平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)選定取組みの概要及び選定理由

整理番号 17‐戦‐69
大学等名 慶應義塾大学
取組み名称 ダブルディグリーによる先進的高等工学教育
取組み担当者名 小尾 晋之介
(取組みの概要)
 本取組みは、慶應義塾大学理工学部・同大学大学院理工学研究科とフランスのエコール・セントラルとの融合的協同カリキュラムの課程を修了した者が、国際感覚と共に広い視野を養い、修了時に両校から2つの学位(ダブルディグリー)を同時に取得するという国際的エンジニア育成プログラムである。具体的には次のような内容である。
 本取組みに参加する日本側の学生は、本学で理工学部1、2年次の課程を終えて渡仏し、先方の学部3、4年次に相当する2年間の課程を修めて帰国したのち、本理工学研究科修士課程に入学する。その後、修士課程で標準の専門教育を修めた時、修了時に本学からは修士(工学または理学)の学位が授与され、エコール・セントラルからは同時にエンジニア資格(工学修士相当)が認定される。一方、フランス側の学生は、先方において学部4年相当のカリキュラムを終えた後に来日し、本理工学研究科修士課程で修士の課程を修了した際、日本側の学生同様、修士の学位とエンジニア資格を得る。
 このように、日仏双方の学生とも、両国において一連の課程を修めることで両国の学位を自動的に取得することになるが、本取組みにおいて最も重要なことは2つの学位の取得自体よりも、2つの異なる文化圏で専門教育を受けることにより、国際舞台での活動の基礎が形成されることにある。
 本取組みでは、日本側の学生のダブルディグリー取得に必要な先方での2年間と本学における2年間を合計した4年間を立ち上げの評価期間と位置づけ、科目の新設と教職員の相互派遣により、両国の文化、教育システム、カリキュラムについて相互理解を深めつつ国際競争力の強化を図る。また、この成果をもとにして、将来的にはEU圏の他国やアジア各国の高等教育機関への展開、ならびに国内他大学との連携についても検討を行う。
(選定理由)
 本取組みは、大学院理工学研究科とフランスのエコール・セントラル(理工系グランゼコール)との国際的な連携により、共同プログラムを開発・実施し、双方の大学院から2つの学位を授与するダブルディグリープログラムであるが、これまで同研究科では英語のみで開講する「先端的技術国際コース」という優れた取組みの実績があり、新たな国際共同プログラムの実現性もきわめて高く、意欲的で組織的かつ効果的なと試みとして評価できます。とりわけ2年間の留学を終えた学部学生を、「特に優秀な学生」として大学院への飛び入学を実施することで異なる国の2大学間及び学部・大学院の間の二重の「接続」問題についての工夫が見られる点は大いに評価すべきです。
 また本取組みの成果はEU圏とのダブルディグリーのための国際連携のひとつの開発モデルとなりうるもので、カリキュラムの「接続」と「(単位)交換」問題の解決という点でも同大学の先導的取組み経験が他の大学の参考となります。

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(文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室)

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