法曹コースについて

法曹コースの概要

法曹コースとは

 法曹コースとは、法学部等(※)を設置する大学が、法科大学院と連携して法科大学院の既修者コースの教育課程と一貫的に接続する体系的な教育課程を編成し、法曹志望者や法律の学修に関心を有する学生に対して、学部段階からより効果的な教育を行うものです。
 ※法曹コースは、授与する学位が付記する分野が法学に関するものである学部において開設が可能です。
 法曹コースの授業は法科大学院未修者コース1年目の内容を代替するものであり、法曹コースを修了し、早期卒業をした者は、法科大学院未修者コースの2年目(既修者コース1年目)に進学し、法曹を目指すことが想定されています。
 

法曹コースは原則3年間(早期卒業を前提とした制度)

 法曹コースは、早期卒業制度を活用して連携法科大学院の既修者コースに接続することを標準的な運用とするものです。早期卒業の要件に関する制度的な変更をするものではないため、これまでと同様に「優秀な成績」要件を満たすことが必要となります。
 なお、早期卒業をすることができない場合でも、その後1年間学修を続け、4年間で大学を卒業することも可能です。
 

法曹コースから法曹への道(法曹コース制度が想定しているルート)

 従来の制度では、法曹になるためには、次のようなプロセスを経ていました。なお、この従来の制度は、法曹コースが始まった後も残りますので、この方法で法曹になることも可能です。


 新しく創設された法曹コースでは、法曹コースで3年間学修し、早期卒業した後、法科大学院既修者コースにて2年間法曹になるための学修をします。



 その後、従来の場合と同様に、法科大学院において司法試験の受験資格を得た上で司法試験を受験し、合格した後は、司法修習を経て、法曹(裁判官、検察官、弁護士)の道に進むこととなります。
 なお、法曹コース・法科大学院での学修内容は、社会のルールたる法に関するものであり、法曹以外の職業に就く場合にも役立つものです。そのため、法曹以外の道に進み活躍することも可能であり、法曹コースを選択する時点で、進路を法曹のみに絞っている必要はありません。
 

一貫的、体系的な学修のための創意工夫

各大学は、下記の1~3の例のような創意工夫をし、法曹コースと連携法科大学院との円滑な接続を図っています。各大学がどのような創意工夫をしているかは、各大学のHP等でご確認ください。

  1. 授業で使用する教材の統一や少人数かつ双方向・多方向で行う科目の開設

  2. 法科大学院における教育の導入としての科目の開設

  3. 法律基本科目について、法曹コースに開設された基礎科目の履修にとどまらず、連携法科大学院が開設する応用科目の科目等履修や連携法科大学院と法曹コースによる共同開講科目として開設された応用科目の履修ができるようにすること

学位

 法曹コースを修了して早期卒業をする場合、在籍する学部の学位を取得することができます。また学修証明が得られる場合もあります。
 

法曹コースから法科大学院への進学

 法曹コースと協定を結んだ法科大学院は、法曹コース修了予定者を対象として特別選抜を実施します。特別選抜には、1. 「5年一貫型教育選抜」と2. 「開放型選抜」があります。
  

1. 「5年一貫型教育選抜」
 協定先の法曹コースとの教育課程の連続性を重視し、法曹コースの成績、面接など、法科大学院が適当と認める資料により選抜する方法です。この選抜方法では、法律科目の論文式試験は課さないものとされています。

2. 「開放型選抜」
 法曹コースの成績、面接、法律科目の論文式試験など、法科大学院が適当と認める資料により選抜する方法です。



 なお、当面の間、当該法科大学院と協定関係にある法曹コース以外の法曹コース修了予定者を2. 「開放型選抜」の対象となります。
 また、法曹コース修了予定者は、上記のほかに、法曹コース修了予定者以外の方と同様に一般選抜を受験することも可能です。