別紙 産学官連携関係通知等 産業技術力強化法の改正に伴うアカデミックディスカウントの拡充について [別紙]

1.産技法改正に伴う根拠条文の変更(条ずれ)

 現行の産技法(以下「現行法」という)の条文が改正され、以下のように条ずれするとともに新たな対象が追加される。

産技法における新旧条項の対照表

現行法 改正法 改正の内容
第16条第1項第1号 → 第17条第1項第1号 ※対象者の拡大 下記2.(1)
第16条第1項第2号 → 第17条第1項第2号
第17条第1項第3号 ※新たに追加 下記2.(2)
第16条第1項第3号 → 第17条第1項第4号 (独立行政法人)
第16条第1項第4号 → 第17条第1項第5号 (公設試験研究機関)
第16条第1項第5号 → 第17条第1項第6号 (地方独立行政法人)
第17条第1項第7号 ※新たに追加 下記2.(3)1
第17条第1項第8号 ※新たに追加 下記2.(3)2

※ 現行法第16条第2項における審査請求料についても、上表と同様の対応で改正される。

産技法改正に伴う出願審査請求書及び特許料納付書の記載

 審査請求料及び特許料の軽減申請に係る「出願審査請求書」及び「特許料納付書」に記載する根拠条項が変更されるため、以下のとおり記載する。

(1)出願審査請求書(特許法施行規則第31条の2第2項及び同施行規則様式第44)

 出願審査請求書に記載する内容「~産業技術力強化法第16条~」が「~17条~」となる。

※ 記載例(改正法第17条第2項第1号による軽減の場合)

【手数料に関する特記事項】 産業技術力強化法第17条第2項第1号の規定による審査請求料の1/2軽減

(2)特許料納付書(特許法施行規則第69条第4項及び同施行規則様式第69)

 特許料納付書に記載する内容「~産業技術力強化法第16条~」が「~17条~」となる。

※ 記載例(改正法第17条第1項第1号による軽減の場合)

【特許料等に関する特記事項】 産業技術力強化法第17条第1項第1号の規定による特許料の1/2軽減

2.産技法改正に伴い追加される軽減対象

 改正法より追加される軽減対象は以下のとおり。

(1)大学等研究者の拡大(改正法17条1項1号、2項1号)

 現行の「学長、副学長、学部長、教授、准教授(助教授)、助教、講師、助手」に加え、「大学等の職員のうち専ら研究に従事する者(注1)」を追加
 (注1)大学等と雇用関係にある(職務発明である)ポストドクターや学生等

(2)大学等研究者以外の者との共同発明も対象に追加(改正法17条1項3号、2項3号)

 現行は、大学等研究者の職務発明を大学等に承継した場合のみ軽減の対象であったが、大学等研究者と「大学等研究者以外の者」との共同でした発明(共同発明)を大学等へ承継した場合についても軽減の対象とする。
 ※ 大学等研究者の発明について職務発明である場合に限られる。

(3)承認TLOから大学への権利返還(改正法17条1項7、8号、2項7、8号)

 現行は、承認TLOから大学等へ権利承継された発明は軽減対象外であったが、承認TLOから大学等へ権利承継された場合において、その権利承継された発明(下記1又は2の特許発明)を発明もととなる大学等へ権利承継した場合については軽減の対象とする。

  1. 大学等研究者がした職務発明(改正法17条1項7号、2項7号)
     権利承継された発明が、大学等研究者がした職務発明である場合
  2. 大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同発明(改正法17条1項8号、2項8号)
     権利承継された発明が、大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同発明の場合
     ※ 大学等研究者の発明について職務発明である場合に限られる。

3.追加される軽減対象の要件及び提出する書面

 上記2.における追加された軽減対象については、改正法政省令で手続(提出する書面)について規定され、その追加される軽減対象の要件及び提出する書面はそれぞれ以下のとおり。

(1)大学等研究者の拡大(改正法17条1項1号、2項1号)

 要件:軽減申請対象の特許発明が職務発明であること
 添付書面:既存の「職務発明認定書」

 ※ 現行と同様の手続となる。

(2)大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同発明で、当該共同発明に係る特許を受ける権利を共同発明者から承継した大学等(改正法17条1項3号、2項3号)

<以下の要件a、b、cのすべてを満たす大学等が対象>

 要件a:軽減申請対象の特許発明が、大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同で行われたものであること
 添付書面:大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同で行われたものであることを証する書面〔様式見本4(項番2.)〕

 要件b:軽減申請対象の特許発明が、大学等研究者について職務発明であること
 添付書面:大学等研究者について職務発明であることを証する書面〔様式見本4(項番2.(1))〕

 要件c:軽減申請対象の特許発明に係る特許を受ける権利を、大学等が共同発明者から承継したこと
 添付書面:共同発明者の共有に係る特許を受ける権利を、大学等が共同発明者から承継したことを証する書面〔様式見本4(項番5.)〕及び当該権利を承継したことが確認できる書類(注2)

 (注2)

  • 譲渡証書〔様式見本5〕又は譲渡契約書等の写し。
  • 大学等研究者について、職務発明規程又は勤務規則等で権利を承継させることが定められている場合は、添付書面〔様式見本4(項番5.(1))〕にその旨を記載することにより、大学等研究者に係る承継したことが確認できる書類の提出は要しない。

