【整備手法】垂直動線の整備手法(2)
エレベーター棟の増築(改修) 今回は、エレベーター整備の際にエレベーター棟を増築した事例をご紹介します。
増築する場合、建蔽率や既存不適格部分に関する遡及適用への対応などの確認が必要となりますが、現在の教室配置をそのままにエレベーターを設置することができます。
(1)滋賀県近江八幡市立八幡小学校
- 生徒数
- 608名(令和7年度)
- 構造
- RC造
- 竣工年
- 平成2年
- 改修年
- 令和3年
- 工期
- 約10か月
- 費用
- 約6,200万円
(建築工事含む。既存不適格を解消するための工事に別途約340万円を要した) - エレベーターの大きさ
- 20人乗り
- シャフト大きさ
- 約3.1メートル×6.1メートル(エレベーターホールを含む)
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
近江八幡市立八幡小学校では、令和2年度にエレベーター棟を増築し、視覚障害者のための点字や音声案内装置、聴覚障害者用の応答灯付きインターホン呼びボタン等を備えたユニバーサルデザイン仕様のエレベーターを設置しています。
- 整備内容の検討を進める中で、既存不適格(人との接触を検知すると防火シャッターの降下が停止する機構が講じられていない等)への対応が必要であることが分かった。
- 既存不適格を解消させるため以下の改修工事を行った。
- 防火シャッターの危害防止機構(挟まれ防止機能)を13か所設置。
- 防火扉が勢いよく閉まりすぎないよう4か所のヒンジを、基準を満たすものに交換。
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エレベーター棟設置前
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エレベーター棟設置後
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エレベーター棟内部
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エレベーター内部
(2)兵庫県明石市立二見北小学校、大阪府高槻市立松原小学校
- 学校名
- 明石市立二見北小学校
- 生徒数
- 604人(令和7年度)
- 構造
- RC造(一部鉄骨造)(エレベーターを整備した棟はRC造)
- 竣工年
- 昭和58年(増築したエレベーター棟と接続している校舎の竣工年)
- 改修年
- 平成25年
- 工期
- 約5か月
- 費用
- 約5,300万円(建築工事含む)
- エレベーターの大きさ
- 13人乗り
- プレキャストコンクリートのシャフト大きさ
- 約2.3メートル×2.7メートル
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
- 学校名
- 高槻市立松原小学校
- 生徒数
- 370人(令和7年度)
- 構造
- RC造
- 竣工年
- 昭和51年(増築したエレベーター棟と接続している校舎の竣工年)
- 改修年
- 令和2年
- 工期
- 7か月
- 費用
- 約8,700万円(遡及適用には別途約800万円)
(エレベーター工事 約2,200万円、プレキャストコンクリートのシャフト 約1,600万円、その他既存建物の接続部の工事等含む) - エレベーターの大きさ
- 15人乗り
- プレキャストコンクリートのシャフト大きさ
- 約2.3メートル×2.7メートル
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
- 鉄骨造でシャフトを作る場合に比べ、エレベーターのかご(乗る部分)の大きさに比して、シャフト面積が大きくなりすぎない。
- これにより、既存校舎への現行規定の遡及適用の緩和要件の1つである増築床面積50平方メートルを下回る設計などが比較的容易となる。
- 工場での部材生産により、騒音の生ずる作業期間を短縮することが可能である。
- さらに、工場生産の為、品質管理が容易であり、鉄骨造シャフトの場合に壁材として考えうるALCパネルなどと比べても、剛性・耐火性・耐久性等に優れていると考えられる。
- 高槻市の事例では、既存不適格を解消させるよう(建築基準法の竪穴区画に適合させるため)、階段と廊下の間にある防火扉に防火戸連動用感知器を設置する工事や、不要となる開口部を耐火構造壁で閉鎖する改修工事を行った。
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明石市立二見北小学校
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高槻市立松原小学校
既存施設へのエレベーター設置においては、既存不適格となっている部分に対する遡及適用など建築基準法令上の対応が求められる場合があります。これらについては状況に応じて、既存不適格の緩和措置が適用できる場合があります。以下事務連絡で解説をしておりますので、この内容も参照しながら、設計者及び特定行政庁にご相談ください。
既存学校施設におけるバリアフリー化のための整備方策等について(令和4年6月文部科学省事務連絡)
