第11回外部評価委員会
議事次第・配付資料一覧
日時
平成20年3月12日 (水曜日) 10時~12時
場所
文部科学省 4階1会議室
議題
- 南極地域観測第6期計画の評価について
1.プロジェクト研究観測
2.定常観測
3.モニタリング研究観測
4.設営
- その他
配布資料
- 南極地域観測統合推進本部 第10回外部評価委員会議事要録(案)
- 南極地域観測第6期計画(プロジェクト研究観測) 自己点検・評価
- 南極地域観測第6期計画(定常観測) 自己点検・評価
- 南極地域観測第6期計画(モニタリング研究観測) 自己点検・評価
- 南極地域観測第6期計画(設営) 自己点検・評価
- 平成20年度南極地域観測事業関係予算案の概要
参考資料
- 外部評価委員会委員名簿
- 外部評価委員会(第11回) 座席表
- 外部評価委員会における第47次越冬隊及び第48次夏隊の評価について
- 南極地域観測第6期計画の評価の進め方について
机上資料
- 南極地域観測事業外部評価書
- 総合科学技術会議が実施する国家的に重要な研究開発の評価
- 「南極地域観測事業について」(概要、本文)
- 南極地域観測統合推進本部基本問題委員会「意見の取りまとめ」(概要、本文)
- 南極地域観測第6期5か年計画(概要、本文)
- 南極地域観測第7期計画(概要、本文)
- 第3期科学技術基本計画、分野別推進戦略(環境分野)
配付資料
南極地域観測統合推進本部 第10回外部評価委員会議事要録(案)
- 日時 平成19年10月31日(水曜日)14時~16時
- 場所 三菱ビル地下1階 M1会議室
- 出席者 西田委員長、池島委員、斉藤委員、鳥井委員、堀委員
(オブザーバー)福地極地研副所長
(事務局)近藤海洋地球課長、清家極域科学企画官、 他関係官
- 議事
- 議題に入る前に、事務局より委員の出欠状況と議題及び配付資料の確認があった。また、前回の議事概要及び議事録(案)について、資料(1)に基づき説明があった。議事録(案)について、修正、意見がある場合は、11月7日(水曜日)までに事務局に報告をいただきたい旨、連絡があった。
- 議事1、第47次越冬隊及び第48次夏隊の評価について
議題1、について、事務局より資料(2)に基づき、評価書案の説明があり、一部表現を修正のうえ決定された。
なお、主な意見は以下のとおり。
【鳥井委員】 広報関係が行き過ぎるとは、具体的な事例が起こったのか。
【清家極域科学企画官】 広報関係に力を入れているのは評価をしているが、それが隊員の負担になっていないか。評価も含めて、あまり行き過ぎることのないように進めていく必要があるのではないか。
【福地副所長】 幅広い広報をする必要があると感じている。極地研もいろいろな角度から現場の後方支援をやっているが、世の中のニーズは増えてきている。50周年ではかなり力を入れて世の中に還元したが、隊編制の中で広報担当隊員がいるわけではない。50周年を機会になるべく継続したい。
【鳥井委員】 観測活動は続けることに意味がある。50周年で盛り上がったのをいかに社会とうまくやっていくか、継続していくか。負担にならないように、何か手を打つことはできないのか。
【福地副所長】 隊員編制の中でどう構築するか、また、その陣容がどこから毎年きちんと担保できるかを、本部と連絡をとりながら進めていく必要がある。人事的な部分、予算的な部分は考えなければいけない。
【鳥井委員】 紅白歌合戦での南極基地からの中継はもうやらないのか。
【福地副所長】 毎年、NHKに送っているが、最近はなかなか取り上げてくれない。逆に、NHKから取り上げたいというときもある。取り上げるほうがどう取り上げてくれるかである。
【清家極域科学企画官】 第49次隊ではラジオ番組で、毎週1回金曜日の午後に、5分ぐらい基地と結んで放送する。毎週広報していくというのはよいと思う。
【堀委員】 インターネット的な情報は配信しているのか。
【福地副所長】 極地研究所と昭和基地は、24時間、ブロードバンドでつながっている。極地研究所のホームページをクリックすると、現在の昭和基地を見ることができる。
【堀委員】 ごみ投棄の問題を真剣に考えていただきたい。
【西田委員長】 昭和基地は地下に埋もれているものを除いて処理は終わっているのか。
【福地副所長】 昭和基地で出る廃棄物は毎年「しらせ」で持ち帰っている。それ以外の観測が野外で計画されたときに置き去りになってしまった。
【堀委員】 PDCAについて形式的にならないように、作業全体に倫理観や社会的責任が求められている。そのような方向性をねらうのは大事だと思う。
【鳥井委員】 QCの専門家に相談すると、いいアドバイスがもらえるという見込みがあるのか。
【福地副所長】 プロのQCに相談をしたことがないので、一度はやってみる必要はあると思う。スタイルを見ていただき、専門の立場から留意すべき点は伺っておく必要がある。
【斎藤委員】 相談に乗ったほうが、ある意味では困るかもしれない。流れ作業がきちんと決まっていると、すごく研究を積んでいるから答えが出ると思う。限られたところでどういう戦略を立ててやれるか、相当考えないといけない。
【西田委員長】 観測内容の見直しではなく、最新の目標に向かって観測計画をつくっていく。古いものはやめて、新しい観測にするとか、きちんとやれることが大事だと思っている。
【鳥井委員】 QCという言葉が合わないのではないか。戦略立案の専門家というような表現のほうが、ほんとうの真意を伝えることになるのではないか。限定的な品質管理上の運動タイプと品質管理になってしまう。
【福地副所長】 次世代に向かういろいろな立案をしている段階で、極地研の中で次につながる提案を受けるシンポジウムや、学会を通しながら、次のフェーズを目指すために始めたところである。
【西田委員長】 学問のフロンティアは変わっていくので、新しい観測をしていかないといけない。地球は長期間のデータ蓄積に意味があり、これは専門家とその業績を理解できるような研究者の積極的な議論の場が必要だ。QCという言葉で表現できるものとは違う。
【斎藤委員】 フロンティアの大きい観測の場合、人間も投資しにくいところがある。定常観測をやりながら、継続性を保たなければいけない部分に、どうやってフロンティアの部分を入れていくかに苦労するのではないか。
【堀委員】 技術開発という論点で、設備機器の開発に向けての分野もかなり重要ではないか。
【西田委員長】 無人化を踏まえて、機器の更新、先進的な観測のための精力の集中である。評価する側でもそういう観点をもって進めていくことが大事だと思う。
- 議事2、前回評価結果の反映・検討状況について
議題2、について、極地研福地副所長より資料(3)に基づき、説明があった。
主な意見については以下のとおり。
【西田委員長】 サポート体制で大きな方針の問題があるが、引き継ぎの際に機器の操作も十分勉強せずに来てしまったという、深刻な問題が出ていた。出発前のトレーニングの実質化もこの委員会の中で考えているのか。
【福地副所長】 帰ってきてから1年、第49次隊が出かけるまでの中に、いろいろな訓練がある。全体の訓練、部門別の訓練、その中に機械の引き継ぎという部分も含めて準備している。
【鳥井委員】 来年の洞爺湖サミットの場で、南極からのメッセージが伝えられたらいい。このチャンスは逃すべきではないと思う。
【西田委員長】 氷床コアで何十万年の間の気候変動がわかったのは、日本の大きな成果で、社会にもっと注目されるように努力するのも一つではないか。極地研及び南極関係者に検討いただきたい。
【斎藤委員】 洞爺湖サミットに向け、首相に発言をしてもらうために、学術会議側から何か出せないかとやっていると思う。極地研は掘削も含めて具体的なデータを持っているので、日本としてこういう貢献をしているというのがあったほうが、政府としても言いやすいのではないか。
【西田委員長】 学術会議の環境問題は、人為的な環境変化に重点が置かれている。長いスパンで見たときの問題点を、南極のデータをもとにしてやっていただくのが一つではないか。
【鳥井委員】 これ以上温暖化が進むと、可逆的ではないプロセスに入ると言う人たちもいる。どういうときに正のフィードバックがかかってしまうような状況が来るのか。
【西田委員長】 それは多分、だれも言えないだろう。ちょっとした変化が重大な事柄の兆候なのかどうかはわからない。
【堀委員】 オゾンホールの破壊を知ったのもすばらしい成果である。
【鳥井委員】 サミットの時期だと、オゾンホールはあまりないのか。
【福地副所長】 ない。国のサミットだから、各省庁がいろいろな形でコミットしている部分があるかと思う。文科省もいろいろな角度からという部分がある。
【清家極域科学企画官】 IPCC等の報告書のこともあり、藤井所長はかなり報告書の作成にコミットしているし、そういった温暖化というテーマでは、かなりクローズアップされるのではないか。
【西田委員長】 国際動向だけでは外国のものを入れて効率化しようと聞こえる。国際的にきちんと競争できるような国際的最前線の研究ができるような観測機器の開発と体制をつくるべきである。
- 議事3、南極地域観測第6期計画(プロジェクト研究観測)の評価について
