袋小学校は、明治5年に水俣市で、最初に整備された小学校である。現在の校舎は、昭和45年に建築された校舎の老朽化により、平成15年に新校舎が整備された。水俣市は過去の経験から、環境に対する意識はとても高く、新校舎は、「環境・健康・福祉を大切にする産業文化都市」をめざす「第3次水俣市総合計画」に沿って計画され、雨水の再利用やOMソーラーシステム、太陽熱発電システムなどを利用したエコスクールでもある。新校舎の建設に当たっては、計画段階からPTAを中心とした「袋のがっこうづくりかたらんかい」や教職員などの意見が多数取り入れられた。
新校舎は、熊本県で推進しているユニバーサルデザインの考えに従い、「だれもが」「いつでも」「気軽に」利用できる「人に優しい」校舎として、シックハウス症候群対策にい草和紙を利用した壁紙や珪藻土を利用した壁材、紫外線を遮断するフィルムを貼ったガラス、バリアフリー対策、県産材を利用した家具等が、整備されている。また、地域に開かれた学校づくりの一環として多目的ホール、ワークスペース、図書室等が整備されている。
5・6年生が使っている机・いすは、県産材の桧材を使用している。机の天板の大きさは、日本工業規格(JIS規格S1021「学校用家具-教室用机・いす」)に対応している(縦65センチメートル×横45センチメートル)。高さは、63センチメートルから2段階の調節ができる。
また、多目的ホールにある演台や木製ベンチ、図書室のテーブル等の家具についても、県産材の桧材を使用している。
木製の机・いすは、平成13年度からの袋小学校校舎改築事業に、あわせ熊本県の「学校設備木造化推進モデル事業」の補助を受けて導入した。その他の木製家具については、平成14年度から15年度にかけて導入した。材質は家具用に適した県産材桧集成材及び杉材を使用し、塗装にはキシレン・トルエン等の化学物質を含まない材料を使用している。
児童用机・いすについては、木製独特の温かみがあり、重量感があるので安定して学習活動に取り組めるが、掃除等の場合は児童2人で移動しており大変との意見もあった。
また、いすのネジが次第に緩くなるので、時々ネジを締め直している。習字授業などで誤って墨をこぼした場合、材質が白木製のため、すぐに拭き取ってもとれないという意見があり、デスクマットを敷いて対応している。
木製家具は乱暴に扱うと傷がつきやすいので、子ども達の物への愛着や大切に使う心がはぐくめることが期待されている。
また、分別廃棄やリサイクルの観点からも木製家具の導入を今後
![]() 校舎中央部にある光庭 |
![]() 廊下 |
![]() 昇降口 |
![]() 階段 |
![]() 水俣市では、 積極的に環境への取り組み事業を 展開しており、 学校版ISO制度を創設している。 |
![]() 机・いす:教室に配置されている様子。 |
![]() 机・いす |
![]() 演台 |
![]() ベンチ |
![]() 掃除用具入れ |
![]() 図書室のテーブル |
文教施設企画部施設企画課
-- 登録:平成21年以前 --