熱中症対策の一層の強化について(協力依頼)

事務連絡
令和5年6月26日

各都道府県・指定都市教育委員会学校安全主管課
各都道府県私立学校主管課
附属学校を置く各国公立大学法人担当課
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課  御中
各文部科学大臣所轄学校法人担当課
各国公私立高等専門学校担当課
各都道府県教育委員会専修学校主管課
専修学校を置く各国立大学法人担当課
厚生労働省医政局医療経営支援課
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課
各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課

内閣官房孤独・孤立対策担当室
内閣府政策統括官(防災担当)付
参事官(普及啓発・連携担当)
こども家庭庁成育局安全対策課
消防庁救急企画室
文部科学省総合教育政策局
男女共同参画共生社会学習・安全課安全教育推進室
スポーツ庁健康スポーツ課
厚生労働省健康局健康課
厚生労働省労働基準局
安全衛生部労働衛生課
農林水産省農産局農産政策部
技術普及課生産資材対策室
経済産業省大臣官房総務課
危機管理・災害対策室
国土交通省総合政策局環境政策課
観光庁旅行業務適正化指導室
気象庁大気海洋部業務課
環境省大臣官房環境保健部環境安全課
環境省地球環境局総務課
気候変動適応室

 

熱中症対策の一層の 強化について(協力依頼)


 平素より熱中症対策の推進につきましては、格別の御協力をいただき厚く御礼申し上げます。
 
 熱中症については、気候変動の影響により、国内の死亡者数は増加傾向が続いており、近年では年間 1,000 人を超える年が頻発しています。また、地球温暖化が進行すれば、極端な高温リスクも増加することが見込まれ、熱中症による被害が更に拡大するおそれがあり、熱中症対策の強化は急務となっています。こうした背景を踏まえ、政府は、熱中症対策の一層の強化を図るため、「気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律」(以下「改正気候変動適応法」という。)を第211 回国会に提出し、令和5年4月28日に成立したところです(令和5年5月12日公布)。
 熱中症対策を強化するためには、住民への声かけといった直接的な働きかけや対策が有効であり、地方公共団体をはじめ地域の取組が極めて重要です。改正気候変動適応法では、各地方公共団体を含めた地域における熱中症対策強化のための規定が盛り込まれています。また、併せて、今後の政府における計画として「熱中症対策実行計画」を取りまとめたところです(令和5年5月30日閣議決定)。
 改正気候変動適応法の全面施行は令和6年春頃としているところですが、各地方公共団体におかれましては、同法の施行に向けた準備に当たり、下記に御留意いただきますようお願いします。

 各都道府県・指定都市教育委員会におかれては、所管の学校(専修学校を含む。以下同じ。)及び域内の市区町村教育委員会に対し、各都道府県私立学校主管課におかれては、所轄の学校法人及び学校に対し、各国公立大学担当課におかれては、所管の附属学校に対し、構造改革特別区域法(平成14 年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課におかれては、所轄の学校設置会社及び学校に対し、各文部科学大臣所轄学校法人担当課におかれては、設置する学校に対して、厚生労働省の専修学校主管課におかれては、所管の専修学校に対し、各都道府県・指定都市・中核市認定こども園主管課におかれては、域内の市区町村認定こども園主管課及び所轄の認定こども園に対して、周知されるようお願いします。
 

1.改正気候変動適応法の概要等

改正気候変動適応法の背景・概要、施行日及び同法に基づく熱中症対策実行計画の概要は(1)から(3)です。その趣旨・目的に御理解いただき域内における熱中症対策の強化を推進していただきますようお願いします。


 (1)改正気候変動適応法の背景・概要について

  • これまで、関係府省庁や地方公共団体等において熱中症対策の普及啓発等に取り組んできましたが、熱中症による死亡者数は増加傾向が続いており、近年は、年間 1,000 人を超える年が頻発しています。
  • 「熱中症警戒アラート」(本格実施は令和3年から)の運用も開始されていますが、熱中症予防の必要性はいまだ国民には十分に浸透していません。今後、地球温暖化が進めば、極端な高温の発生リスクも増加すると見込まれる中、より積極的な熱中症対策を進める必要があります。
  • こうした背景を踏まえ、改正気候変動適応法が制定され、同法においては、熱中症対策実行計画の策定、熱中症特別警戒情報の発表、指定暑熱避難施設・熱中症対策普及団体の指定等の新たな制度が創設されました(参考1参照)。これらに関する地方公共団体に係る主な事務は次の通りです。

【熱中症特別警戒情報の発表に関する事務】※改正後の気候変動適応法第19 条

  • 都道府県知事は、環境大臣から熱中症特別警戒情報の通知を受けたときは、市区町村長にその旨を通知しなければならない。
  • 市区町村長は当該通知に係る事項を住民等へ伝達しなければならない。

【指定暑熱避難施設の指定に関する事務】※改正後の気候変動適応法第21条

  • 市区町村長は、熱中症による人の健康に係る被害の発生を防止するため、市区町村内の冷房設備を有する施設を 指定暑熱避難施設として指定することができる。
  • 市区町村長は、指定暑熱避難施設を指定したとき等においては、指定暑熱避難施設の名称、所在地、開放可能日及び受入れ可能人数を公表しなければならない。

 【熱中症対策普及団体の指定に関する事務】※改正後の気候変動適応法第23条

  • 市区町村長は、NPO法人等の民間団体であって、熱中症対策について住民等へ普及啓発や必要な助言を行う者を、熱中症対策普及団体として指定することができる。

 
(2)改正気候変動適応法の施行について
○施行日
・熱中症対策実行計画に関する規定:令和5年6月1日施行
・全面施行(※)                      :令和6年春頃
※熱中症警戒情報、熱中症特別警戒情報、指定暑熱避難施設、熱中症対策普及団体等に関する規定
○施行までの今後の予定
・6月以降  熱中症対策推進検討会等での基準検討(熱中症警戒情報、熱中症特別警戒情報、指定暑熱避難施設等に関する基準(環境省令事項)の検討)
・秋頃       改正気候変動適応法等に関する説明会の開催
・秋以降      熱中症警戒情報等の基準に関する環境省令の公布
 
