平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)選定取組みの概要及び選定理由

整理番号 17‐戦‐82
大学等名 早稲田大学
取組み名称 早稲田大学シンガポール国際連携教育事業(早稲田大学とナンヤン工科大学のMBAダブルディグリープロジェクト)
取組み担当者名 西村 吉正
(取組みの概要)
 本学は世界のトップランクの大学を目指してグローバルな競争力の強化を図っている。日本の他大学に先駆けて、今後最も高い経済成長が確実視されているアジア太平洋地域において地政学上戦略的な位置にあるシンガポールに大学院の教育事業展開を行う。シンガポールは知識産業立国を目指す一環としてアジアの高等教育ハブを企図し、欧米のトップレベルの大学や有力企業の研究所を誘致してきた。本学も同国を教育、研究分野での事業展開の戦略拠点と位置づけている。
 具体的には、同国にて高等学校教育事業を実施する一方オリンパス株式会社と提携してバイオサイエンス分野の研究所を稼動させている。こうした基盤に立ってさらに本学は、同国にて国立ナンヤン工科大学(NTU)と戦略的提携を結ぶことによって、海外での高等教育事業に進出することを決定した。
 本申請の取組みは、このシンガポールでの戦略提携プログラムを対象としている。本学は、平成17年4月20日に、NTUと大学院経営教育事業における合弁事業基本契約を結んだ。すなわち、本学大学院アジア太平洋研究科とNTUのナンヤンビジネススクール(NBS)は、平成18年7月よりMBA/MOT(経営学修士)のダブルディグリープログラムを現地にて開始する。本プログラムは、現在、本学大学院アジア太平洋研究科にて実施されている経営専門職大学院MOT教育事業の海外展開である。教育に関して、基礎科目をNBSの教員が、発展科目を本学大学院の教員が現地にて教える。本プログラムは、職務経験2年以上のフルタイムの学生を対象とし、1年で修了し、本学およびNTUの学位を授与する(3週間の日本での研修を含む)。
 当初、定員25名以上でスタートし、3年後には50名の定員を予定している。学生は日本からの留学生、シンガポールの学生、周辺アジア諸国の学生を中心に世界中からの留学生各々1/3ずつを予定している。講義はすべて英語で行う。
(選定理由)
 本取組みは、早稲大学ビジネススクールがシンガポールの国立ナンヤン大学(ナンヤンビジネススクール)と連携し、シンガポールで大学院の経営学修士(MBA/MOT)のダブルディグリープログラムを共同開発し、日本、シンガポール及びアジアの近隣諸国から学生をリクルートし、二つの大学の学位を取得させることでもって、より国際的通用性のある優れた人材を育成しようとする意欲的・組織的な取組みです。既に協定書の調印等が終了しており、その成果が大いに期待されるものです。
 この取組みはまた、わが国の人材育成のあり方についても、「欧米一辺倒の傾向が顕著な経営分野における日本の留学生の留学先を戦略的にも重要なアジアに向ける」というように、アジア市場において活躍する経営人材を育成すべきであるという基本的・戦略的視座からのものであり、十分な教育効果が期待され、今後大いに発展するものであると評価します。

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文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室

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(文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室)

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