(1) |
水槽部分は,利用内容等を考慮し,長さ及び幅を適切に設定して必要な水面積を確保するよう計画することが重要である。その際,水中での身体の動きに関する指導など,自立活動のための場としての利用も考慮して計画することが重要である。
【視覚障害に対応した施設】: |
誘導や壁面への衝突防止等のために必要な措置を講じることが重要である。 |
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(2) |
水深については,急激な変化のない適正な深さとするとともに,見やすい位置に水深表示を設けることが重要である。また,幼児児童生徒の安全性,地域住民の利用等を考慮し,水深を調節できるよう仕様を工夫することも有効である。 |
(3) |
幼児や低学年児童等が楽しく遊ぶことのできるよう形状等を工夫したプールを計画することも有効である。 |
(4) |
水槽及び便所,更衣室,シャワー室等の附属施設の各部には,耐湿性及び耐食性のある材料を使用することが重要である。特に,水槽は,安全かつ衛生的であるとともに,清掃等の維持管理のしやすい材質のものとすることが重要である。 |
(5) |
適切な浄化装置を設置することが重要である。また,排(環)水口には,蓋をネジ・ボルト等で固定させるとともに,配管の取り付け口には吸い込み防止金具等を設置し,吸引事故防止のための二重の安全構造とすることが重要である。 |
(6) |
プールサイド及び通路等は,プール本体の大きさや利用する幼児児童生徒の障害の特性等を考慮して,十分な広さを確保するとともに,十分な耐水性があり,濡れても滑りにくい舗装とすることが重要である。また,危険な突起等がなく,適度の弾力性をもつように設計することが望ましい。
【視覚障害に対応した施設】: |
プールサイドは,水槽への転落防止等のために必要な措置に留意して計画することが重要である。 |
【肢体不自由又は病弱に対応した施設】: |
プールサイドは,車いす等での利用を考慮して,必要な規模を確保することが重要である。また,感触が良く滑らかな材質のものによる仕上げ部分を計画することが望ましい。 |
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(7) |
附属施設は,幼児児童生徒の障害の特性及び利用状況等に応じ適切な面積を確保し,指導者や見学者の動線の設定に留意しつつ利用しやすいように配置することが重要である。また,更衣室に隣接して洗濯機や乾燥機の設置スペースを計画することも有効である。
なお,附属施設は,プールの各施設部分を含め,幼児児童生徒が認知しやすい配置構成とすることが重要である。
【肢体不自由又は病弱に対応した施設】: |
附属施設は,車いすや歩行器,杖等を使用する幼児児童生徒が安全かつ円滑に利用しやすいように計画することが重要である。 |
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(8) |
安全管理のための監視室や,救急処置のための救護室・医務室等の施設を計画することが望ましい。 |
(9) |
必要に応じ,採暖室や開放時の保護者の控え室を計画することが望ましい。 |
(10) |
周囲に遮へい板,囲障壁等の施設を設けることが重要である。また,防犯設備の設置も有効である。 |
(11) |
利用期間の延長や見学者等のため,プールに上屋を設けることも有効である。特に,寒冷地や屋上型の水泳プールについては,保温効果をあげる観点から,上屋を設置することも有効である。 |
(12) |
必要に応じ,プールの利用者に対する危険発生等を周知させるための放送設備を計画することが望ましい。また,利用者への適切な警告や注意をするための看板や標識類を施設の入り口付近等の目に付く位置に設置することも有効である。
【視覚障害又は聴覚障害に対応した施設】: |
指示・注意等のための設備・機器を適切に配置できるような面積,形状等とすることが重要である。 |
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(13) |
水槽内への出入りをしやすいよう計画することが重要である。
【知的障害,肢体不自由又は病弱に対応した施設】: |
水槽への出入り部分やプールサイドの縁等は,移動装置やスロープの利用など,水槽内への出入り方法等に応じた仕様とすることが重要である。 |
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