「世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム」審査要領(案)

資料4

平成19年3月○(丸)日
世界トップレベル研究拠点プログラム委員会

「世界トップレベル国際研究拠点形成促進プログラム」の採択に当たっての審査は、この審査要領に従って行うこととする。

1.審査の基本方針

 世界トップレベルの研究者が是非そこで研究したいとして世界から多数集まってくるような、優れた研究環境と極めて高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指すという観点から、そのような拠点形成が確実に図られる可能性が高く、かつ研究達成目標等の研究内容も魅力的な構想を採択する。

2.審査の方法

(1)審査方法

 本プログラムの審査にあたっては、「世界トップレベル拠点プログラム審査委員会」(以下、「委員会」という。)を設置し、「書類審査」及び「ヒアリング審査」の2段階により実施する。委員会の定足数は委員の半数とし、議決は出席議員の過半数により決するものとする。

<審査の手順>

図 審査の手順

(2)書類審査の進め方

1.メールレビューの実施

  • 締切日までに提出のあった応募書類について、その拠点構想の分野、内容等を踏まえ、別添「メールレビューの実施について(仮称)」に基づき、複数名のレビュアを選定、それらのメールレビュアに応募書類一式を送付する。
  • メールレビュアは、審査要領及びメールレビュー採点表(別紙○(丸))に基づき、申請内容を評価の上、指定期日までに評価結果を事務局に返送する。

2.ヒアリング対象候補の選定

  • 締切日までに提出のあった応募書類について、委員会委員にその一式を事前に送付する。
  • 委員会にて、応募書類の内容及びメールレビュアによる評価結果を元に、合議によりヒアリング対象構想を10件程度選定。その際、ヒアリング対象としない構想については、不採択の理由についても併せて確認する。
  • ヒアリング対象となった構想については、事務局より、ヒアリングの日時・場所とともに、ヒアリングを行う旨の通知を行う。

(3)ヒアリング審査の進め方

1.ヒアリングの実施

  • ヒアリング実施の通知を行った後、適当な期間をおいて委員会を開催し、全体責任者及び拠点構想責任者等からヒアリングを実施する。
  • 応募書類以外でヒアリングに使用する資料については、事前(別途通知)に事務局に提出するものとする。ヒアリングの際は、締切りまでに提出のなかった資料の使用は禁止する。
  • ヒアリング資料については、委員会委員にその一式を事前に送付する。
  • ヒアリングは英語で行い、質疑応答についても、英語での対応を基本とする。また、ヒアリングに使用する資料についても全て英語で作成する。
     ※会議の場には、同時通訳を用意するが、全体責任者及び拠点構想責任者の発言等(説明、及び質問への回答など)は、すべて英語を基本とする。
  • 委員は、審査要領に基づき、各拠点構想毎にヒアリング採点表(別紙○(丸))に評価結果を記入する。ヒアリングの評価結果については、事務局にて集計し、取りまとめた後、委員会に報告する。

2 採択拠点の決定

  • 委員会は、ヒアリングの評価結果を踏まえ、合議による審議を経て、採択すべき構想を決定する。その際、不採択となった拠点構想については、不採択の理由についても併せて確認する。

3.審査に当たっての着眼点

(1)拠点構想についての評価(100点)

1.対象分野(10点)

  • 対象分野は、基礎研究分野であって、以下の分野の複数にまたがる融合領域となっているか。
     1)生命科学、2)化学、3)材料科学、4)電子・情報工学、5)精密・機械工学、6)物理学、7)数学
  • 対象分野は、10年間という比較的長い助成期間を越えて将来性が期待できるよう、ある程度の幅をもった骨太なものとなっているか。
  • 対象分野は、日本の優位性を十分発揮できるものとなっているか。

2.研究達成目標(10点)