(3)熱中症対策実行計画の策定について

政府においては令和5年5月30日、熱中症による死亡者を現状から半減するとの目標や地方公共団体、事業者等の基本的役割等を規定した熱中症対策実行計画を取りまとめました。本計画では、地方公共団体や地域の関係主体における対策について盛り込んでいます(詳細は以下2(2)及び参考2参照)。

 

2.地方公共団体における庁内体制・連携強化等

 (1)熱中症対策強化のための庁内体制の確立

  • 地球温暖化の進行に伴い、極端な高温等が起こる頻度と強度が増加すると予測される中、海外では高緯度地域においても熱波が発生し、甚大な健康被害が発生していることや、熱 中症は住民の健康と命に関わるものであり、地域ごとの取組の偏在をなくす必要があるこ とから、寒冷地を含む全ての地域において熱中症対策の強化が求められています。
  • 熱中症対策を強化していくためには、住民への直接的な働きかけ等が有効です。こうした取組の推進に当たっては、地方公共団体等地域の主体の関与が必要であることから、熱中症対策実行計画の中で、地方公共団体の基本的役割を定めました(熱中症対策実行計画第1章3(2)「地方公共団体の基本的役割」)。
  • 各地域の対策を強化するためには、地方公共団体における庁内体制の整備が必要です。熱中症対策は地方公共団体内の多くの関係部署にまたがることから、首長の主導の下、各部局それぞれの役割を明確にし、連携・協力する庁内体制の整備が不可欠です。組織の在り方等は地方公共団体それぞれ状況が異なりますが、熱中症特別警戒情報、指定暑熱避難施設、熱中症対策普及団体等に関する新たな制度を有効に機能させるため、各地方公共団体の実情を踏まえ、庁内の取りまとめの部局を定める等、関係部局がそれぞれ主体的かつ積極的に情報共有や対策の連携等を図るべく取組を進めていただくようお願いします(参考3参照)。

 
(2)全ての関係部局の取組の推進

  • 地域における熱中症対策は、一部の部局のみならず、地方公共団体内の多くの部局が連携して対策を進めていくことが必要です。熱中症対策実行計画においては、関係部局に関する事項を以下のように盛り込んでいるところです。

・高齢者等の熱中症弱者への対策として、福祉等関係団体や孤独・孤立対策に取り組む関係団体による呼びかけ(孤独・孤立対策、高齢者福祉関係)
・災害時の避難所等における熱中症対策(防災関係)
・保育園、幼稚園等での対策(こども・保育、教育関係)
・熱中症による救急搬送人員に関する事項(消防関係)
・学校における熱中症対策(教育関係)
・スポーツ時における熱中症対策(スポーツ関係)
・熱中症診療等に関する事項(保健医療関係)
・熱中症普及啓発等に関する事項(福祉、環境関係)

・労働者に関する熱中症対策(労働関係)
・農業者に関する熱中症対策(農業関係)
・産業界との連携に関する事項(産業関係)
・建設業界、まちづくりに関する事項(建設関係)
・観光に関する事項(観光関係)
・気候変動適応に関する事項(環境関係)

 
(3)改正気候変動適応法の全面施行に向けた準備

  • 上記1(1)に記載した熱中症警戒情報等については、令和6年春頃に全面施行を予定しているところであり、当該事務の施行に当たっては、各地方公共団体において、事前の準備が必要となります。
  • 熱中症特別警戒情報については、都道府県や市区町村は、それぞれ通知や伝達を行うこととなるため、庁内の体制整備が必要です。また、指定暑熱避難施設や熱中症対策普及団体については「指定できる」とする任意の制度ですが、地域の熱中症対策の強化のために効果的な制度であるため、指定に向けた検討や準備を進めていただきたいと考えます。
  • 熱中症特別警戒情報等の新たな制度への対応については、来年の全面施行に向け、現在、政府において専門家からなる熱中症対策推進検討会にて検討中です。詳細は、今後、随時情報共有を行っていく予定ですが、各地方公共団体におかれましては、改正気候変動適応法の全面施行に向けて、当該新たな事務の対応に向けた準備の検討を進めていただくようお願いします。

 

3.熱中症予防強化キャンぺーンへの協力願い

  • 政府は、熱中症対策実行計画に記載のとおり、効果的な普及啓発の実施として、関係府省庁の連携強化の下「熱中症予防強化キャンペーン」を4月~9月の期間で実施することとしています(令和5年は5月末から実施)。
  • 本年も、時季に応じた適切な熱中症予防行動の呼びかけを行っておりますので、各地方公共団体におかれましても御協力をお願いします。
  • 具体的には、夏本番に備え、暑さに体を慣れさせる暑熱順化やエアコンの早期点検等の呼びかけ、梅雨明け後は特に熱中症のリスクが高いこと等について、既に配布しているポスターや関係府省庁にて作成したリーフレットを活用いただく等、地方公共団体においても住民(特に高齢者等熱中症弱者)に対し、熱中症予防行動等の呼びかけをお願いします(参考4参照)。

 
4.気候変動適応計画の一部変更

 今般、改正気候変動適応法に基づき、熱中症対策実行計画の基本的事項を定める等の一部変更を行いました(参考2参照)。
 

参考資料

お問合せ先

総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課

安全教育推進室 学校安全係
 

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