令和7年3月31日
文部科学省では、全国にアントレプレナーシップを醸成することを目的に、全国アントレプレナーシップ醸成促進事業を実施しております。令和4年度科学技術人材養成等委託事業「全国アントレプレナーシップ醸成促進に向けた調査分析等業務」の教育効果の測定指標具体化WG (アントレプレナーシップ教育における教育効果の測定指標の確立に関する検討)にて、アントレプレナーシップ教育ガイド(以下、「日本版Entre Comp v1ガイド」という。)を作成いたしました。
なお、日本版EntreComp v1およびそのガイドは、各教職員が行うアントレプレナーシップ教育の内容を制約するものではありません。各教職員が最新のアントレプレナーシップ教育の研究を参照しながら、日本版EntreComp v1を超えて教育に工夫することを推奨しています。
全国アントレプレナーシップ醸成促進事業オフィシャルサイト(別ウィンドウで開きます)
(1)本ガイドの目的
日本版EntreComp v1は、財務的価値・文化的価値・社会的価値を生み出すことに資する、個人のコンピテンシー(資質・能力)を整理するものとして設計されています。
本ガイドは、日本版EntreComp v1の中に含まれる10個のコア・スキルを教育実践へとつなげていくための補足資料として用意しました。
(2)本ガイドの対象者
本ガイドは、アントレプレナーシップ教育に携わる大学の教職員の方々向けのガイドです。置かれた立場やこれまでの経験によって、ガイドの使い方を変えてください。
〇これからアントレプレナーシップ教育に携わる教員の方々
初めてアントレプレナーシップ教育のコースデザインやクラスデザインをするとき、どのスキルを伸ばしたいかを意識しながら設計してみてください。
(1つのコースですべてのスキルを伸ばす必要はありません。)
〇すでにアントレプレナーシップ教育を行っている教員の方々
ご自身の教育活動が、特にどのスキルを対象として伸ばしているのかを整理したり、今後どのようなコースやクラスを設計していくかを考える材料として参考にしてください。
(3)日本版EntreComp v1を作成した背景
EUが2016年に定めたEntreComp (Entrepreneurial Competence) は、数多くのコンピテンシー(資質・能力)を取り上げ、初等教育から高等教育までをカバーする、アントレプレナーシップ教育
の包括的な見取り図として有用でした。一方で、包括的なために数が多く、また抽象度が高いため、現場の授業でEntreCompを活用するには、現場での工夫と経験が必要だったことも事実です。
今回提案する日本版EntreCompでは、EU版EntreCompを元にしながら、より日本の教育現場で使いやすいものとして整理・提案しています。
(4)日本版EntreComp v1の特徴
日本版EntreComp v1では、長年アントレプレナーシップ教育に関わってきた教員複数名が議論を行い、EU版EntreCompの『アイデアと機会』『資源』『行動』という3つのコンピテンシーエリア
の中から、特に重要だと考えるコア・コンピテンシーを1つずつ取り上げたうえで、そのコア・コンピテンシーを細分化して、3個の『コア・コンピテンシー』と10個の『コア・スキル』に整理しています。
(5)日本版EntreComp v1の制約
この日本版EntreComp v1、ならびにそれに付随するガイドは今後数年以内に刷新をする前提で作られています。国内でのアントレプレナーシップ教育に関する期待の高まりを受けて、まず暫定的なガイド
を作成する目的で作られました。アントレプレナーシップは世界的に見てもまだ概念として固まっているわけではありません。また教育者の経験や思想によっても、アントレプレナーシップならびに
アントレプレナーシップ教育の解釈は異なります。
そのため、日本版EntreComp v1およびそのガイドは、各教職員が行うアントレプレナーシップ教育の内容を制約するものではありません。各教職員が最新のアントレプレナーシップ教育の研究を参照しな
がら、日本版EntreComp v1を超えて教育に工夫することを推奨しています。
※本概要は、日本版Entre Comp v1ガイドから引用
<教育効果の測定指標具体化WG 委員>
※座長以下 氏名五十音順 敬称略
・馬田 隆明 東京大学 FoundX ディレクター
・萩原 丈博 ソニーマーケティング株式会社MESH事業室 室長、一般社団法人Arc & Beyond 業務執行理事兼Co-founder
・牧野 恵美 立命館アジア太平洋大学 国際経営学部 准教授
・山田 剛史 関西大学 教育推進部 教授
電話番号:03-5253-4111(内線4780)