  • 提示された研究達成目標は、国際競争にも耐えうる高水準のものとなっているか。
  • 提示された研究達成目標は、一般国民に判りやすいものとなっているか。
  • 提示された研究達成目標は、学問的・社会的意義が十分にあると認められるか。
  • 目標を達成するための研究活動面の具体的計画は、これまでの実績に照らし、適切なものとなっているか。

3.拠点を構成する研究者等(20点)

  • 拠点の規模は、公募要領の5.(3)1、2の要件に照らして適切なものとなっているか。
  • 外国人研究者の数は公募要領の5.(3)3に照らして適切なものとなっているか。
  • 「最終目標」を達成するための具体的計画(時期的なものを含む)は適切なものとなっているか。
  • 主任研究者が公募要領の5.(3)4の指標に照らして世界トップレベルといえるか。
  • サテライト的な機能を設けた他機関との連携など、拠点全体としての機能強化が図られているか。

4.運営(20点)

  • 研究者とは別に、優秀な研究者・職員のリクルートやシステム改革等拠点運営に常に意を用いる専任の拠点長がおかれることとなっているか。
  • 拠点長は、当該拠点の「顔」として、当該拠点の存在を世界にアピールすること、世界の優秀な研究者を招聘してくること等の重要な役目を果たす能力を持っているか。
  • 拠点長を事務管理面で強力に補佐し、研究者にとって研究に専念できる環境を常に提供しつづける役割を担う適切な事務部門が配置されているか。
  • 事務部門長として適切な者が配置されているか。
  • 当該拠点の管理運営は、拠点長を中心としたトップダウン的な意思決定方式となっているか。
  • 拠点長の選・解任の決定、主任研究者採用の承認等以外の事項は拠点長が実質的に意志決定を行い得る体制となっているか。

5.環境整備(20点)

  • 研究者が研究に専念できるよう、管理事務をサポートするために必要なスタッフ機能の充実が図られているか。
  • 事務スタッフ機能が、英語による職務遂行が可能となるよう整備されているか。
  • スタートアップのための研究資金の提供など、招へいした研究者が移籍当初、競争的資金の獲得に腐心することなく自らの研究を精力的に継続することが出来るような環境が整備されているか。
  • ポスドクの国際的公募がどの程度行われているか、または行われる予定となっているか。(少なくとも半数以上は、国際的公募による採用を行うことが求められる)。
  • 当該拠点内で、研究成果に関する厳格な評価システムと能力に応じた俸給システム(例えば年俸制等)が導入されているか。
  • 当該拠点の研究室、居室等の施設・設備環境は、「世界トップレベル拠点」としてふさわしいものが整備されているか。(拠点としての存在をアピールするためには、拠点に参画する研究者のが物理的に集まって研究活動を行うことのできる中核となる環境が整備されている必要がある。)
  • 世界トップレベルの研究者を集めた国際的な研究集会を定期的(少なくとも年に1回以上)に開催することとなっているか。
  • その他、研究者が、国際的かつ競争的な環境の下で快適に研究に専念できる環境を整えるための措置が講じられているか。

6.世界的レベルを評価するための指標等(10点)

  • 提示された評価指標・手法は、対象分野における世界的なレベルを評価する上で、十分に客観性を持ち、説得力のあるものとなっているか。
  • 上記評価指標・手法に基づいた当該拠点の現時点の評価が、適切であるとともに、本事業の実施による目標の達成を見込めるだけのレベルに達しているか。
  • 本事業により達成すべき目標が、世界トップレベルの研究拠点の名に相応しい高いレベルを目指したものとなっているか。

7.研究資金等の確保(10点)

  • 過去の実績を踏まえ、本プログラム以外の競争的資金等による研究資金等の確保が十分見込めるか。(例えば、想定している他の競争的資金等による研究費の獲得額の8割以上の実績があることが望ましい。)

(2)充当計画についての評価(20点)

  • 経費の内容は妥当であり、拠点構想を実現する上で必要不可欠なものとなっているか。

(3)ホスト機関からのコミットメントについての評価(30点)

