令和4年9月1日
文部科学省では、令和4年度宇宙航空科学技術推進委託費について、公募及び所要の審査を経て採択課題を決定しましたので、お知らせいたします。 |
宇宙航空科学技術推進委託費では、宇宙航空利用を新たな分野で進めるにあたって端緒となる技術的課題にチャレンジする研究開発、宇宙航空開発利用の発展を支える人材育成等を実施してきました。令和2年6月に閣議決定された宇宙基本計画においては、これらの取組が引き続き必要であるとされたことに加え、人文・社会科学系の高度な知識を有する人材の発掘と育成を進めることとされました。加えて、令和3年12月に宇宙開発戦略本部にて決定された「宇宙基本計画工程表」では、「航空宇宙分野の人材育成に加え、人文・社会科学やAI・デジタル技術等の高度な知見を有する人材の宇宙分野との連携等を強化し、各大学や高専等での人材育成基盤・拠点構築を進める」とされています。これを踏まえ、昨年度から「『人文社会×宇宙』分野越境人材創造プログラム」、本年度から「『AI・デジタル化×宇宙』技術革新人材育成プログラム」をそれぞれ新設し、5つのプログラムにおいて、宇宙航空開発利用の新たな可能性を開拓するための取組を行い、さらに裾野を拡大することを目的としています。
科学技術に関心のある大学院生、大学生、高等専門学校生等(主に医理工系等)の学生を主な対象として、衛星、ロケット、航空機等の関連技術や宇宙航空を巡る国際関係、関連施策等における実践的な取組を通じて、宇宙航空に関する広範囲かつ高い専門性を有する次世代人材の育成を目指す。
航空機の水素燃料・電動技術や機体軽量化・効率化技術の開発・高度化の促進といった、宇宙航空分野における脱炭素化や、衛星から得られたデータの活用といった宇宙航空科学技術と異分野シーズ・ニーズとのマッチングによる新たな宇宙航空開発利用の可能性の開拓を通じて、将来的なカーボンニュートラルの実現に向けて新たな価値の創出・提供を目指す。
宇宙における探査活動において、月を目指す各国の動きが活発化している背景を踏まえ、我が国が強みとする地球低軌道の超小型衛星開発等で培われた大学等の技術を活用し、月探査に必要な超小型探査機等の基盤技術の開発や分野間での共有・利用を促進する。
宇宙開発利用の領域が拡大し、理工学領域のみならず、人文・社会科学領域の観点での宇宙活動が求められる中、将来の宇宙分野の裾野拡大や我が国のプレゼンス強化を目的とし、国際的な宇宙活動ルールの形成等を牽引すべく、人文・社会科学系の高度な知見を宇宙分野に応用するための人材育成基盤を構築する。
我が国の宇宙活動の自立性確保及び国際競争力強化のためには、宇宙輸送や衛星コンステレーション等の今後発展が見込まれる国際的な民間市場において、価格競争力を有する将来輸送システム・衛星の開発や、衛星データ等の更なる利用拡大を推進する必要がある。このためには、大量のデータの解析によって新しい知見の発見をもたらし得るAI技術や、フレキシブルな安全試験システムによる様々な仕様要求への対応や開発工数の削減等を念頭に、宇宙輸送システムや衛星の開発・運用プロセスを刷新するデジタル化技術など、最新のICT技術・情報分野の高度な知見を宇宙分野に活用できる人材の育成が急務である。このため、大学等の情報系と宇宙系の学科・専攻が連携した分野横断型の教育プログラムや宇宙企業との共同研究機会等を通じた人材育成基盤を構築する。
公募実施期間:令和4年2月22日(火曜日)~令和4年4月22日(金曜日)
提案件数:26件(うち宇宙航空人材育成プログラム7件、宇宙航空脱炭素技術等創出プログラム6件、宇宙探査基盤技術高度化プログラム4件、「人文社会×宇宙」分野越境人材創造プログラム3件、「AI・デジタル化×宇宙」技術革新人材育成プログラム6件)
外部有識者(別紙1)から構成される審査評価会での審査結果を踏まえ、採択課題(別紙2)を決定しました。
電話番号:03-5253-4111(内線4151)