 ※ 上記(注2)について、当該特許を受ける権利の承継が当該発明に係る特許の出願後であり、当該権利承継に係る出願人名義変更届を特許庁に提出している場合には、承継したことが確認できる書類の提出は要しない。

(3)承認TLOから大学への権利返還(改正法17条1項7、8号、2項7、8号)

1.大学等研究者がした職務発明に係る特許を受ける権利が承認TLOに承継されていた場合で、当該承認TLOから当該特許を受ける権利を承継した大学等(改正法17条1項7号、2項7号)

<以下の要件a、b、cのすべてを満たす大学等が対象>

 要件a:軽減申請対象の特許発明が、大学等研究者がした職務発明であること
 添付書面:職務発明であることを証する書面〔様式見本6(項番2.)〕

 要件b:軽減申請対象の特許発明に係る特許を受ける権利を、承認TLOが承継していたこと
 添付書面:大学等研究者がした職務発明に係る特許を受ける権利を、承認TLOが承継していたことを証する書面〔様式見本6(項番5.)〕及び当該権利を承継していたことが確認できる書類(注3)

 要件c:軽減申請対象の特許発明に係る特許を受ける権利を、職務として発明した(発明もとの)大学等が承認TLOから承継したこと
 添付書面:大学等研究者がした職務発明に係る特許を受ける権利を、職務として発明した(発明もとの)大学等が承認TLOから承継したことを証する書面〔様式見本6(項番6.)〕及び当該権利を承継したことが確認できる書類(注3)

 (注3)譲渡証書〔様式見本5〕又は譲渡契約書等の写し。

 ※ 上記(注3)について、当該特許を受ける権利の承継が当該発明に係る特許の出願後であり、当該権利承継に係る出願人名義変更届を特許庁に提出している場合には、承継したことが確認できる書類の提出は要しない。

2.大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同発明で、当該共同発明に係る特許を受ける権利が承認TLOに承継されていた場合で、当該承認TLOから当該特許を受ける権利を承継した大学等(改正法17条1項8号、2項8号)

<以下の要件a、b、c、dのすべてを満たす大学等が対象>

 要件a:軽減申請対象の特許発明が、大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同で行われたものであること
 添付書面:大学等研究者と大学等研究者以外の者との共同で行われたものであることを証する書面〔様式見本7(項番2.)〕

 要件b:軽減申請対象の特許発明が、大学等研究者について職務発明であること
 添付書面:大学等研究者について職務発明であることを証する書面〔様式見本7(項番2.(1))〕

 要件c:軽減申請対象の特許発明に係る特許を受ける権利を、承認TLOが承継していたこと
 添付書面:共同発明者の共有に係る特許を受ける権利が承認TLOに承継されていたことを証する書面〔様式見本7(項番5.)〕及び当該特許を受ける権利を承認TLOが承継していたことが確認できる書類(注4)

 要件d:軽減申請対象の特許発明に係る特許を受ける権利を、職務として発明した(発明もとの)大学等が承認TLOから承継したこと
 添付書面:共同発明者の共有に係る特許を受ける権利を、職務として発明した(発明もとの)大学等が承認TLOから承継したことを証する書面〔様式見本7(項番6.)〕及び当該権利を承継したことが確認できる書類(注4)

 (注4)譲渡証書〔様式見本5〕又は譲渡契約書等の写し。

 ※ 上記(注4)について、当該特許を受ける権利の承継が当該発明に係る特許の出願後であり、当該権利承継に係る出願人名義変更届を特許庁に提出している場合には、承継したことが確認できる書類の提出は要しない。

 (補足)上記に記載する様式見本について、様式見本1から3(参考資料1(PDF:31KB)の様式見本参照)は現行の軽減申請において提出が必要な書面であり記載は省略している。

4.産技法改正に伴うその他留意事項

産技法改正に伴う附則第3条への追加(改正法附則3条1項4号)

 現行法における産技法附則第3条では、国立大学法人等に係る特許料等に経過措置として、同法第1項により「国」とみなす旨が規定されており、この場合の特許料等は免除となる。
 今般の改正に伴い、改正法附則第3条第1項に新たな号が新設され、「承認事業者が国立大学法人等から譲渡を受けた特許権若しくは特許を受ける権利(附則第3条第1項第1号から第3号に掲げるものに限る。)又は当該特許を受ける権利に基づいて取得した特許権(平成19年3月31日までにされた特許出願に係るものに限る。)であって、当該国立大学法人等が当該承認事業者から承継したもの」についても特許料等は免除となる。

産技法改正に伴う経過措置(産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律(平成19年法律第36号)附則第6条)

 改正法の第17条第1項に規定する特許料の特例に関し、本改正法の施行日以後に特許査定を受けた大学等に係る特許出願の特許料については上述の軽減措置の適用を受け、本改正法の施行日より前に特許査定を受けた大学等に係る特許出願の特許料については上述の軽減措置の対象とはならない。
※ 特許法第108条の規定により、第1年から第3年の特許料は特許査定があった日から30日以内に納付しなければならない旨規定されていることから、軽減申請者間の公平性を確保する観点から設けられた経過措置であり、特許料の特例に関しては通常同様の経過措置が設けられている。

改正法及び政省令の施行期日

 改正法等は、平成19年8月6日施行を予定。

お問合せ先

研究振興局研究環境・産業連携課

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(研究振興局研究環境・産業連携課)

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