統合粟野中学校の設立にあたり、統合準備委員会を設け、数々の課題を検討したが、校舎全体を木質系で調和させることを基本設計とし、校舎全体について、床に粟野産の桧の緑甲板、壁には杉の羽目板を使用することとなった。それに併せて、使用する生徒の机・いすも木製とする方針が決定された。
時を同じくして、粟野町商工会青年部木材部会が、地元産木材を使用した中学生の生徒用学習机・いすの開発に成功し、その強度試験等の結果も踏まえ、地元産材を使用した木製学習机・いすの導入を決定した。さらに栃木県の「木のぬくもり教室整備事業」の補助を受け、3ヶ年計画で統合中学校の開校に合わせ、平成15年度において、3学年分全てを木製学習机・いすとした。
特に配慮した点は、中学生が使用するということで、強度について幾度か設計変更を求め、日常の使用に耐えうる強度を確保した事である。
木製の学習机は、従来の金属を使用した机・いすと比較し、温かみをもつ反面、やや軟らかい特徴を持っている。したがって、使用に際して生徒に、丁寧に扱うよう指導している。この事は、生活面においてのやさしさを育む教育の一環となっており、教育面においても、木質系の家具を使用しているという利点を生かしている。
また、生徒の感想を聞いたり、実際に手で触って見ると判るが、木の持つ温かみが伝わってきて、使用していて心地がよい。
耐久度については、導入前に充分な強度試験を行っているので、通常の使用については問題点は見当たらない。
前述したように、材質が柔らかな面があるので、卒業生の使用した机は、天板表面が傷んだもののみ天板を交換して新1年生に貸与している。(在学中は、3年間を通じて、同じ机・いすを使い続ける。)
机・いす
机
いす
木製教卓
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --