「独立行政法人大学評価・学位授与機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえた見直し内容

平成25年12月20日
文部科学省

 独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下「本法人」という。)の事務及び事業については、「勧告の方向性」を踏まえ、独立行政法人として真に担うべき業務に特化し、業務運営の効率性、自律性及び質の向上を図る観点から、国の財政支出の縮減にもつながるよう、以下の方向で見直しを行うこととする。なお、この見直しの考え方に従い、高等教育の質保証のために、平成26年3月までの間に、具体的な検討を行い、次期中期目標・中期計画の策定等を行うこととする。

第1 事務及び事業の見直し

1 認証評価事業の先導的役割への特化

 認証評価事業については、現在の認証評価制度が開始された平成16年度以降、文部科学省の認証を受けた複数の民間認証評価機関が評価を行っていることから、独立行政法人たる本法人自らが個々の教育機関に対する評価を直接実施する必要性は減りつつある。
 このため、本法人は、認証評価制度全体の改善に資するための先導的役割に特化することとし、特に、民間認証評価機関への専門的知見等の提供を積極的に行うことなどにより、民間認証評価機関が国際通用性のある質の高い評価を行えるようにするための取組を実施することとする。さらに、民間認証評価機関が評価を実施することが可能な教育機関の数や評価を受ける教育機関への影響を考慮しつつ、本法人自らが実施する認証評価について、その数を段階的に削減し、将来的な廃止を含め、在り方を検討することとする。
 また、分野別認証評価については、民間認証評価機関も評価を実施しているにもかかわらず、本法人には運営費交付金が充当されている。
 このため、政府における法曹養成制度改革の動向を踏まえ、運営費交付金の負担割合を段階的に削減することとし、次期中期目標期間中にその具体的な削減目標を設定することとする。

2 学位授与事業の運営費交付金負担割合等の見直し

 学位授与事業のうち単位積み上げ型については、個人の申請に基づき学位を授与するものであるが、運営費交付金の負担割合が、前回の勧告の方向性での指摘以降、手数料の値上げや支出抑制により減少傾向にはあるもののいまだに約7割に上っており、手数料収入で当該経費を賄うことができていない。
このため、受益者負担の観点から、手数料収入の引上げやコスト縮減により運営費交付金の負担割合を下げていくこととし、次期中期目標において、その具体的な削減目標を明記することとする。
 特に、認定専攻科修了者に対する学位授与については、専攻科認定が実施されるとともに個別申請者に対する審査が行われているが、審査において学生の時間的・経費的負担等が発生している。このため、申請者への負担軽減や大幅な審査業務の効率化を図るため、業務効率化に伴うコスト削減額を明確化しつつ、新たな審査方式を導入することとする。
 また、省庁大学校修了者に対する学位授与については、現在、運営費交付金を充当せずに収支均衡が実現している。このため、今後、学位の質保証の観点から修士及び博士に対する審査体制の強化を行うに当たっても、引き続き運営費交付金を充当せずに収支均衡させることを前提として行うこととする。

3 「大学ポートレート(仮称)」運営に係る目標の明確化

 「大学ポートレート(仮称)」(注)の運営方針の決定に当たっては、大学コミュニティ関係者により構成される運営委員会と、事業の実施主体となる本法人との役割分担を明確化することとする。
 その上で、「大学ポートレート(仮称)」導入による効果の最大化を図るため、次期中期目標に「第2期教育振興基本計画」(平成25年6月14日閣議決定)の趣旨を踏まえた具体的な成果目標を明記し、その成果について毎年度厳格な検証を行うこととする。
 (注) データベースを用いた教育情報の活用・公表のための共通的な仕組みのこと。

4 調査及び研究事業の見直し

 本法人は、認証評価制度全体の改善に資するための先導的役割に特化すべきであるが、認証評価に関する調査及び研究事業のうち本法人自らが過去に行った評価の検証に関するものなどについては、これ以外の目的で実施されている側面もある。
 このため、今後は認証評価に係る調査及び研究事業について、本法人が先導的役割を担うためのものに限定することとし、特に、その結果を民間評価機関へ積極的に情報提供することなどにより、民間評価機関のみで国際通用性のある質の高い評価を実施できる環境整備のための取組を実施することとする。
 また、現行中期目標において、調査及び研究事業については、調査及び研究を実施すること自体が目標とされており、評価の際にその進捗状況等の検証が困難であることから、次期中期目標においては、具体的な成果目標を設定することとする。

第2 業務全般に関する見直し

 上記第1に加え、業務全般について以下の取組を行うこととする。

1 具体的かつ定量的な目標設定

 的確な評価を実施するため、次期中期目標においては、達成すべき内容や水準等を可能な限り具体的かつ定量的に示すとともに、定性的な目標とせざるを得ない場合であっても、目標の到達度について第三者が検証可能なものにすることとする。

2 内部統制の充実・強化

 内部統制については、更に充実・強化を図ることとする。その際、総務省の「独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会」が平成22年3月に公表した報告書(「独立行政法人における内部統制と評価について」)、及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人等の業務実績に関する評価の結果等の意見として各府省独立行政法人評価委員会等に通知した事項を参考にすることとする。

3 運営費交付金額算定の厳格化

 毎年の運営費交付金額の算定については、運営費交付金債務残高の発生状況にも留意した上で、厳格に行うこととする。 

4 管理部門のスリム化

 次期中期目標期間においては、本法人の効率的な運営を図る観点から、給与計算、資金出納、旅費計算等の管理業務について、集約化やアウトソーシングの活用などにより、法人全体として管理部門をスリム化することについて検討することとする。 

5 その他

 上記1から4のほか、既往の閣議決定等に示された政府方針に基づく取組について、着実に実施することとする。

お問合せ先

独立行政法人大学評価・学位授与機構の見直し内容について

高等教育局高等教育企画課
電話番号:03-5253-4111(内線2484)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成26年04月 --