6‐1 通報装置

(1)緊急事態発生時に、校内各教室・スペース、校長室、職員室、事務室相互間や、警察、消防への連絡等が迅速に行えるよう、普通教室、特別教室、体育館等の児童等が常時活動する場所に、インターホンや電話等の通報装置を設置することが重要である。

(2)緊急事態の発生を関係者に迅速かつ適確に伝達するため、防犯ベル・ブザーや非常押しボタン等を校内の適切な場所に設置したり、ペンダント型押しボタン等を教職員に配布することも有効である。

(1)通報装置の重要性

  • 緊急事態発生時に、校内及び関係機関に対して必要な情報が伝達され、児童生徒、教職員等が適切な対応をとれるよう、各学校において独自の危機管理マニュアルを作成するとともに、適切な通報システムを構築することが重要である。
  • 万一の不審者の侵入に備え、通報装置の使用方法について防犯訓練等を通じ確認するとともに、設置した通報装置が正常に機能するか、定期的に点検し保守管理することも重要である。

(2)通報装置の選定と設置

  • 校内各教室・スペース、校長室、職員室、事務室等の管理諸室との間の相互の連絡、並びに学校と警察・消防等との間の相互の連絡がスムーズに行えるように、必要な場所に適切な通報装置を設置することが重要である。
  • 侵入者に脅された状況下では、声による緊急事態通報が困難となる状態も想定される。そのため非常押しボタンは、児童生徒にも容易に操作できるものを選択し、教室の黒板の横等、児童生徒が手の届く高さに設置することが望ましい。
  • 校内通報としては、校内放送装置に自動音声通報器を備え、緊急事態発生時に、非常押しボタン等と連動し、どこで事件が発生したかを音声で放送する方法も有効である。
  • 受信機の設置場所については、管理・運用体制を十分踏まえて検討することが重要である。

表6‐1‐1 通報装置の機能比較

通報装置のタイプ 機能 メリット デメリット
送信機 非常押しボタン 有線式で目立つボタンを押して通報。 保守の手間が不要。 移設時には配線工事が必要。
無線式で既設の建物に取付けて通報。 配線の手間がなく簡便に取付け可能。 電池交換などの保守が必要。
ペンダント型 無線式で携帯し通報。約100メートルまで送信可能。 持ち歩き、どこでも即座に対応可能。 電池交換などの保守が必要。
キーホルダー型
無線受信機 送信機から通報を受けアラームで知らせる。 通報の場所の特定が可能。 送信機が一定台数以上のときは受信機の増設が必要。
インターホン 親子式 教室と職員室間の通話。 選局の手間が不要。 教室間の通話が不可能。
相互式 全教室と職員室間の通話。 教室番号を押して、どこへでも自由通話が可能。 教室番号の選局が必要。
校内通報 校内放送と通報を併用。 ボタン一つで音声を拡声。 システムが大がかり。

図6‐1‐1 通報装置の例

送信機

受信機

(3)警報器と非常灯の選定と設置

  • 警報器は火災報知器と区別できるように、異なる音に設定することが望ましい。
  • 非常灯は、警報音で犯人を刺激しないように光を点滅させる。教室や廊下付近において、事件発生現場を周知させるために有効である。

図6‐1‐2 警報器及び非常灯の例

警報器
< 主な設置場所>
 職員室、事務室、その他管理諸室

非常灯
< 主な設置場所>
 各教室外の廊下、トイレ外の廊下

図6‐1‐3 通報システムの流れの例

 図6‐1‐3 通報システムの流れの例

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