我が国の共同研究は小規模なものにとどまっており、「費用の見える化」が図られていないなど、大学が民間企業と高い信頼関係のもとで共同研究を進める「場」としては、現状、様々な課題が山積している。具体的には、大学と民間企業が将来のビジョンを共有し、「組織」対「組織」による共同研究の大規模化を促進していくことが重要であり、それに向けては、本部機能の強化や共同研究に係る費用の見える化、経理・財務体制の強化等の大学の経営改革を、研究力の強化と一体的に進めていくことが重要である。
さらに、「組織」対「組織」による共同研究を進めていく中にあっては、基礎研究、応用研究・開発、実証、事業化といった各段階を担う優秀な人材が機関の間を流動化することを促進していくこともイノベーション創出に向けて効果的であることから、世界トップクラスの研究者等の卓越した人材が、大学、公的研究機関や企業等の壁を越えて、複数の機関において活躍できるような環境整備を図っていくことが重要である。
そこで、我が国の大学が、大型共同研究やクロスアポイントメントを加速化していくための方策の検討に資する調査・分析を行ったので、その結果を以下のとおり取りまとめた。
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