大学改革GPナビ-Good Practice-(第72号)

平成20年12月


INDEX

[大学教育改革プログラム合同フォーラムのご案内]
[戦略的大学連携支援事業の概要パンフレットについて]
[(連載)GP事業の成果と今後の展開(第8回)]
[関連記事掲載について]
[編集後記-編集部(補助金執行担当)(大学改革推進室専門職)為房 正]


●[大学教育改革プログラム合同フォーラムのご案内]●

 「大学教育改革プログラム合同フォーラム」について、基調講演、パネルディスカッション、各プログラム分科会の事前登録を受付中です。参加者数が定員に達したため参加受付を締め切らせていただいている企画もありますので、参加を希望される方は、お早めに登録をお願いします。

  ■日時   平成21年1月12日(月・祝)、13日(火曜日)
■場所 パシフィコ横浜
(神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1)
(みなとみらい線「みなとみらい駅」より徒歩3分又はJR桜木町駅より徒歩12分)
■対象者 どなたでもご参加いただけます
■参加費 無料
(基調講演、パネルディスカッション、各プログラムの分科会への来場については、収容人数の都合上、事前の登録が必要となっています。下記のWebサイトでお申し込み下さい。なお、ポスターセッションへの来場は、登録不要となっております。)

(事前登録・フォーラム詳細はこちら)
http://www.bunkyo1.org/2009/main.html
(※文教協会ホームページへリンク)

 さて、今回は、基調講演とパネルディスカッションについて、ご案内します。
 1日目(1月12日)の基調講演では、安西祐一郎・慶應義塾長より「中長期的な大学教育の在り方について」をテーマにご講演をいただきます。
 また、2日目(1月13日)のパネルディスカッションでは、郷通子・お茶の水女子大学長や黒田壽二・金沢工業大学学園長、諸星裕・桜美林大学大学院教授、中西茂・読売新聞編集委員をお招きし、濱名篤・関西国際大学長の進行により、中央教育審議会で審議されている「学士課程教育の構築に向けて」をテーマにご議論していただくこととしています。
 本フォーラムは、日頃から大学教育の現場で活躍されている多くの教職員の方々にご参加いただきたいと考えておりますが、高等教育関係者に限定するものではありません。社会人の方や中高校生など広く一般の方々についても大学等で行われている教育改革の取組について知っていただく良い機会になりますので、お誘い合わせの上、是非ご参加ください。

 また、各プログラムの分科会では、優れた取組の事例紹介や審査委員を交えたパネルディスカッションなど活発な議論が予想されます。
 例えば、このような分科会も開催されますので注目してください。

(1) 「グローバルCOEプログラム」分科会
(13日(火曜日)13時15分~15時 501会議室(5階))
http://www.bunkyo1.org/2009/PDF/bunka11.pdf(PDFファイル)
(※文教協会ホームページへリンク)

 「グローバルCOEプログラム」が、大学教育改革プログラム合同フォーラムに初めて参加します。
 当日は、平成19年度に公募が行われた5つの分野から各1拠点、計5拠点の拠点リーダーが会場に駆けつけ、それぞれが構想する教育研究拠点の形成計画や取組の実施状況を紹介します。また、プログラム後半では、5つの分野の審査委員が加わって、各分野、各拠点の課題や展望等を明らかにし、会場も交えながら、国際舞台で活躍できる若手研究者の育成、国際的に卓越した教育研究拠点の形成について、質疑応答や意見交換を行います。
 事業の開始から注目を集めている「グローバルCOEプログラム」。採択された拠点がどのように成長し、どのような「COEcenter of excellence:卓越した拠点)」となっているのかを覗く貴重な機会ですので、是非ご参加ください。

-事例報告拠点-
生命科学
大阪大学「高次生命機能システムのダイナミクス」
化学、材料科学
京都大学「物質科学の新基盤構築と次世代育成国際拠点」
情報、電気、電子
東京大学「セキュアライフ・エレクトロニクス」
人文科学
早稲田大学「演劇・映像の国際的教育研究拠点」
学際、複合、新領域
愛媛大学「化学物質の環境科学教育研究拠点」

(2) 「大学院教育改革支援プログラム」分科会
(13日(火曜日)15時45分~17時30分 メインホール(1階))
http://www.bunkyo1.org/2009/PDF/bunka06.pdf(PDFファイル)
(※文教協会ホームページへリンク)

 平成20年度「大学院教育改革支援プログラム」では、47大学計66件の優れた教育プログラムが採択されました。そのうち、3つの教育プログラムから、各プログラムにて行われている大学院教育の実質化に向けた取組を紹介し、審査委員や会場を交えて、質疑応答、意見交換を行います。
 社会の様々な分野でリーダーシップをとれる高度人材の養成の必要性が叫ばれる今日、大学院が真の人材養成の場となるため、教育の質的向上を図ることが求められています。この分科会で、優れた採択教育プログラムの活動内容に触れ、各大学が大学院教育の実質化に取り組む上での「ヒント」を探してみてください。

