学校関係者と地域・社会や産業界の関係者が連携・協働してキャリア教育に取り組んでいる先進事例を表彰する「キャリア教育推進連携表彰」(文部科学省・経済産業省による共同実施)について、令和4年度、受賞された団体における取組の概要を取りまとめましたので、紹介いたします。
安曇川上流に位置する大津市立葛川小・中学校は、豊かな水と流域資源から独自の文化を持つ山間の小さな学校である。子供たちは、児童生徒数減少による廃校の危機から母校を守るため、地域を知ってもらい〈Know〉、来てもらい〈Come〉、住んでもらう〈Live〉活動、KCLプロジェクトを推進している。
tobiraドリームプロジェクトは各分野で活躍するプロフェッショナルからオンラインで直接話を聞くことができるプログラムである。全国どのような環境下でも多くの職業に触れる機会を平等に提供している。たくさんの職業を知ることで、目標とする大人のロールモデルが見つかり、目的意識を持って目の前の勉強に励める。
生駒市立生駒南第二小学校の全校児童が縦割り班に分かれ、地域の魅力を発信するクイズアプリ「にしょロボくん」を開発する実践型キャリア教育プロジェクト。学校・自治体・地域ボランティア・市民団体・大学が連携し、1年かけて503件のクイズと708件の地域の情報を収集した。現在も情報を増やしながらWEBアプリで公開中。
川崎の臨海部に立地した日本の産業を牽引する企業と川崎市が連携し、川崎総合科学高等学校におけるキャリア在り方生き方教育の充実を図っている。工業科(情報、電気、機械、建設、デザイン)および理数科を設置した専門高校の生徒たちに勤労観・職業観の醸成と学習意欲の喚起につなげキャリア形成を支援している。
中・高校生が地域の魅力・問題を発見しながらビジネスプランを作り、ピッチイベントで成果発表を行うもの。参加者は、約2ヶ月間、社会で活躍する起業家や専門家等による丁寧なフォローアップ(ピッチのフィードバック含む)を受けながら、フィールドワークやワークショップを経て、ビジネスプランのブラッシュアップを行う。
家庭科単独の専門高校の強みを生かし、地域との協働により、地域活性化につながる取組を行っている。科目「起業家入門Ⅰ・Ⅱ」で地域の課題発見・解決への実践的学習に取り組み、農産物等を活用した食品や服飾品の商品企画・販売、地域魅力向上計画の提案等、生徒のアイデアを形にした活動を継続している。
新潟県佐渡市で行う本取組は、学校を「企業経営」に見立て、廃校の危機を脱するために、児童が自ら数値目標「移住家庭2家庭、問い合わせ件数8件」を設定し、様々な活動を行った。保護者や地域住民・団体、市役所を「株主」に見立てて積極的な連携も行い「移住家庭4家庭、問い合わせ件数12件」を実現した。
初等中等教育局児童生徒課