「独立行政法人科学技術振興機構の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」における指摘事項を踏まえた見直し案

平成23年12月22日
 文部科学省

 「勧告の方向性」を踏まえ、次期中期目標においては、以下の事項を掲げることにより、事務及び事業の改善を図る。なお、この見直しの考え方に従い、平成24年3月までの間に、独立行政法人科学技術振興機構(以下「科学技術振興機構」という。)が科学技術基本計画の中核的実施機関であることを踏まえ、具体的な検討を行い、次期中期目標・中期計画を策定することとする。
 なお、「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」(平成22年12月7日閣議決定。以下「基本方針」という。)に基づく取組については、引き続き着実に実施することとする。また、科学技術イノベーション政策推進のための有識者研究会において検討している科学技術とイノベーションを一体的に推進する体制の整備に関する結論が出された場合等には、その内容にも留意することとする。
 また、独立行政法人の的確な評価のためには、目標が明瞭性・客観性を備えていることが不可欠であり、中期目標の策定に当たっては、達成すべき内容や水準等を可能な限り具体的かつ定量的に示すとともに、定性的な目標とせざるを得ない場合であっても、目標の到達度について第三者が検証可能なものとなるよう努めることとする。

第1 事務及び事業の見直し

1 研究成果等の国民生活への還元への明確化

 科学技術振興機構の実施している事業については、課題解決のために科学技術を戦略的に活用し、その成果の社会への還元を一層促進するとした「科学技術基本計画」(平成23年8月19日閣議決定)の趣旨を踏まえ事業を再編し展開するに当たり、再編によりこれまで以上に研究等の成果が国民生活へ還元される、あるいは還元されたことが国民に具体的に分かるような形で明らかにすることとする。

2 競争的資金の大括り化に伴う効率化の推進

 基本方針で定められた競争的資金の大括り化に当たっては、その目的である事業運営の効率化を図る観点から、審査や研究課題に係る各種業務の事務管理コストの合理化等の効果を具体的に明確にすることとする。

3 競争的資金配分の手続等の更なる透明化の確保

 文部科学省が毎年定める新技術の創出に向けた戦略目標を達成するため、年間約500億円の国費が投入されている競争的資金の配分に当たっては、その透明性の一層の確保の観点から、戦略目標達成の成否を左右する研究領域や研究総括等の選定に係る手順、選定の背景等の理由や経緯等を更に具体的に明らかにするとともに、それらの選定が適切であったかどうかの事後評価を厳格に行うこととする。

4 特許の活用の活性化と効率的管理の推進

 科学技術振興機構の活動から生じる多くの特許については、有効に活用される特許を増加させることが重要であるが、未利用特許が約90パーセントあることから、戦略的な方針の下、技術移転活動の活性化を推進するとともに、将来の知的財産の活用の可能性及びその困難性を考慮しつつ、出願や審査請求等の際の必要性の検討の厳格化や長期間未利用となっている特許の再評価による削減を計画的かつ継続的に行うことにより、研究成果の活用の促進及び管理の適正化を一層推進することとする。

5 科学技術文献情報提供事業の民間事業者によるサービスの実施を踏まえた経営改善計画の策定

 基本方針で定められた科学技術文献情報提供事業の平成24年度中の民間事業者によるサービスの実施に当たり、新たな事業スキームの下での着実な収入見込みを踏まえた経営改善計画を策定し、累積欠損金の縮減を計画的に行うこととする。

第2 業務実施体制の見直し

 科学技術文献情報提供事業の平成24年度からの民間事業者によるサービスの実施、地域イノベーション創出総合支援事業の25年度末まででの廃止及びこれによる全国19か所に立地するイノベーションプラザ等の廃止並びに研究員の雇用形態を科学技術振興機構の直接雇用から大学や研究機関等への委託に順次変更していることによる管理部門等の関係部門の業務の縮小等に伴う、定年制常勤職員、任期付常勤職員、非常勤職員の計画的合理化を図ることとする。

第3 保有資産の見直し等

 保有資産については、不断の見直しが必要であるところ、設置当初に比し職員数が減少している経理や総務等の管理部門が入居している法人本部(埼玉県川口市)や東京都練馬区及び茨城県つくば市の2か所に設置している情報資料館や職員宿舎について、保有の必要性や分散設置の見直しが必要とみられるものがあることから、移転等のトータルコスト等も踏まえつつ事務所等の見直しの徹底を図ることとする。

第4 業務全般に関する見直し

 上記第1から第3に加え、業務全般について以下の取組を行うこととする。

1 内部統制については、更に充実・強化を図ることとする。その際、総務省の「独立行政法人における内部統制と評価に関する研究会」が昨年3月に公表した報告書(「独立行政法人における内部統制と評価について」)、及び総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から独立行政法人等の業務実績に関する評価の結果等の意見として各府省独立行政法人評価委員会等に通知した事項を参考にすることとする。

2 毎年の運営費交付金額の算定については、運営費交付金債務残高の発生状況にも留意した上で、厳格に行うこととする。 

 

お問合せ先

独立行政法人科学技術振興機構の見直し内容について

科学技術・学術政策局基盤政策課
電話番号:03-5253-4111(内線4190)

(大臣官房総務課行政改革推進室)

-- 登録:平成24年09月 --