7文科初第873号
令和7年6月25日
各都道府県教育長
各指定都市教育長
各都道府県知事 殿
附属学校を置く各国公立大学法人の長
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長
文部科学省初等中等教育局長
望月 禎
学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減について(通知)
学校における補助教材及び通学用服等の学用品等の購入については、「学校における補助教材の適正な取扱いについて」(平成27年3月4日付け文科初第1257号)、「学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて」(平成30年3月19日付け初財務第26号)及び「学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについ て」(令和5年10月23日付け事務連絡)等を踏まえ、保護者等の経済的負担が過重なものとならないよう留意いただいているところです。
この度、現下の物価高により、影響を受ける家計の負担軽減が一層重要となっていることも踏まえ、各教育委員会等における検討に資するよう保護者等の経済的負担を軽減させるために、教育委員会等が工夫をしている事例を下記のとおり整理いたしましたので周知します。これらも参考としながら、引き続き、地域の実情に応じて、積極的に取組を御検討いただきますようお願いします。
また、すでに補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減の取組を実施されている教育委員会等におかれては、現在実施している予算措置以外の取組や工夫につい て、下記の<情報提供フォーム>まで情報提供いただきますようお願いします。いただいた事例の中で他の自治体の参考となるような取組については公表させていただくこともありますので、あらかじめ御了承ください。また、事例が一定数集まった場合には、あらためて文部科学省において、自治体における工夫事例として取りまとめたうえで、情報提供させていただきます。
各都道府県教育委員会におかれては、所管の学校及び域内の市町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会におかれては、所管の学校に対して、各都道府県知事及び構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては、所轄の学校及び学校法人等に対して、附属学校を置く各国公立大学法人の長におかれては、その管下の学校に対して、本通知の内容についての周知と必要な指導等について適切にお取り計らいくださいますようお願いします。
なお、学校の負担軽減を図る視点から、同時期に他の通知等がある場合には、所管の学校に対してまとめて送付いただくなど、教育委員会等において必要に応じて対応を御検討いただけますと幸いです。
記
1.保護者等負担で購入していた教材の学校備品化
これまで保護者等負担で毎年購入していた教材(例:算数セット、彫刻刀、裁縫セット等)を学校備品として整備することで、保護者等の負担軽減を図った事例があります。
なお、各教科等で使用する教材のうち、学校に備えるべき品目や数量の目安を「教材整備指針」として示しており、それらを自治体が整備できるよう所要の地方財政措置を講じているところです。
2.学校指定物品に関する学校向けガイドラインの作成
制服や体操服等の学校指定品の業者選定や契約等に関して、教育委員会が学校向けのガイドラインを作成することで、各学校が契約の競争性、公平性を確保しつつ、 より質が高く低価格の物品の指定に努めるよう促している事例があります。ガイドラインにおいては、具体的な事務手続のフローチャート、指定物品の点検項目表、 業者選定評価書、入札仕様書等が例示されています。
3.EC サイトの導入による ICT 端末の低廉化等
高校生が使用する ICT 端末について、教育委員会が事業者と連携して EC サイトを立ち上げ、保護者等が通常価格よりも安価にBYOD(Bring Your Own Device)の ICT 端末を購入できるようにした事例があります。教育委員会が端末と附属品を一括選定で大量調達することにより、スケールメリットを活かした低廉化を実現しています。このほか、補助費用を差し引いた金額で、EC サイトから購入できる仕組みを提供することで、保護者等の一時的な経済的負担を軽減している事例もあります。
4.制服の見直しによる安価化やレンタル制度の導入
県立高等学校が、コンペの実施や生地の見直しにより制服の価格を低廉化させるとともに、事業者の協力のもと、レンタル制度を導入した事例があります。その際、 教職員に加え生徒をメンバーとした検討会を設置し、生徒や保護者からアンケートをとりながら検討を進めている事例もあります。
5.高校生等奨学給付金の高等学校等による代理受領
高等学校等の授業料以外の教育費に充てるために、生活保護世帯及び非課税世帯に対して支給している高校生等奨学給付金の給付に当たっては、原則として、高等学校等が給付金を代理受領し、保護者等が負担する授業料以外の教育費と相殺することができる旨を都道府県の交付要綱等に規定することとしています。代理受領により給付金を処理することにより、保護者等の一時的な経済的負担も軽減することができます。
<添付資料>
○ 教育委員会が工夫している取組(概要)(PDF:70KB)
<参考資料>
○ 中央教育審議会初等中等教育分科会 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に向けた学校教育の在り方に関する特別部会高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第14回)配布資料(※PDF)
○ 学校における補助教材の適正な取扱いについて(平成27年3月4日付け文科初 第1257号)
○ 学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(平成30年3月19日付け初財務第26号)
○ 学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(令和5年10月23日付け事務連絡)(※PDF)
○学用品等に係る保護者等の経済的負担軽減について
初等中等教育局 修学支援プロジェクトチーム 修学支援企画係
○教材の学校備品化について
初等中等教育局 学校情報基盤・教材課
○ICT 端末について
初等中等教育局 学校情報基盤・教材課 GIGA 基盤企画係
○通学用服の選定について
初等中等教育局 児童生徒課 生徒指導企画係
○高校生等奨学給付金について
初等中等教育局 修学支援プロジェクトチーム 高校奨学金係