平成17年度大学教育の国際化推進プログラム(戦略的国際連携支援)選定取組みの概要及び選定理由

整理番号 17‐戦‐1
大学等名 北海道大学
取組み名称 国際南極大学カリキュラムの創設
取組み担当者名 本堂 武夫
(取組みの概要)
 雪氷圏は今、地球温暖化に伴って大きく変貌をとげつつある。本取組みは、極地研究の様々な分野でリーダーシップを発揮すると同時に、即戦力となるような、フロンティア精神に富んだ学生を育成することを目的とする。そのために、雪氷圏の最前線で、劇的に変化する現状を体感させると同時に、関連する広範な学問領域の大学院カリキュラムを国際共同の下で運用するものである。
 WCRP(World Climate Research Program)の副プログラムであるCliC(Climate and Cryosphere 気候と雪氷圏)では、上記のような国際的な雪氷教育活動を推奨している。なかでも、タスマニア大学(UT)が唱導している国際南極大学は、国際極年(2007~2009)の教育における先導プロジェクトとして立案されている。本学は、南極観測事業開始から今日まで、最先端の研究と人材供給に大きな役割を果たしており、国際南極大学へも参画予定である。そのため、本取組みによって、国際南極大学カリキュラムの創設を目指す。
 実施期間の前半では、本学と、UT、スイス連邦工科大学(ETH)との大学間連携によって、現在希求されている高レベルの内容を含んだ国際カリキュラムを作成する。その理由として、雪氷圏研究では国際的な研究拠点として知られた存在であること、スイスの氷河とオホーツク海の海氷という、アクセスの面からも安全確保の面からも世界に類のない優れた実習フィールドを有していること、UTは極域海洋生物学、ETHは氷河、雪崩、微気候などの観測と理論の面で、本学は海氷、雪氷、降雪の観測と実験的な面で、相互補完的な特徴をもっていること、研究・学生交流の実績を有していることなどがあげられる。期間の後半では、国際南極大学の下、多国間で連携し、実習フィールドを南極大陸にまで拡大し、前半で確立したカリキュラムを基に、さらに高度な国際標準カリキュラムの作成を目指す。
(選定理由)
 本取組みは、申請大学がタスマニア大学とスイス連邦工科大学と積極的に連携し、雪氷圏科学を基礎とする国際共同プログラムの開発に取組み、当該分野における優れた人材育成を意図するユニークなものであり、申請大学の特色と実績を十分に活かした組織的・意欲的な取組みであると評価できます。とりわけ国際共同プログラムは、3大学の特性を強調する相互補完的(専門的重点分野の違いと氷河フィールド実習や海氷フィールド実習の展開など)な共同開発が意図された、きわめて効果的で実現可能性の高い国際共同プログラムとなっています。
 さらにこの取組みでは、世界9カ国で組織される「国際南極大学」(平成20年度設立予定)のカリキュラムの準備を行うなど、大学教育の国際的通用性を高めるものとして高く評価でき、その成果が期待されるところです。

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文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室

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(文部科学省高等教育局学生支援課国際交流企画室)

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