議題3、について、事務局より資料(4)に基づき、前回決定した第6期計画の評価の進め方について説明があった。引き続き、極地研福地副所長より資料(5)に基づき、極地研の中のプロセスを経て、6期計画の自己点検・評価の内容について、説明があった。なお、委員からの意見に基づき評価基準を見直した上で、極地研において資料の再検討を行い、次回委員会に改めて諮ることとなった。
主な意見は以下のとおり。
【西田委員長】 S、A、B、Cのつけ方は、この委員会で100%でなければAにならないと決めたと言ったが、そういうことを決めたのか。既にできているものは自己点検で、その基準は自己点検をやる極地研で決めたはずである。
【鳥井委員】 これは独立行政法人評価の一般的な基準である。
【福地副所長】 それをそのままスタートのときに持ってきてしまったと反省している。
【鳥井委員】 あまり学術研究には向いている基準ではない。
【斎藤委員】 これだとAに行かなくなってしまう。
【福地副所長】 A、B、Cに至る部分を自己点検の下の文章で多少わかるように書いて評価した。
【西田委員長】 独立法人の評価をしているわけではない。別の観点があってもいい。
【堀委員】 そんなに枠をはめないでいいと思う。Bは普通であって、Sが絶対ここの中にあるはずである。
【鳥井委員】 S、A、B、C、Dという評価基準でやると、独立行政法人の評価と混同されてしまう可能性が高い。文科省の独立行政法人の評価だと、40項目ぐらいあって、SやBがそれぞれ1つか2つあるという程度である。そういう目で見られることは意識しないといけない。
【堀委員】 全部格上げしたらどうか。
【福地副所長】 厳密に分科会ではやった結果をここに示した。
【斎藤委員】 結果のA、B、Cのところだけがひとり歩きしている。
【福地副所長】 文章を読んでいただければ、これAじゃないのと思っていただけるかという気はする。
【堀委員】 もう少し柔軟な発想でやったらいいのではないか。
【鳥井委員】 評価基準を少し変えないといけない。
【福地副所長】 100%ではなくて、幅を持たせるとどうか。
【西田委員長】 計画どおりにできたかと、その成果と2つがあって、それをあわせて、いい結果が出ればそれはいいことだと思う。
【鳥井委員】 そこは事務局で少しつくって、こういう評価をしてくださいというのをやらないといけない。
【西田委員長】 それを超えるものは、委員会は考える権限があるかもしれないが、事務局としては言いにくいということがあるかもしれない。
【清家極域科学企画官】 S、A、B、Cがひとり歩きするという点ではその基準や根拠はやっぱりこういうことかなというのが出てしまう。
【鳥井委員】 業務をやっているだけだったらそういうことだ。
【鳥井委員】 研究をやっているのなら、それだけであらわされるものではない。
【清家極域科学企画官】 計画どおりどうだったかということと、成果がどうなったかという両方の観点からこの委員会では見ていただく。
【鳥井委員】 成果がどうだったかという話でつくって、それを2つ並べて、それで評価したというぐらいのことが、基準がはっきりして、それでその基準をこの委員会でつくったとして、それで評価したらここはS、A、Bだったということをやらないといけない。
【堀委員】 そんなに定型的な形で考えているのか。客観的に見て、かなりSを入れて、Aがよくて、Bは少ないから、どうしてこんなになってしまうのか。その成果をもっと強調してほしい。
【西田委員長】 観測できなかったことが、観測隊の大きな落ち度であるときは、それはBかCかもしれないが、もっと重点的にやる必要があるものがあったために遠慮してもらったというような場合もある。
【鳥井委員】 それはBなりCだと思う。その計画の立て方に問題があった。
【西田委員長】 いん石にBがつくのは不当である。
【鳥井委員】 南極の観測計画として整合性がとれていなかったというような意味だったら、これはBがついてもいい。
【西田委員長】 レベリングに予想よりも余計時間がかかったということはある。フィールドワークのときには先は完全によめるわけではない。
【福地副所長】 ドーム掘削を見ていただくと、45、46、47で掘れるだろうというのが当初の試算で動き出した。現場の安全、足回り、雪上車、そり周りが5年先まで全部もつかどうか、老朽化も先送りせざるを得ない。それで第47次まで多少入り込んだというのが実情である。
【鳥井委員】 事業をやっているなら、その納期はすごく大事だが、そうでないならちゃんとやることが大事である。
【福地副所長】 括弧の中の数字を少し限定的にとらえた。括弧をとった言葉だけであればよかった。
