専門職大学院

24文科高第681号
平成24年11月19日

各国公私立大学長
大学を設置する各地方公共団体の長
各公立大学法人の理事長
大学を設置する各学校法人の理事長
大学を設置する各学校設置会社の代表取締役
放送大学学園理事長

文部科学大臣政務官
村井宗明

専門職大学院設置基準の一部を改正する省令の施行について（通知）

　このたび、別添のとおり、専門職大学院設置基準の一部を改正する省令（平成24年文部科学省令第38号）が平成24年11月19日に公布され、平成26年4月1日から施行されることとなりました。
　今回の改正は、専門職大学院設置基準上必ず置くこととされる数の専任教員について、同設置基準附則第2項に基づき、専門職大学院の教員を他の学位課程に必要な教員数に算入できることとする経過措置が平成25年度末に終了することを受けて，特例措置終了後の取扱いについて、専門職学位課程に必ず置くこととされる数の専任教員については、博士課程（前期及び後期の課程に区分する博士課程における前期の課程を除く。）を担当する教員が兼ねることができるとするものです。
　これは、専門職大学院の質の向上を図る観点から、実態調査結果も踏まえつつ、中央教育審議会において審議を進めた結果、教員の養成機能の維持・向上、進学を希望する学生への対応、国際競争力への影響などを勘案し、専門職学位課程と博士課程との接続を図ることが適当であるとの結論を踏まえて改正するものです。
　この改正の概要及び留意すべき事項は下記のとおりですが、改正趣旨及び仕組みについて十分御了知いただき、その運用に当たり遺漏なきようにお取り計らいください。

記

第一　専門職大学院設置基準（平成15年文部科学省令第16号）の改正について

　一　改正の概要

　専門職学位課程に必ず置くこととされる数の専任教員について、教育上支障を生じない場合には、1個の専攻に限り、博士課程（前期及び後期の課程に区分する博士課程における前期の課程を除く｡以下「博士課程（前期を除く。）」という。）の教員が兼ねることができるとしたこと。（第5条第2項）

　二　留意事項

（一）各専門職大学院においては、専門職大学院制度は、教育の質保証の観点から、一定の独立性を確保し、教育に専念する教育組織を充実することを制度の趣旨とした上で、他の課程との教育の関連性や優秀な教員を確保するため、学部、修士課程については3分の1まで、博士課程後期についてはその全部の算入を認める旨の経過措置を設けていたが、この特例が平成25年度で終了することを受けて、今般の改正が行われることになった経緯を踏まえ、適切に対応すること。

（二）博士課程（前期を除く。）との接続については、専門職大学院教育を担う教員の養成や、専門職学位課程から博士課程への進学者への対応等の観点から、附則ではなく第5条第2項を改正して本則に規定するとともに、大学設置基準等の関連規定との整合等を踏まえ、適切な規定振りとしたものであること。

（三）博士課程（前期を除く。）の教員が、専門職学位課程に置くこととされる数の専任教員を兼ねることができるのは、教育上支障を生じない場合、1個の専攻に限られるものとしたが、これは博士課程（前期を除く。）との接続は、制度の趣旨を踏まえ、一定の合理的な条件の下に限り認められることを明確にしたものであることに留意すること。なお、教育上支障が生じるかどうかの具体的な判断については、学問分野や個々の大学の状況によってその程度が異なることから、各大学において適切に判断するものであること。

（四）専門職大学院に必要な専任教員数が配置されているなど独立性の確保及び教育体制の充実が図られている場合には、更なる教育の充実等を図る観点から、専門職学位課程の専任教員が他の研究科や専攻等において教育研究を行うこと、また、他の研究科や専攻等の専任教員が専門職大学院において教育を行うことは、教育上支障を生じない限りにおいて、従前どおり差し支えないこと。

（五）専門職学位課程に必ず置くこととされる専任教員の数を超えて専門職大学院が教員を配置する場合、求められる数を超えた部分の教員については、本改正の適用が及ぶものではないこと。 ただし、この場合であっても、必ず置くこととされる専任教員の数に含まれるか否かを問わず、これまでと同様に 、教員の質の確保に努める必要があること。

第二　施行について

　専門職大学院設置基準の一部を改正する省令は平成26年4月1日から施行すること。