学校施設の防犯対策に係る点検・改善マニュアル作成の取組に関する調査研究　報告書　はじめに

　近年の学校を発生場所とする犯罪件数の増加等を背景として、児童生徒等の安全確保及び学校における安全管理の一層の徹底が求められています。
　このような状況の中、文部科学省では学校安全の充実に総合的に取り組む「子ども安心プロジェクト」を実施し、その一環として学校施設については平成14年11月に「学校施設の防犯対策について」を取りまとめるとともに「学校施設整備指針」における防犯関係規定の充実を図ってきたところです。
　また、平成16年9月に、学校施設の防犯対策に関する手引書として「学校施設の防犯対策に関する調査研究報告書」を社団法人日本建築学会に委嘱し作成するとともに、平成18年2月には国立教育政策研究所と連携して「学校施設の防犯対策事例集」をまとめるなど、学校施設における安全管理の支援を行ってきたところです。
　近年の学校を発生場所とする犯罪の件数の増加等を背景として、児童生徒等の安全確保及び学校の安全管理の一層の徹底が求められている中、学校施設の安全管理に関する取組を一層推進していくためには、これまでの取組を再点検し、より実効性のある安全管理の取組を積極的かつ継続的に推進していくことが望まれます。
　このため、学校施設の防犯対策に関する点検・改善の取組を促進することを目的とし、各地の現状及び取組における共通課題等を整理・分析し、点検・改善に資するマニュアル策定に当たっての視点や留意事項等を明らかにするための調査研究を行い、今般報告書として取りまとめるにいたったものです。
　本報告書においては、防犯対策に関する点検・改善マニュアルについて、文部科学省の支援事業として教育委員会等と学校が連携して実施した取組事例と、全国の地方公共団体及び学校がすでに作成している防犯対策マニュアルを整理・分析し、施設設備の点検等の取組において参考となるようまとめています。
　関係者におかれては、これまでの調査研究報告書等とあわせて、本調査研究報告書を参考にしつつ、学校施設における実効性のある安全管理の一層の充実に活用していただきたいと考えています。