【西田委員長】 括弧はだれがつくったのか。一般的なものであるということか。
【鳥井委員】 これは文科省の広報評価室がつくった。
【清家極域科学企画官】 これは実績としか書いていないので、実績と成果の両方を見ながら入れていくということになれば、総合的な評価になる。
【西田委員長】 そのときに、実績のほうがすぐれていたと言えるような説明をしてほしい。
【福地副所長】 この自己点検の文章は、評価委員会からも注文が出た。A、Bというアルファベットだけではわからないから、実績をちゃんと観測できたのかどうか、その結果、どういう成果が得られたという2つの観点のパラグラフを文章に入れてくださいということで入れている。
【西田委員長】 それがなくてみんなBだったら、もう惨たんたるものだと思われる。もっと整理したほうがいい。
【鳥井委員】 一つずつ特記事項を書いたという感じがしないでもない。
【福地副所長】 学問の分野として、こういうくくりのほうがまとめやすいかなということで整理したが、この特記事項をさらにまとめて、この3つの単位で整理するのがいいと思う。
【西田委員長】 第6期計画の自己点検の中間まとめでは特記事項は何も書いていない。本当に自信のある特記事項を1ページにまとめて、予定どおりできなかったものはさらっと書くことが望ましい。
【福地副所長】 資料は極地研でやったというトータルとして別添資料みたいな扱いになり、指摘されたようなものがここに入ってくる。
【西田委員長】 自己点検でよく考えて、自信のあるものを出すことが大事である。まとめて書くためにはこの書き方では不十分である。なぜこれが大事なのかと言われそうなところがある。
【福地副所長】 今日は中間まとめで、これについてここに書かれているという意味で書いた。来年6月にまとめるときには、この文章がここに入った形でまとまる。
【鳥井委員】 これについては外へ出るのか。
【福地副所長】 この時点ですぐ外へ出すというものではない。
【西田委員長】 その段階でS、A、B、Cはどうなるのか。
【鳥井委員】 自己評価をされた評価基準と、ここの評価基準は一致していたほうが望ましい。文章はそのままでいいが、書き直してつくっておいたほうが問題にならないで済む。
【福地副所長】 この日程表にはこだわらない。時間はまだあるので、この後、委員長と打ち合わせながらやりたい。
【西田委員長】 これは規則に縛られ過ぎていて、実質をあらわしていない。S、A、B、Cのかねてからの感じからいうと、ほかのところと比べて非常にアンバランスであるので、考え直していただいたほうがいい。
【堀委員】 これのコメントは、見直したいと書いただけで持っていっていいですか。
【西田委員長】 今の段階では書けない。
【福地副所長】 中間まとめでここに示しているが、これと並行して実はモニタリングと設営もまとめがかかる。これについても、時間があるので、先生と話し合いながら決めたい。
【西田委員長】 採点基準の見直しについて、この委員会としての合意をとるために書面、Eメールで照会するか、会議を開くかということは決めておかないといけない。
【清家極域科学企画官】 評点基準を見直して、作成できたらメールで送らせていただければと思う。
【鳥井委員】 具体的に作業はどうなるのか。
【清家極域科学企画官】 基準を見直してそれに沿って、直していただくことになると思うので、それが直った段階で送るか会議を開くか、相談させてほしい。
【西田委員長】 基準を変えるのは大きなことだから、難しければしようがない。
【福地副所長】 あまり変わる要素がないと思っている。パーセントにこだわり過ぎたので、もう一回やりたい。プロジェクトではどういうサイエンスがわかったのかということが一つである。それに対して、設営計画もこの中にある。
【西田委員長】 設営は別の委員会になるのではないか。
【福地副所長】 冊子の評価になると、プロジェクトの次にモニタリングがあり、設営がある。
【清家極域科学企画官】 この委員会は全体的にと理解している。
【福地副所長】 既に先行している場合には機械分科会等々でやっている部分があるが、どのようにまとめたらいいのか苦慮している部分がある。
【清家極域科学企画官】 第6期全体を評価していただく意味では、そのほうがありがたい。設営計画の自己点検も、わかりやすい形で相談したい。
- 議事4、その他
次回の会議の日程については、委員長と相談して改めて御連絡をしたい旨、事務局より連絡があった。
研究開発局海洋地球課
鈴木(スズキ)、栗田(クリタ)
電話番号:03-5253-4111(内線4144)、03-6734-4144(直通)