-事例報告大学-
人社系
東京大学「経済学高度インターナショナルプログラム」
理工農系
金沢工業大学「総合力の醸成を図るモジュール統合科目教育」
医療系
長崎大学「国際保健分野特化型の公衆衛生学修士コース」

(3) 「がんプロフェッショナル養成プラン」分科会
(12日(月・祝)13時30分~15時 304会議室(3階))
http://www.bunkyo1.org/2009/PDF/bunka03.pdf(PDFファイル)
(※文教協会ホームページへリンク)

 選定取組の計画の概要や実施状況等についての事例報告や、会場との質疑応答、事例報告校担当者と審査を行った選定委員会委員によるグループディスカッションを通じて、取組を実施する上での留意点や課題などについて意見交換を行います。
 がんは、わが国の死亡率第1位の疾患ですが、がんを横断的・集学的に診療できる専門家が全国的に少なく、その養成が急務とされています。このような社会的要請を踏まえた、高度な知識・技術を持つがん専門医師やがん医療に携わるコメディカルなど、がんに特化した医療人材養成のための特色あるプログラムを是非ともご覧ください。

-事例報告大学-
東京大学 「横断的ながん医療の人材育成と均てん化推進」
金沢大学 「北陸がんプロフェッショナル養成プログラム」
広島大学 「銀の道で結ぶがん医療人養成コンソーシアム(代表大学:鳥取大学)」

(4) 「大学病院連携型高度医療人養成推進事業」分科会
(12日(月・祝)16時~17時30分 304会議室(3階))
http://www.bunkyo1.org/2009/PDF/bunka04.pdf(PDFファイル)
(※文教協会ホームページへリンク)

 平成20年度選定取組の事例紹介及び質疑応答を行い、今後の取組や大学の取組への期待等について活発な意見交換を行い、各大学における医療人養成に係る取組の活性化を図ります。
 若手医師が将来に希望を持ちながら安心して研修に専念でき、国民の要請に応えられる質の高い専門医や臨床研究者の養成に資するとともに研修中及び研修終了後により多くの医師が地域医療に貢献することは、医師不足や医師の偏在が大きな社会問題となっている昨今極めて重要なことです。複数の大学病院が緊密に連携・協力し、それぞれの得意分野による相互補完を図り、幅広い経験を積むことができる医師のキャリア形成システムを構築する為の、各大学の特色ある取組を是非ご覧ください。

-事例報告大学-
筑波大学 「東京・東関東高度医療人養成ネットワーク」
東京医科歯科大学 「都会と地方の協調連携による高度医療人養成」
島根大学 「山陰と阪神を結ぶ医療人養成プログラム」
慶應義塾大学 「地域躍動型専門医養成一貫教育プログラム」

(5) 「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」分科会
(13日(火曜日)16時~17時30分 304会議室(3階))
http://www.bunkyo1.org/2009/PDF/bunka10.pdf(PDFファイル)
(※文教協会ホームページへリンク)

 過年度選定拠点からプロジェクトの計画や進捗状況等についての報告を行うとともに、各拠点における成果の効果的・効率的な普及展開を図るために平成20年度より実施している「拠点間教材等洗練事業」の紹介を行います。
 また、事例報告者と拠点の選定審査等を行った推進委員会委員によるパネルディスカッションにおいて、安定的な高度IT人材輩出を目指した教材等の普及展開方策や教員の教育力向上方策などについての意見交換や質疑応答を行います。
 我が国の国際競争力強化を目的に、企業等で先導的な役割を担い得る高度IT人材の育成に向けて、産学官連携での実践的な教育を行っている先進的な教育プロジェクトを是非ともご覧ください。

-事例報告拠点-
慶應義塾大学拠点 「先端ITスペシャリスト育成プログラム」
奈良先端科学技術大学院大学拠点 「社会的ITリスク軽減のための情報セキュリティ技術者・管理者育成」
国立情報学研究所 「拠点間教材等洗練事業」

 次回は、ポスターセッション等について、ご案内します。

(文部科学省の合同フォーラムWebサイトはこちら)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/gp/kaisai/08112104.htm


●[戦略的大学連携支援事業の概要パンフレットについて]●

 戦略的大学連携支援事業は、地域の大学等間の積極的な連携を推進し、各大学等における教育研究資源を有効活用することにより、当該地域の知の拠点として、教育研究水準のさらなる高度化、個性・特色の明確化、大学運営基盤の強化等を図ることを目的として、平成20年度から実施しています。
 このたび、本事業を多くの方々にご理解いただくために、その概要をまとめたパンフレットを作成し、各大学等宛に送付していますので、ご参考ください。また、文部科学省WebサイトにPDFファイルを掲載していますので、併せてご活用ください。