  • ホスト機関全体の戦略の中に、当該拠点構想が明確に位置付けられているか。
  • 公募要領6.1に基づき、当該拠点の運営及び研究活動のため、本件プログラムからの支援額と同程度以上のリソースを確保するにあたり必要な支援を行うこととなっているか。
  • 拠点構想の実施に当たって必要な人事や予算執行等に関し、拠点長が実質的な判断が行える体制が整えられているか。
  • 拠点長に対し、ホスト機関内の研究者を集結させるために必要な支援を行うこととなっているか。
  • 当該拠点が、従来の運営方法にとらわれない手法(英語環境、能力に応じた俸給システム、トップダウン的な意思決定システム等)が導入できるよう、拠点内の制度の柔軟な運用等が保障され、またそれに必要な協力が約束されているか。
  • 当該拠点構想に必要なインフラ(施設(研究スペース等)、設備、土地等)の利用に関し十分な便宜が図られることとなっているか。
  • その他世界トップレベルの拠点を構築するための具体的な支援が約束されているか。

(4)総合評価(50点)

  • 拠点構想等全体を通じ、真の「世界トップレベル拠点」として世界トップレベル研究者を惹きつける構想となっているか。(30点)
  • 拠点構想等は、ホスト機関の他部局や他の研究機関が世界トップレベル研究拠点を構築する際のモデルとなりうる先導的なものとなっているか。(10点)
  • 本プログラムの実施期間が終了した後も、当該拠点が「世界トップレベル拠点」であり続けるための取組が期待できるか。(10点)

 要検討事項:配点等は適当か。

4.その他

(1)開示・公開等

  1. 審査の経過は、審査の円滑な遂行の観点から非公開とし、審査に用いる会議資料についても非公開とする。
  2. 審査結果については、拠点構想選定の後、ホームページへの掲載等により公開する。
  3. 選定に際し、審査委員会において、拠点構想等について改善のための意見が付された場合には、その旨の通知を行う。
  4. 応募書類において資格要件を欠くものについては、その内容を付して書面審査を行わなかった旨を通知する。
  5. 不採択の構想については、申請機関に対し、各審査委員の審査結果が特定されないように配慮した上で、その理由を付して結果を通知する。

(2)利害関係者の排除

 審査委員は、以下のいずれかに該当する場合は、速やかに申し出るとともに、当該案件の審査に参画することが出来ないものとする。具体的には、審査委員は、書面審査及びヒアリング審査において当該案件についての審査を行わないこととし、審査委員会において当該案件に関する個別審議の際は、退席し、議論や判断に加わらないこととする。

  • a)ホスト機関に専任又は兼任として在職(就任予定を含む。)する、又は過去3年以内に在職した者
  • b)拠点構想に参画する研究者と親族関係もしくはそれと同等の親密な個人的関係にある者
  • c)拠点構想に参画する研究者と密接な師弟関係にある者
  • d)当該構想の提案に向けた意思決定過程に、ホスト機関の関係者として関与する者
  • e)構想ごとに設置する評価委員会等の委員に就任する予定のある者
  • f)拠点構想に参画する研究者と緊密な共同研究を行う関係にある、又は3年以内にあった者(例えば、共同プロジェクトの遂行、共著研究論文の執筆もしくは同一目的の研究会メンバーにおいて緊密な関係にある者)
  • g)拠点構想の採否が直接的な利益につながるとみなされるおそれのある対立的な関係もしくは競争関係にある者
  • h)その他中立・公正に審査を行うことが困難であると判断される事由のある者

(3)秘密保持

  • 審査委員及びメールレビュアは、審査(メールレビューを含む)の過程で知ることができた個人情報及び審査内容に係る対象機関の情報について外部に漏らしてはならない。
  • 審査委員又はメールレビュアとして取得した情報(応募書類等各種資料を含む)は、他の情報と区別し、善良な管理者の注意義務をもって管理することとする。

お問合せ先

科学技術・学術政策局計画官付

(科学技術・学術政策局計画官付)

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