大学の世界展開力強化事業「キャンパス・アジア」中核拠点支援・平成22年度採択事業(旧:日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業)事後評価について

「大学の世界展開力強化事業「キャンパス・アジア」中核拠点支援・平成22年度採択事業」の事後評価結果の総括



平成28年3月31日
 大学の世界展開力強化事業「キャンパス・アジア」
中核拠点支援・平成22年度採択事業委員会



   大学の世界展開力強化事業「キャンパス・アジア」中核拠点支援・平成22年度採択事業について,5年間の補助期間を終了した採択大学(6件)について,4段階評価(S~C)により事後評価を実施した。
   採択大学の評価結果は,S評価(「当初目的を十分に達成し,当初目標を大幅に上回る効果,成果が得られたと判断される。」)が2件(全体のうち33.3%),A評価(「当初目的を達成することができ当初目標を上回る効果,成果が得られたと判断される。」)が2件(全体のうち33.3%),B評価(「当初目的は達成されたと判断される。」)が2件(全体のうち33.3%)であった。
 この結果を踏まえ,採択大学は,当初の計画に沿って目的を実現するとともに,国際化を進める他大学をけん引する取組を推進したものとして評価できる。

   具体的には,中韓を中心としたアジア地域の大学と連携した教育プログラムの提供及び本事業採択大学における英語等による指導体制の構築などにより,外国人学生の受入れ体制が整備された。
  このことは,5年間の補助期間で,各大学院が取り組むコースに延べ249名の外国人学生を受け入れ,継続的に事業を推進したことで,大学の国際化推進体制の基盤整備が図られたと評価できる。

   一方で,日中韓をはじめとするアジア地域の協力強化を目的とする本事業において,中韓の学生の受入れに偏りが見られ,日本人学生と協調しながら切磋琢磨する環境の整備が一部不十分な例が見られた。

   また,高度専門職業人養成を目的とする大学院を対象とした本事業において,産業界と連携し,大学院の教育課程に産業界の意見を取り入れる取組が推進されたことは本事業の成果といえる。
   このことは,補助期間の最終年度において,採択大学と企業183社が連携し,企業74社でインターンシップが実施された実績からみても,産業界と密接に連携した実践的教育が行われたと高く評価できる。

   なお,外国人留学生の日本国内企業への就職については,企業によっては一定の日本語能力が求められることから就職の希望があったとしても円滑な採用には結び付かなかった例が見受けられた。このことについては,修了者の積極的な採用促進に向け,大学と産業界との一層の連携体制の強化を目的としたインターンシップを実施するなどの取組が必要である。

   本事業は,日中韓をはじめとするアジア地域の協力強化が求められる共通的な成長分野(「環境・エネルギー」「健康」)について,大学院の課程において中国や韓国を中心に外国人学生を受け入れ,日本人学生と協調しながら切磋琢磨する環境の下,産業界と連携して,実践的教育を提供することにより,高度専門職業人を育成する取組として展開されたことは非常に大きな意義のあるものであった。なお,中国や韓国にとどまらず,他のアジア諸国などにまで協力のスキームが拡大したことも成果である。5年間という限られた事業推進過程において,各大学が国際化推進体制構築に多くの困難や試行錯誤を伴ったことは事実であるが,それらを経験として積み上げ,そこから新たな知見を得て,上述のとおり成果を上げたことは評価できる。
   今後,採択された6大学が,これまでに蓄積した経験を踏まえ,国際化推進体制の強化や産業界との連携強化等を進めることで,我が国全体の大学の国際化をけん引することが期待される。

大学の世界展開力強化事業「キャンパス・アジア」中核拠点支援・平成22年度採択事業(旧:日中韓等の大学間交流を通じた高度専門職業人育成事業)事後評価(個別)について

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