(戦略的大学連携支援事業概要パンフレットはこちら)
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/senryaku2/08112014.htm
(※戦略的大学連携支援事業へリンク)


●[(連載)GP事業の成果と今後の展開]●

第8回 担当者調査の紹介(2)-GPの実施体制と効果
(村澤昌崇 広島大学高等教育研究開発センター・准教授)

 前回は、GPに採択された他大学の取組や、GP政策自体のインパクトについて、各機関のGPの担当者の見解を紹介しました。今回は、GPに採択された機関の担当者が、GP実施体制やGPの効果をどのように認識しているかを概観します。
 まず、各機関のGP実施担当者は、補助金の有効活用方策、責任体制、学内の支援体制、教職員の参加、GP取組の学内への波及、GP取組に向けたFD活動、効果測定のための工夫、そして補助期間終了後の方策といった機関の実施体制について、全般的に充分であると評価を下しています。特に補助金の有効活用や責任体制の明確化については、7割以上の担当者が高い評価をしています。
 次に、GPがもたらした効果を担当者がどのように認識しているのかを検討してみましょう。担当者は、「学生の学習活動に対する意欲・満足度」「学生の学習成果」に対する効果をもっとも高く評価しています。これらについで、学内の制度の構築や充実への効果すなわち「優れた教育方法の構築」「学習支援に関わるシステムの充実」「カリキュラムの改善・充実」「教育に関わる施設設備の充実」「優れた教育評価の仕組みの構築」などへの効果も高く評価しています。さらに、教員の意識や教育能力すなわち「教員の教育活動に対する意識・考え方」「教員の教育活動に対する力量向上」に対する効果も高い評価をしています。「地域や関係機関などとの連携・信頼関係の構築」といった対外的な波及効果を認める声も少なくありません。ただし、「学生の進路状況の改善」「受験生数増加」「受験生の質向上」に対する効果については低い評価に留まっています。この傾向は、大学調査と同様の傾向ではありますが、実際にGPを担当・運営している現場の声として、受け止め直す必要があるでしょう。
 今回の調査からは、GP担当者が、GPの高等教育システム内部への効果を認めつつも、外部的な効果に難ありと認識している結果が得られました。この結果をどのように解釈し、政策や意思決定に反映させれば良いのでしょうか。それを議論する前に、GPの効果をめぐる評価が、効果の時期をいつに求めるのか、効果を望む主体(アクター・ステークホルダー)が誰なのかによって異なる点や、そもそも教育効果を測定すること自体が簡単ではない点を、再確認する必要があるでしょう。その上で、政府、高等教育機関、社会の見識ある行動が問われるように感じます。

(次回(第9回)は、連載の最終回となり、担当者調査の紹介(3)-GPへの期待と課題について紹介します。)


●[関連記事掲載について]●

 文部科学時報12月号(発行 株式会社ぎょうせい 毎月10日発行)では、これまでに特色GP・現代GP等で選定された取組の活動状況等について、以下の大学からの報告を紹介しています。

(報告1) 広島大学大学院「グローバルインターンシップでデザイン力を身につける実践教育」
(平成19年度 大学院教育改革支援プログラム選定取組)
http://www.hiroshima-u.ac.jp/gecbo/
(※広島大学ホームページへリンク)

(報告2) 同志社大学「学生と教員の幸せな出会いをめざす導入教育」
(平成19年度 特色GP選定取組)
http://com.doshisha.ac.jp/gp/
(※同志社大学ホームページへリンク)

◆文部科学時報とは!?
 文部科学行政の「今」が読みやすく分かる、総合政策マガジンです。
 上記のGP選定取組の現状・成果を紹介する「進む大学教育改革」の連載をはじめ、文部科学行政の様々な情報を提供しています。
 12月号の特集は「新たな価値を創造し、社会を変える-戦略的創造研究推進事業」・「小学校の英語活動」です。
  https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1364673/www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/jihou/011001.htm(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます
(※出版物案内へリンク)


●[編集後記-編集部(補助金執行担当)(大学改革推進室専門職)為房 正]●

 今年も残すところ残りわずかとなり、年々一年が経つのが早いと感じています。年末年始は、実家に帰省し、のんびり過ごし、1月から新たな気持ちでがんばっていきたいと思います。
 大学教育改革プログラム合同フォーラムの開催まで一ヶ月となりました。フォーラムでは、大学教育改革の動向や各大学等の優れた取組の情報が得られる良い機会だと思います。多くの方々に参加していただき、本フォーラムを活用していただけばと思います。



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 「GP」とは「優れた取組」を表す「Good Practice」の頭文字をとった通称です。
 「質の高い大学教育推進プログラム」の通称を「教育GP」と言っています。

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