平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)選定取組みの概要及び選定理由

整理番号 17‐戦‐15
大学等名 東京工業大学
取組み名称 東工大-清華大 大学院合同プログラム(国際的リーダーシップを発揮する理工系人材育成プログラム)
取組み担当者名 橋爪 大三郎
(取組みの概要)
 中国の清華大学と東京工業大学とが共同で、大学院(修士課程、博士後期課程)の合同プログラム(聯合培養項目)を設置し、日本語・中国語・英語を駆使して国際的リーダーシップを発揮できる優れた理工系人材を育成する、戦略的な国際化推進事業である。
 このプログラムに入学する清華大学生、東工大学生は、それぞれ相手大学にも在籍し、両大学で研究を行なって、修士課程の学生は双方の修士号を、博士後期課程はどちらか一方の博士号を授与される。大学院レベルではわが国最初の、デュアル・ディグリー(双方学位)プログラムである。
 このプログラムは、2004年2月に合意に達し、清華大では2004年9月に、東工大では2005年4月に一期生の授業がスタートしている。当初は、ナノテクノロジーコース、バイオコースの2コース(修士課程のみ)だったが、二期生からは社会理工学コースならびに各コースの博士後期課程が加わり、3コース態勢となった。
 このプログラムに参加する学生は、両大学のあいだを往復し、修士課程は3年ないし2年半、博士後期課程はおおむね3年をかけて卒業する。清華大学生が来日して1年あまり滞在する費用を、東工大から奨学金として支給するので、その資金を募るため、多くの企業に協力をよびかけている。
清華大において、十分な質と量の日本語による授業を提供するため、東工大は4名の特任教授を派遣し、常駐させているほか、年間計画にもとづいて、多くの教員を清華大に派遣し、集中講義を行なっている。常駐教員は、東工大の「北京事務所」として、情報の収集や日中企業との交流を行ない、合同プログラムの環境を整えている。また、清華大の教員も、東工大を訪問して集中講義を行なうことを計画中である。
(選定理由)
 本取組みは、清華大学との連携によって共同で開発される大学院プログラムであり、東アジアにおける「日中連携のキーパーソンとなる優秀な理工系人材」を2大学間の連携で戦略的に育成するという、きわめて狙いを明確にした具体性と実現可能性の高いものとして、その成果が期待されます。すでに清華大学とは「協定」が締結され、十分な準備がなされており、一期生の受入れ・指導も始まっています。清華大学の学生は東工大に、東工大の学生は清華大学に一定期間相互に留学し、指導を受けることになっています。単なる学生交流ではなく、共同で開発されたプログラムを履修する留学となっており、国際連携共同プログラムの趣旨から一つの優れたモデルとなっています。
 また、この取組みは、そもそも大学として戦略的に構想されたものであり、その意味でも組織的・計画的なもので、その点でも高く評価できます。

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文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室

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(文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室)

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