学校関係者と地域・社会や産業界の関係者が連携・協働してキャリア教育に取り組んでいる先進事例を表彰する「キャリア教育推進連携表彰」(文部科学省・経済産業省による共同実施)について、令和7年度、受賞された団体における取組の概要を取りまとめましたので、紹介いたします。
キャリア教育推進のため、二つの地域共創の取組を展開している。共創ウェルビーイング部では、交流拠点「のくにラボ」を創設し、世代を超えたキャリアを育む。紙漉き文化再生プロジェクトでは、廃棄物活用和紙を企業と開発する等、持続可能な環境教育を推進している。さらに、これらの取組を通じて連携した企業人や有識者が、全校生徒対象の探究活動や対話型ワークショップに参加し、全生徒たちのキャリア形成を支援する。
国本小学校の高学年児童は、自分たちの発案するプロジェクトを軸に課題解決型の探究学習を実施している。数多くの企業・団体、地域社会と連携・協働しながら、身近な生活用品の資源循環プロジェクトをはじめとした数多くのプロジェクトを自分たちで発案し立ち上げている。それらの過程で、CO₂排出量の削減を可視化するとともに、サーキュラーエコノミーサイクルの一端を担う取組に主体的に関わり、多くの人々の意識変容・行動変容を促している。
総合的な探究の時間と課外活動を連動させ、学校内外で学びを深めるキャリア教育を実践。生徒は社会課題に基づく企画立案や商品開発、地域イベントへの出店を通じ、実用的な学びを深めている。企業や自治体をはじめ多様な外部機関との連携により、実社会と繋がる学習環境を整備。また、生徒の興味や成長段階に応じた「受動型-開拓型Stepモデル」を導入することで、個々に応じた挑戦機会を提供し、主体性と多様なキャリア観を育んでいる。
佐渡市立松ヶ崎小中学校は、学校を「株式会社」に見立てたキャリア教育を実践している。廃校危機を乗り越え、地域活性化に貢献してきた本取組の成果は、持続可能な地域と未来へつながる取組として、民間企業が協力を申し出て、主体的な協働へと発展。2024年度にはイオンモールで子どもたち自らが企画・運営・販売を行い、ビジネス経験を積んだ。学校(小中学校)・地域・民間企業がそれぞれ役割を明確にした連携によるキャリア教育を実現している。
摂津市教育委員会が事務局となり、商工会と連携してキャリア教育の登録制度を設けている。中学校の職場体験では、登録団体や個人の協力を得て、企業が有する課題に関する探究活動を実施。小学校では、社会人との交流を希望する学年と企業・個人をつなぎ、「社会人トーク」で地域の方へインタビューを行った。また、プロのダンサーによる運動会ダンス指導や、納豆作りなどの出前授業を開催した。加えて、PTA祭りへのブース出展などを通じ、学校・地域・企業の大人たちが一体となり、共に価値を創造する場を広げている。
落花生の栽培からピーナツバターの製造、販売に至るまでの一連の流れを体験することで、いわゆる「六次産業化」の過程には、多くの役割や仕事が存在し自分の得意を活かせる場面があることを学んでいる。こうした実体験を通し、生徒は、自分の視野を広げ、自己肯定感を高めるとともに、社会を理解し将来を前向きに考える姿勢を育んでいる。
「若者が戻り住み続けられる街」を目指し、学校・行政・企業・地域団体が連携し、小学生の仕事体験「子どもミュージアム商店街」、高校生による地域探究学習や情報誌「高校ぶうめらん」の制作、地元企業と協働した「関有知マルシェ」などを実施またはサポート。一部の取組には、大学生ボランティアも参加し、小学生から大学生までが地域と関わる機会を創出。地元への愛着を育む一貫したキャリア教育を地域と協働しながら展開している。
株式会社榮太樓總本鋪(和菓子屋)の200年続く歴史や商品について、特別支援学級の生徒が、校外学習(本店見学、工場見学)を中心に学びを進め、「働くこと」の意義や責任などを理解。その後、地元の特産物を扱った榮太樓總本鋪の商品「八王子キャンディー」のパッケージ開発を行い、商品の販売を経験した。実際の会社を想定し、個々の得意を活かすため3つの部署を創設して、それぞれが果たす立場や役割を考えながら課題解決に向けて協働し、社会参加することができた。
初等中等教育局児童生徒課