【整備手法】垂直動線の整備手法(1)
増築を行わないエレベーターシャフトの整備(改修) 今回は、増築を行わないエレベーター整備を行った事例をご紹介します。
既存建物へのエレベーター整備には、エレベーター棟を増築して整備する方法と、既存建物内にエレベーターシャフトを作成し、増築せずに改修により整備する方法等があります。増築を行わずに整備を行うと、高さ制限に抵触するリスク等を軽減することが可能となります。
(1)トイレをエレベーターに改修した事例(大阪府豊中市立東豊中小学校)
- 生徒数
- 491名(令和7年度)
- 構造
- RC造
- 竣工年
- 昭和42年
- 改修年
- 令和2年
- 工期
- 9か月
- 費用
- 約1億1,400万円
(エレベーター工事 約3,600万円、トイレ改修工事 約7,800万円) - エレベーターの大きさ
- 11人乗り
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
豊中市立東豊中小学校では、トイレが各階で同じ位置に配置されていることに着目し、利用頻度の低いトイレが設置されていた場所の床スラブを貫通させることでエレベーターシャフトを確保しました。
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エレベーターシャフトの増築での改修を計画すると、建築基準法での高さ制限、北側斜線、道路斜線、日影規制や防火設備に既存不適格があり予算の都合上解消が難しかったことから、既存校舎の改修工事とすることで、遡及適用を回避した。
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エレベーターの設置位置については、上下階で共通の設計がなされているトイレに着目し、利用率が低いトイレの一部の床を撤去し、エレベーターシャフトを設けている。
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改修前
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改修後
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改修前 平面図
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改修後 平面図
(2)空き教室や倉庫をエレベーターに改修した事例(東京都北区立飛鳥中学校)
- 生徒数
- 321人(令和7年度)
- 構造
- RC造(一部S造)
- 竣工年
- 昭和42年等
- 改修年
- 令和4年
- 工期
- 約8か月
- 費用
- 約4,100万円(建築工事費含む)
- エレベーターの大きさ
- 13人乗り
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
北区立飛鳥中学校では、大規模改修の際に、空き教室や倉庫を利用してエレベーターを設置しました。
- 当該敷地は東京都指定史跡範囲等であることから、大規模な増改築工事が難しかったため、当初は、エレベーター棟の増築を検討した。
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しかし、日影規制の既存不適格の解消が難しかったため、増築ではなく、空き教室や倉庫部分の床を撤去し、エレベーターシャフトのスペースを確保することでエレベーターを整備することとした。
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改修前
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改修後
(3)給食配膳用のエレベーターを人荷共用に改修した事例(沖縄県沖縄市立美原小学校)
- 生徒数
- 752人(令和7年度)
- 構造
- RC造
- 竣工年
- 平成2年
- 改修年
- 令和5年3月
- 工期
- 約7か月
- 費用
- 4,700万円(建築工事費含む)
- エレベーターの大きさ
- 20人乗り
- 使用した補助制度
- 学校施設環境改善交付金
沖縄市立美原小学校では、給食配膳用のエレベーターを児童生徒が利用できる人荷共用エレベーターに改修することで工事費用を削減することを可能にしています。
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既存のエレベーターが給食配膳用であり、大型のエレベーターが設置されていたため、人荷共用のエレベーターを計画した際、多くの車いす利用者が支障なく使用できるかごの大きさが確保できた。
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給食配膳用エレベーターを改修することで、エレベーターシャフトを新たに設ける必要のある改修工事と比較して、工事費用を削減することができた。
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また、視覚障害者の使用にも配慮し、点字を付した操作パネルを設置した。
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改修前 エレベーター
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改修後 エレベーター
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エレベーター平面図
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エレベーター外部出入口側展開図(立面図)
