旧朝地中学校は昭和46年に建てられ、30年以上が経過していた。その間、平成2年及び平成5年の集中豪雨により壊滅的な被害に遭ったため、町の総合計画で移転の計画が出された。また、朝地小学校は、大恩寺・綿田・温見の各小学校が平成15年3月末に統合し、旧大恩寺校舎を利用し開校したが、校舎が(昭和37年建築)老朽化していたため、小学校についても新築計画が、総合計画に盛り込まれた。そのような中、環境に優しい木造校舎を、町内にある町有林の木材を利用して造ることとなった。
基礎学力・生きる力をもった児童生徒の育成、過疎、少子化に対応し、財政面も考慮した学校造りが検討され、小・中学校共有の施設で連携のとれる学校造りを目指すスクールゾーン計画となった。特に子どもたちが、この学校空間で9年間を過ごすことを考えると「飽きのこないメリハリのある学校造りが必要であること。」「地域のシンボルとなる学校を目指す。」の観点から、各教室を別棟とし、変化のある学校建設を目指して整備された。
この学校で使用されている机・いすは、県産材の桧材を使用している。天板の大きさは、縦65センチメートル×横45センチメートルで、高さは、52センチメートルより76センチメートルまで5段階に調節ができる。寸法については、日本工業規格(JIS規格S1021「学校用家具-教室用机・いす」)に対応している。また、いすの座面の高さは、30センチメートルから46センチメートルまで5段階に調節ができる。机・いすの脚部等の枠組みは全て単材を使用している。
校舎の造り付け家具は、木造校舎と一体でデザインされており、地域材の杉を使用している。
木造校舎の建設に合わせて普通教室の机・いすも、温かみのある木製家具とし、建築工事とは別に、備品として平成15年度に導入した。導入する際、教職員からは、「子どもたちの身長差への対応」「重量の軽いもの」「天板が傷つきにくい材質のもの」という要望があった。
発注時の仕様には、「県産材を利用した木製品とする。」「桧材とする。」「新JIS規格に適合している。」「高さ調節機能のある
小・中学校ともに普通教室に導入し、教室前のオープンスペースに持ち出しての利用等も行っている。
児童・生徒の感想は、「木の温もりがあり、見た目に優しく、木造校舎に合っている。」「材質が白木であるので室内が明るく見える。」「身長に合わせて高さ調整できる。」等があった。
子ども達は、小学校入学から中学校卒業までの9年間、同じ机・いすを持ち上がるので、乱暴に扱うと傷がつくことから、物への愛着や大切に使う心がはぐくめると期待されている。
![]() 外観 |
![]() 廊下 |
![]() 図書館内部 |
![]() 机・いす:教室に配置されている様子。 |
![]() 机・いす |
![]() 新JISに対応した机上スペース |
![]() 屋外にある木製ベンチ |
![]() 各教室のサインは木を中心にした 自然素材で作成されている。 |
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --