事務連絡
令和5年11月30日
各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課
各都道府県私立学校主管課
附属学校を置く各国立大学法人担当課
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を
受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課
各文部科学大臣所轄学校法人担当課 御中
各都道府県教育委員会専修学校主管課
専修学校を置く各国立大学法人担当課
厚生労働省医政局医療経営支援課
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課
各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課
文部科学省総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課
自動体外式除細動器(AED)の適切な管理等について
厚生労働省より、「自動体外式除細動器(AED)の適切な管理等の実施について」及び「自動体外式除細動器(AED)設置登録情報の適切な更新等について」について、再周知依頼がありました。(別添1、2のとおり)
この内容について、参考資料1のとおり、ポイントをまとめています。各学校等及び学校等設置者におかれては一読いただき、自治体等における実態を踏まえつつ、定期的な安全点検等の中で適宜確認いただく等、遺漏なきよう対応願います。
なお、自動体外式除細動器(以下、「AED」という。)の使用も含め、学校等の管理下において事故等が発生した際、学校及び学校の設置者は、児童生徒等の生命と健康を最優先に迅速かつ適切な対応を行うことが重要であり、組織として機動的に対応できる体制を整えておくことが必要です。
このことについて、改めてポイントを下記のとおりまとめていますので、傷病者を発見した場合に躊躇せず迅速かつ適当な手当ができるよう、今一度体制や構成員の理解等について確認していただくとともに、その充実を図っていただくようお願いします。
各都道府県・指定都市教育委員会におかれては、所管の学校(専修学校を含む。以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会に対し、各都道府県私立学校主管課におかれては、所轄の学校法人及び学校に対し、各国立大学法人担当課におかれては、所管の附属学校に対し、構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては、所轄の学校設置会社及び学校に対し、各文部科学大臣所轄学校法人担当課におかれては、設置する学校に対して、厚生労働省の専修学校主管課におかれては、所管の専修学校に対し、各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課におかれては、域内の市区町村認定こども園主管課及び所轄の認定こども園に対して、周知されるようお願いします。
その際、学校における働き方改革の観点から、周知の範囲及び方法については、全ての学校に一律に通知する以外にも、例えば、他の案件とまとめて周知する、教育委員会主催の教員研修の場で配付する等、貴課において必要に応じて適切に判断いただきますようお願いします。
記
1.事故等発生時の対処・救急及び緊急連絡体制の整備について
事故等による傷病者を発見した際には、第一発見者は、被害児童生徒等の症状を確認し、近くにいる教職員や児童生徒等に応援を要請するとともに、被害児童生徒等の状況に応じて、速やかに止血、心肺蘇生などの応急手当を行い、症状が重篤にならないようにすることが大切です。
こうした基本的な対応については、危機管理マニュアル等において、参考資料2のように、1枚のフロー図にして簡潔・具体的にまとめておくことが効果的です。その際には、特に以下のような点を明確に記載しておくことが望まれます。
・ 発見者の役割(状況把握、症状確認、応急手当、協力要請・指示等)
・ 救命処置の優先(管理職への報告よりも優先する)
・ 複数の教職員等による対応(応急手当、救急車要請、AED使用、保護者への連絡、周囲の児童生徒等の管理、救急隊の誘導、状況の記録等)
・ 119番、110番の通報について必ずしも管理職による必要はないこと
・ 校内の情報共有の流れ、学校設置者等、学校医への連絡
2.一次救命処置(BLS)について
傷病者の状況によっては、救急車が到着するまでの間、その場で心肺蘇生等の一次救命処置を行うことが必要です。その手順については、参考資料3のとおり、日本蘇生協議会(JRC)の「JRC蘇生ガイドライン2020」において簡潔なフロー図が示されていますので、教職員等がいざというときに躊躇せず活用できるよう、危機管理マニュアル等に引用して盛り込んでおくこととともに、消防等と連携し、日頃から訓練を行っておくことが重要です。
呼びかけても反応がないなど心停止が疑われる場合(心停止なのか判断に迷う場合も含む)には、躊躇せず一次救命処置を行う必要があります。心停止ではない傷病者に胸骨圧迫を行ったとしても重大な障害が生じることはないとされています。
また、突然の心停止直後にはしゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸がみられることもあります。これは「死戦期呼吸」と呼ばれるもので、普段通りの呼吸ではなく、ただちに胸骨圧迫を開始する必要があります。
AEDが到着したら、電源を入れ、AEDの指示に従って操作します。特定の教職員等のみではなく全構成員が、AEDの設置場所を把握するとともに操作法について理解を深めておくことが重要です。
こういった対応を、救急隊に引き継ぐまで、あるいは、傷病者に普段通りの呼吸や目的のある仕草が認められるまで続ける必要があります。
なお、119番通報をすると消防の通信指令員から電話口で指示や指導が受けられるので、状況によっては電話のハンズフリーモードを活用しつつ指示を仰ぐとともに、救助にあたる者でその内容を共有することも有効であることに留意してください。
安全教育推進室 学校安全係