1)開催日:平成22年8月19日(木曜日)

(2)会場:佐賀市民会館

(3)参加者数:278名(学校関係者117名、教育委員会関係者52名、保護者29名、学識経験者3名、一般の方64名ほか)

4.東京会場

午前の全体会では、鈴木寛文部科学副大臣の挨拶に引続き、日本大学文理学部教授の佐藤晴雄氏が「コミュニティ・スクールで学校と地域を元気に」と題して、地域に学校を開くことの意義やコミュニティ・スクールの効果等について基調講演。

午後の小学校、中学校の各分科会では、実践校の発表を基に、学校運営協議会制度を活用する上での課題やその解決策等について協議。小学校分科会助言者の京都産業大学教授の西川信廣氏からは、学校と地域の関係性の質を高めるためにコミュニティ・スクールを活用することや、コミュニティ・スクールの取組を通じて、学校が地域の課題を解決するとともに、地域が地域の課題を解決する力量をもつ必要があることなどについて、中学校分科会助言者の東京学芸大学教職大学院教授の藤井穂高氏からは、アメリカの例などを引きながら、コミュニティ・スクールは、住民が地域の未来について議論するためのツールともなることや、学校が地域と向き合うという視点の必要性などについて助言がありました。

(1)開催日:平成22年9月14日(火曜日)

(2)会場:国立青少年オリンピック記念センター

(3)参加者数:395名(学校関係者142名、教育委員会関係者63名、保護者33名、学識経験者11名、一般の方131名ほか)

お問合せ先

初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付 運営支援企画係

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(初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付 運営支援企画係)

-- 登録:平成23年11月 --