事務連絡
令和7年6月3日
各都道府県・指定都市・中核市保育主管課
各都道府県・指定都市・中核市児童福祉主管課
各都道府県・指定都市・中核市認定こども園担当課
各都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市認可外保育施設担当課
各都道府県・指定都市・中核市放課後児童クラブ担当課
各都道府県・指定都市・中核市児童館担当課
各都道府県・指定都市・中核市子育て短期支援事業担当課
各都道府県・指定都市・中核市子育て世帯訪問支援事業担当課
各都道府県・指定都市・中核市児童育成支援拠点事業担当課 御中
各都道府県・指定都市・中核市地域子育て支援拠点事業担当課
各都道府県・指定都市・中核市子育て援助活動支援事業
(ファミリー・サポート・センター事業)担当課
各都道府県・指定都市・中核市障害児支援主管課
各都道府県・指定都市・中核市乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)担当課
各都道府県・市町村・特別区母子保健主管部(局)
各都道府県・指定都市教育委員会学校安全担当課
各都道府県私立学校主管課
附属学校を置く各国立大学法人担当課
こども家庭庁成育局安全対策課
こども家庭庁成育局保育政策課
こども家庭庁成育局保育政策課認可外保育施設担当室
こども家庭庁成育局成育基盤企画課
こども家庭庁成育局成育環境課
こども家庭庁成育局母子保健課
こども家庭庁支援局障害児支援課
文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課
消費者庁消費者安全課
教育・保育施設等におけるプール活動・水遊びの事故防止及び熱中症事故の防止について
平素から重大事故の防止について、御理解・御協力いただき、ありがとうございます。
夏季は、プール活動・水遊びの機会が増加する時期であり、水に関する重大事故の発生が懸念されます。
教育・保育施設等における事故防止については、平成28年3月31日に発出した「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)において示しておりますが、ガイドラインが対象として念頭に置いている施設・事業を含めた各施設等(※)におけるプール活動・水遊びの開始時期に合わせて、ガイドライン(施設・事業者向け)中の注意すべきポイント等の記載事項を改めて確認し、事故防止対策を徹底していく必要があります。
また、これからは気温の高い日が続くと予想されることから、熱中症事故の発生も懸念されますので、送迎用バス等への置き去り事案をはじめとした熱中症による重大事故の防止についても、対策を講じていくことが重要です。
以上のことから、各地方公共団体等におかれましては、下記のとおりプール活動・水遊びの事故防止及び熱中症事故を防止するために必要な対策について、改めて各施設等に周知していただくとともに、各施設等において必要な取組が確実に実施されるよう、適切に指導いただくようお願いします。
※ 本事務連絡が対象とする「各施設等」とは、以下を指します。
認定こども園、幼稚園、保育所、地域型保育事業、認可外保育施設、放課後児童クラブ、児童館、子育て短期支援事業、子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業、地域子育て支援拠点事業、ファミリー・サポート・センター事業、乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)、産後ケア事業、障害児支援事業
記
1.プール活動・水遊びの事故防止
(1)監視体制の確保
プール活動・水遊びを行う場合は、監視体制の空白が生じないように専ら監視を行う者とプール指導等を行う者を分けて配置し、また、その役割分担を明確にすること。
(2)職員への事前教育
事故を未然に防止するため、プール活動に関わる職員に対して、こどものプール活動・水遊びの監視を行う際に見落としがちなリスクや注意すべきポイントについて事前教育を十分に行うこと。
(3)緊急事態の対応等
施設・事業者は、職員等に対し、心肺蘇生法をはじめとした応急手当等及び119番通報を含めた緊急事態への対応について教育の場を設け、緊急時の体制を整理し共有しておくとともに、緊急時にこれらの知識や技術を活用することができるように日常において実践的な訓練を行うこと。
「プール活動・水遊びの際に注意すべきポイント」※ガイドライン2ページ
〇 監視者は監視に専念する。
〇 監視エリア全域をくまなく監視する。
〇 動かないこどもや不自然な動きをしているこどもを見つける。
〇 規則的に目線を動かしながら監視する。
〇 十分な監視体制の確保ができない場合については、プール活動の中止も選択肢とする。
〇 時間的余裕をもってプール活動を行う。 等
2.熱中症事故の防止
(1)送迎用バス等での置き去り事故の絶無
こどもが送迎用バス等に置き去りにされた場合、命の危険に関わる熱中症事故のリスクが極めて高く、関係府省令等により、
・ 送迎用バスの運行に限らず、自動車への乗降車の際に点呼等の方法でこどもの所在を確認すること
・ 送迎用バスへの安全装置の装備及び当該装置を用いてこどもの降車の際に所在を確認すること
が義務化されていることを踏まえ、こどもの所在確認を徹底し、置き去り事故防止に万全を期すこと。
なお、安全装置はあくまでヒューマンエラーを補完するものであることを踏まえ、「こどものバス送迎・安全徹底マニュアル」等を活用し、こどもの乗り降りの際、職員による点呼やこどもの顔を目視する等の方法により、置き去りを防ぐための所在確認を確実に実施すること。
(2)熱中症の予防対策
ア 環境の整備等
熱中症事故は、命に関わる危険があるが、適切な環境の整備等を行うことで予防が可能であるため、以下のような点に留意すること。
〇 暑くなる前から暑熱順化(体を暑さに徐々に慣らしていくこと)を適切に取り入れること。
〇 身体を動かして遊んだり、施設の外に出掛けたりする時は、活動前に適切な水分補給を行うこと。
〇 必要に応じて水分や塩分の補給ができる環境を整えるほか、こまめな休憩をとること。
〇 活動終了後も水分補給を行うこと。
〇 熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、衣服を緩める、早期の水分・塩分補給、体温の冷却、病院への搬送等適切な処置を行うこと。
イ 各種活動実施に関する判断
熱中症事故の防止のためには、暑熱環境において各種活動を中止することを想定し、その判断基準と判断者及び伝達方法を、各施設等における危機管理マニュアルなどにおいてあらかじめ具体的に定め、職員間で共通認識としておくことが有効であり、熱中症の危険性を判断する基準としては、暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)を用いることが考えられる。
暑さ指数は、環境省の「熱中症予防情報サイト」で地域ごとの実況値・予測値を確認できる。
また、同サイトでは、「熱中症警戒アラート(熱中症の危険性が極めて高くなると予測される際(暑さ指数が33を超える場合)に発令)」及び「熱中症特別警戒アラート(熱中症による人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある際(暑さ指数が35を超える場合)に発令)」等も確認することができる。
なお、域内の暑さ指数の実況値・予測値、熱中症警戒アラート・熱中症特別警戒アラートの発表の有無にかかわらず、実際に活動する場所における熱中症の危険度を、暑さ指数等を活用して把握し、適切な熱中症予防を行うことが重要であることに十分留意すること。
ウ こどもに対する声掛け
熱中症事故の防止に関して、こどもが自ら体調を意識し、必要な時には人に伝えられるように、以下のような事項を発達段階等に応じて適切に促すこと。
〇 帽子を着用するなどして日差しを遮ること、通気性の良い服を着用すること。
〇 喉が渇く前に、こまめに水分を補給し休憩をとること。
〇 体調がいつもと違うと感じた時には、すぐに職員に伝えること(発達段階等によって、伝え方が様々であることに留意すること。)。
3.参考事項
プール活動・水遊びの事故防止及び熱中症事故の防止については、別添「こどもの重大な事故を防ぐためのポイント(みずあそび、応急処置)」(令和5年度子ども・子育て支援調査研究事業、発行:PwCコンサルティング合同会社)のほか、参考となる資料を以下のとおり示しているので、各施設等の実状に応じた資料を活用して、事故防止に努めること。
〇プール活動・水遊びの事故防止
〇熱中症事故の防止
安全教育推進室 学校安全係 03-5253-4111(内線2966)