今般の学校における火災の発生を受けて、あらためて全国の学校に対して防火防災に係る安全点検等や、避難訓練の実施等をお願いするものです。
8教参学第9号
令和8年6月26日
各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管部課長
各都道府県・指定都市教育委員会施設主管部課長
各都道府県私立学校所管部課長
各都道府県私立学校施設担当部課長
各文部科学大臣所轄学校法人担当部課長 殿
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた
各地方公共団体の学校設置会社担当部課長
附属学校を置く各国立大学法人担当部課長
文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課長
中園 和貴
文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課長
瀬戸 信太郎
学校における防火防災に係る安全点検等の実施等について(通知)
日頃より学校の教育活動等における事故防止に御尽力いただき御礼申し上げます。
令和8年6月19日に東京都北区の小学校において校舎から出火し、複数の児童及び教職員が負傷する火災が発生しました。学校において、児童生徒等の安全の確保は最優先されるべき不可欠の前提です。
今般の火災の原因等の詳細については、現在、警察及び消防による調査等が進められているところですが、今般の火災を受け、各学校における防火防災に係る安全点検等の実施等について、下記のとおり通知します。改めて、各学校及び学校の設置者においては、消防法及び建築基準法に基づく法定点検等や、学校保健安全法及び同法施行規則に基づく毎学期の定期的な安全点検、臨時及び日常の安全点検を確実に実施いただくとともに、「学校における安全点検要領」等を活用しながら、関係者が連携した効果的・効率的な安全点検体制の確立を図り、学校における事故の防止に努めていただき、避難訓練の実施や「危機管理マニュアル」の点検・改訂等により児童生徒等の安全が確保されるよう、対応の徹底をお願いいたします。また、必要に応じて消防部局又は地域の消防署と連携した対応をお願いいたします。
本件については、国公私立学校を問わず対応いただくことが必要です。
このことについて、各都道府県・指定都市教育委員会にあっては所管の学校並びに域内の市区町村教育委員会に対して、各都道府県私立学校所管部課にあっては所轄の学校法人に対して、各文部科学大臣所轄学校法人担当部課にあっては設置する学校に対して、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当部課にあっては所轄の学校設置会社及び学校に対して、各国立大学法人担当部課にあっては設置する附属学校に対して周知いただくとともに、適切な対応をお願いいたします。
なお、本通知の内容については、総務省消防庁及び国土交通省住宅局とあらかじめ協議済であることを申し添えます。
記
1.施設・設備の点検の徹底について
学校の施設設備の点検については、消防法に基づく法定点検として、消防用設備等の種類に応じ、6か月に1回の機器点検及び1年に1回の総合点検の実施について定められています。消防法令に基づき、この法定点検により把握した不備事項は確実に改修する必要があります。
また、建築基準法において、国、都道府県又は建築主事を置く市町村等が所有又は管理する学校の敷地、構造及び特定建築設備等について、定期的に点検等することが定められています。
加えて、学校保健安全法及び同法施行規則においても、学校に対して児童生徒等が通常使用する施設設備の毎学期1回以上の定期的な安全点検の実施について義務付けており、また、臨時及び日常の安全点検の実施についても定めているところです。
ついては、今後、これらの点検時期を迎える学校においては遺漏なく実施いただくとともに、今年度既に実施済みの学校においても、学校保健安全法及び同法施行規則に基づく臨時の安全点検の実施を御検討いただくようお願いいたします。
また、学校における安全点検の実施にあたっては、文部科学省において、質の高い実効性のある安全点検を実施するための参考となるよう「学校における安全点検要領」(令和6年3月)を示しているほか、「効果的に安全点検を推進するためのノウハウ集」(令和7年3月)を示しているところです。これらの中で、火災への対応として防火用水、消火器、消火栓、防火シャッター、防火用扉などの作動性の確認や、避難器具の点検、適正な避難経路の確保等を含めた安全管理の取組を示しておりますので御参照ください。なお、防火シャッターの点検については、閉鎖作動時の危害防止の観点から、別紙4も参照して適切な対応をお願いします。
2.防火管理の徹底、避難訓練等の実施及び実効性の確保について
学校においては、消防法に基づく消防計画を策定し、防火管理者を中心として、日常的な火気管理、避難管理及び設備の維持管理等の防火管理を適切に行うとともに、火災等の災害発生時における適切な初動対応及び円滑な避難行動を確保するため、消火、通報及び避難の訓練を定期的に実施することが求められています。当該消防計画の内容について改めて確認を行うとともに、必要に応じて見直しを図り、平時からの火災予防を徹底してください。
また、避難訓練等の実施に当たっては、文部科学省が示す「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(平成30年2月)及び「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」(令和3年6月)の趣旨も踏まえ、実践的な内容とするとともに、避難訓練の機会を活用し、教職員も含めて以下の点を確認・共有することが重要です。
・自動火災報知設備作動時の初動対応方法
・消火器や消火栓等の消火設備及び救助袋等の避難設備の設置場所や使用方法
これにより、緊急時に迅速かつ適切な対応が可能となるよう体制の強化を図っていただくようお願いします。
3.火災事故発生時の対応について
火災事故が発生した場合には、被害の拡大防止のため、迅速かつ適切な対応が求められることから、平時より対応手順を明確にしておく必要があります。
「学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン」では、消防計画のうち、火災発生の初期段階に取るべき対応については、簡潔・具体的なフローの形で整理することなど、いざというときに使えるよう求めております。学校保健安全法第29条第1項に基づき各学校での作成が義務付けられている「危機管理マニュアル」の記載内容を改めて点検し、事故発生時の対応手順が明確に示されているか確認のうえ、必要に応じて改定等を行っていただくようお願いします。
あわせて、学校保健安全法第29条第2項では、校長は、「危機管理マニュアル」の職員に対する周知、訓練の実施その他の危険等発生時において職員が適切に対処するために必要な措置を講じるものとすると定められていることから、「危機管理マニュアル」に即した必要な対応が確実に行われるよう、教職員間で改めて十分な共通認識を図っていただくようお願いします。
○ 効果的に安全点検を推進するためのノウハウ集(令和7年3月公開)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/anzentenken/data/anzentenken-knowhow.pdf

○ 学校における安全点検要領(令和6年3月公開)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/anzentenken/index.html

○ 安全点検方法等の解説動画シリーズ(令和6年3月公開)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/anzentenken/index-mv.html

○ 学校の「危機管理マニュアル」等の評価・見直しガイドライン(令和3年6月公開)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/kikikanri/kikikanri-all.pdf

○ 学校の危機管理マニュアル作成の手引(平成30年2月公開)
https://anzenkyouiku.mext.go.jp/mextshiryou/data/aratanakikijisyou_all.pdf

○ 子供たちの安全を守るために―学校設置者のための維持管理手引―(平成28年3月)
https://www.mext.go.jp/content/20201124-mxt_sisetuki-100001965_1.pdf
