【整備計画】バリアフリー基本構想に教育委員会が参画し、取り組んでいる事例

大阪府高槻市

 高槻市では、高槻市バリアフリー基本構想に学校も位置付けながら、学校のバリアフリー化に取り組んでいます。
 このため、高槻市バリアフリー基本構想の改定等を行う庁内検討組織には、教育委員会も委員として参画しています。

基礎情報

市内学校数
59校:小学校41校、中学校18校
市内児童生徒数
小学校16,595人、中学校7,962人(令和7年5月現在)
市内学校の建設年
昭和50年以前(1975年以前)(築50年以上) 44校
昭和51年~平成2年(1976年~1990年)(築35年~築49年) 13校
平成3年~平成17年(1991年~2005年)(築20年~築34年) 2校
平成18年~令和2年(2006年~2020年)(築5年~築19年) 0校
令和3年以降(2021年以降)(築4年以下) 0校
バリアフリー化の状況
(令和6年9月時点、()内は令和7年度までの予定)
  バリアフリートイレ 段差解消
(敷地)
段差解消
(建物内)
エレベーター
校舎 98%
(98%)
100%
(100%)
100%
(100%)
44%
(48%)
屋内運動場 98%
(98%)
98%
(98%)
100%
(100%)
100%
(100%)

バリアフリー基本構想の理念

  • 高槻市では、平成15年度に「高槻市交通バリアフリー基本構想」(以下「H15基本構想」という。)を策定して以来、基本構想の基本理念に「人にやさしいまち、 人がやさしいまち」を掲げ、全ての人が暮らしやすい活気のあるまち、互いに助け合うあたたかな心配りのあるまちを創るため、市民・事業者・行政が互いに協働して、ユニバーサルデザインの考え方を基本に、ハード面、ソフト面の両方の取組をバランスよく推進していくこととしている。
  • また、平常時だけでなく緊急時・災害時に対応したバリアフリー化の推進や先駆的な取組も積極的に取り入れ、段階的・継続的なバリアフリー化の取組を実現することとしている。

バリアフリー基本構想策定の経緯

  • 平成18年に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(以下「バリアフリー法」という。)が施行されたことや、平成15年に策定した交通バリアフリー基本構想が目標年次を迎えたことから、バリアフリー法の趣旨を反映し、多様化する市民ニーズに応えるため、平成23年度に「高槻市バリアフリー基本構想」を策定し、令和4年に改訂を行っている。

バリアフリー基本構想における学校の位置づけ

  • 平成23年の基本構想策定時より、学校を基本構想における生活関連施設に位置付けている。特定事業として短期・中期・長期で必要な整備内容を各施設の状況を踏まえて個別に整理し、バリアフリー化を推進している。
  • バリアフリー基本構想の改定等を行う庁内検討組織の委員に、教育委員会も参画している。

※基本構想で特定事業を定めた場合、事業を実施する者には、特定事業計画の作成とこれに基づく事業実施が必要。

配慮が必要な児童生徒の入学情報の把握

  • 学校におけるバリアフリー化の整備は個別改修にて実施している。エレベーターの整備は障害を持つ児童生徒の在籍や入学情報を踏まえて行っている。
  • 教育委員会の担当課において次年度入学予定者で特別な配慮を必要とする5歳児の就学相談を行っている。就学相談等で把握した肢体不自由児の歩行能力や移動手段をもとにエレベーター設置の必要性について、教育委員会内の施設整備の担当課と共有している。
  • 中学校でエレベーターを設置する場合は、小学校段階から市立中学校への進学の意向を保護者から聞き取り、設置の必要性について検討している。
  • また、在籍中の児童生徒についても、学校からの情報をもとに、エレベーター設置のタイミングや優先順位等について検討している。

移動等円滑化促進地区等の設定例

  • 図の赤線が生活関連経路、黒色の点線が移動等円滑化促進地区の範囲を示している。
  • 高槻駅周辺地区は、バリアフリー基本構想における重点整備地区としても設定されている。
  • 移動等円滑化促進地区内の学校は、生活関連施設として位置づけている。
  • 高槻駅周辺地区の生活関連施設と生活関連経路 (高槻市バリアフリー基本構想より)

建築物特定事業の設定例

  • 特定事業を位置付けるとともに、目標時期を設定している。
  • 目標時期は短期(概ね5年(令和8年度)以内)、中期(概ね10年(令和13年度)以内)、長期(令和14年度以降)の区分で設定している。
  • 建築物特定事業として、学校のエレベーター設置やトイレの改善等を位置づけている。
  • 建築物特定事業に位置付けられた学校の例 (高槻市バリアフリー基本構想より)

トピック 移動等円滑化促進方針・バリアフリー基本構想について

 どちらもバリアフリー法に基づくもので、移動等円滑化促進方針は、旅客施設を中心とした地区や、高齢者、障害者等が利用する施設が集まった地区(「移動等円滑化促進地区」)において、面的・一体的なバリアフリー化の方針を市町村が示すもので、具体の事業計画であるバリアフリー基本構想の作成に繋げていくことをねらいとしたものです。

バリアフリー基本構想には、次に掲げる事項について定めるものとされています。

  • 重点整備地区の位置及び区域
  • 生活関連施設及び生活関連経路並びにこれらにおける移動等円滑化に関する事項
  • 生活関連施設等について移動等円滑化のために実施すべき建築物特定事業

キーワード

 重点整備地区…次に掲げる要件に該当する地区をいう。

  • イ 生活関連施設の所在地を含み、かつ、生活関連施設相互間の移動が通常徒歩で行われる地区であること。
  • ロ 生活関連施設及び生活関連経路を構成する一般交通用施設について移動等円滑化のための事業が実施されることが特に必要であると認められる地区であること。
  • ハ 当該地区において移動等円滑化のための事業を重点的かつ一体的に実施することが、総合的な都市機能の増進を図る上で有効かつ適切であると認められる地区であること。

 生活関連施設…高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設その他の施設。

 生活関連経路…生活関連施設相互間の経路。

 建築物特定事業…次に掲げる事業をいう。

  • イ 特別特定建築物の移動等円滑化のために必要な建築物特定施設(※)の整備に関する事業。
  • ロ 特定建築物(特別特定建築物を除き、その全部又は一部が生活関連経路であるものに限る。)における生活関連経路の移動等円滑化のために必要な建築物特定施設の整備に関する事業。

    建築物特定施設…出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場などの建築物又はその敷地に設けられる施設のこと。

社会資本整備総合交付金(バリアフリー環境整備促進事業)では、バリアフリー基本構想、移動等円滑化促進方針等を策定した区域等を補助対象地域としています。