第1章 地方独立行政法人(公営企業型を除く)に適用される会計基準及び注解 第10節


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10節 附属明細書及び注記

76 附属明細書
 地方独立行政法人は、貸借対照表及び損益計算書等の内容を補足するため、次の事項を明らかにした附属明細書を作成しなければならない。(注46)
(1) 固定資産の取得及び処分並びに減価償却費(「第84特定の償却資産の減価に係る会計処理」による損益外減価償却相当額も含む。)の明細
(2) たな卸資産の明細
(3) 有価証券の明細
(4) 長期貸付金の明細
(5) 長期借入金の明細
(6) 引当金の明細
(7) 保証債務の明細
(8) 資本金及び資本剰余金の明細
(9) 積立金等の明細及び目的積立金の取崩しの明細
(10) 運営費交付金債務及び運営費交付金収益の明細
(11) 地方公共団体等からの財源措置の明細
(12) 役員及び職員の給与の明細
(13) 開示すべきセグメント情報
(14) 業務費及び一般管理費の明細(公立大学法人に限る。)
(15) 上記以外の主な資産、負債、費用及び収益の明細

注46>附属明細書による開示について
1  セグメント情報との関係、住民等に対する情報開示等の観点から、地方独立行政法人が実施する業務の目的ごとに固定資産をグルーピングして表示することが適切な場合は、業務の目的ごとに固定資産の状況を明らかにしなければならない。
2  有価証券については、流動資産に計上した有価証券と投資有価証券を区分し、さらに売買目的有価証券、満期保有目的の債券、関係会社株式及びその他有価証券に区分して記載するほか、その他の関係会社有価証券を保有する場合は当該有価証券は区分して記載しなければならない。
3  長期貸付金については、関係法人長期貸付金とその他の貸付金に区分して記載しなければならない。
4  引当金の明細において、資産の控除項目として計上される引当金については、当該資産の総額との関係を明らかにしなければならない。

77 注記
1  地方独立行政法人の財務諸表には、重要な会計方針、重要な債務負担行為、その作成日までに発生した重要な後発事象、固有の表示科目の内容その他地方独立行政法人の状況を適切に開示するために必要な会計情報を注記しなければならない。
2  重要な会計方針に係る注記事項は、まとめて記載するものとする。その他の注記事項についても、重要な会計方針の注記の次に記載することができる。(注47)(注48)(注49)

注47>附属明細書及び注記における開示について
 地方独立行政法人の財務諸表は、広く住民等にとってわかりやすい形で会計情報を開示するものでなければならないが、一方で、各種専門家にとって高度な分析に耐えられるような詳細な情報が含まれていなければならない。このため、貸借対照表や損益計算書等はいたずらに複雑なものとならないように留意しつつ、詳細な情報を附属明細書及び注記によって、開示していくものとする。

注48>重要な会計方針の開示について
1  会計方針とは、地方独立行政法人が財務諸表の作成に当たって、その会計情報を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに表示の方法をいう。
2  会計方針の例としては次のようなものがある。
(1) 運営費交付金収益の計上基準
(2) 減価償却の会計処理方法
(3) 退職給付に係る引当金及び見積額の計上基準
(4) 有価証券の評価基準及び評価方法
(5) たな卸資産の評価基準及び評価方法
(6) 外貨建資産及び負債の本邦通貨への換算基準
(7) 未収財源措置予定額の計上基準
(8) 行政サービス実施コスト計算書における機会費用の計上方法
3  なお、重要な会計方針を変更した場合には、次の各号に掲げる事項を前項による記載の次に記載しなければならない。
(1) 会計処理の原則又は手続を変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
(2) 表示方法を変更した場合には、その内容

注49>重要な後発事象の開示について
1  財務諸表には、その作成日までに発生した重要な後発事象を注記しなければならない。後発事象とは、貸借対照表日後に発生した事象で、次期以降の財政状態及び運営状況に影響を及ぼすものをいう。重要な後発事象を注記事項として開示することは、当該地方独立行政法人の将来の財政状態や運営状況を理解するための補足情報として有用である。
2  重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。
(1) 地方独立行政法人の主要な業務の改廃
(2) 中期計画の変更
(3) 国又は地方公共団体等からの財源措置の重大な変更
(4) 火災、出水等による重大な損害の発生


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