資料3
我が国の科学技術水準を向上させ、将来の発展の原動力であるイノベーションを連続的に起こしていくためには、その出発点である我が国の基礎研究機能を格段に高め、国際競争力を強化していく必要がある。そのためには、世界トップレベルの研究拠点を、従来の発想にとらわれることなく構築し、世界の頭脳が集い、優れた研究成果を生み出すとともに、優秀な人材を育む「場」を我が国に作っていく必要がある。
このような観点から、高いレベルの研究者を中核とした世界トップレベルの拠点形成を目指す構想に対し集中的な支援を行い、システム改革の導入等の自主的な取組を促すことにより、研究水準の一層の向上を図るとともに、第一線の研究者が是非そこで研究したいとして世界から多数集まってくるような、優れた研究環境と極めて高い研究水準を誇る「目に見える拠点」の形成を目指す。
大学、大学共同利用機関法人、文部科学省所管独立行政法人
5件程度
10年。ただし、特に優れた成果をあげているものについては更に5年間の延長を認める。
また、助成開始5年後に中間評価を実施し、計画の変更、中止等の見直しを行う。
対象とする拠点構想は、「人」を重視したものであって以下の内容のいずれをも満たすものとする(拠点構想の中で、これらを実現していくための手順、時期等について明示すること)。
現在、世界トップレベルの研究者グループが存在する基礎研究分野で、原則として以下の分野の複数にまたがる融合領域を対象とする。
論点:素粒子物理、免疫、数学等の扱いを含め、「対象分野」の考え方。
国民に対し拠点における研究の方向性を分かり易く説明するとの観点から、実施期間終了時(10年後)の研究達成目標を一般国民にも分かり易い形で明確に設定する。
「世界から目に見える拠点」とするためには、研究水準が高く、ある程度の規模を有する中核が物理的に集結していることが求められる。このため、他の国際的な研究拠点の例も踏まえつつ、以下の条件を満たすような中核をホスト機関内に構成する。
論点:数値目標の適否等。
論点:サテライトに対する考え方。
当該拠点を「世界トップレベル拠点」として維持・運営していくためには、優秀な研究者・職員のリクルートやシステム改革等拠点運営に常に意を用いる専任の拠点長及びそれを支える事務部門が必要である。このため、原則としてマネジャー(拠点長・事務部門)とプレーヤー(研究者)を分離することとし、マネジャーには研究内容にも十分な理解を有しマネッジメント能力に長けた者を登用することとする。特に、マネジャーの長たる拠点長には、当該拠点の「顔」として、当該拠点の存在を世界にアピールすること、世界の優秀な研究者を招聘してくること等が重要な役目となることを踏まえ、当該分野で名をなした著名でリーダーシップを発揮できる研究者を専任で迎えることが望ましい。また、拠点長を事務管理面で強力に補佐し、研究者にとって研究に専念できる環境を常に提供しつづける役割を担う事務部門長を配置する。
また、当該拠点の管理運営は、臨機応変で迅速な意志決定が行い得るよう、拠点長を中心としたものとすることとし、拠点長の最終的な選・解任、主任研究者採用の承認等以外の事項は拠点長が意志決定を行い得ることとする。
論点:運営の考え方(マネジャーとプレイヤーの分離、拠点長の要件等)。
世界から集まるトップレベルの研究者が、国際的かつ競争的な環境の下で快適に研究に専念できるようにするため、例えば、以下のような措置を講じる。
対象分野における世界的なレベルを評価するのに適当な評価指標・手法を提示する。また、当該評価指標・手法に基づき、助成開始時に他の世界的研究拠点との比較でどのようなレベルにあるかについての現状評価を示すとともに、本事業により達成すべき目標(「○○(まるまる)研究所、○○(まるまる)研究所・・・に次いで世界5位以内の拠点となる。」「○○(まるまる)研究所、○○(まるまる)研究所と並んで世界の3大拠点となる」等)を設定する。
注)評価指標・手法の適正さも採択の際の考慮項目とするとともに、事業の中間・事後評価にあたっては、提示された評価指標・手法に基づき、その達成度合いを厳正に評価する。
論点:評価指標・手法の考え方(含む例示)。
当該拠点の運営及びそこにおける研究活動のために、本件プログラムからの支援額と同程度以上のリソースを当該拠点に参加する研究者による競争的資金等の研究費の獲得、ホスト機関からの現物供与等の協力(拠点形成以前からホスト機関に所属していた研究者の人件費の供与、研究スペースの提供等)もしくは外部からの寄付等により確保する。
当該拠点が真に「世界トップレベル拠点」となるよう、ホスト機関は、当該拠点をホスト機関の中長期的な計画上に明確に位置づけた上で機関を挙げて全面的な支援を行う。
また、申請の際に以下の項目についてのホスト機関としてのコミットメントを具体的に明示する。
ホスト機関の長(学長、理事長等)は、研究グループのリーダーを中心に策定する「拠点構想」とともに、上記6に示すホスト機関からのコミットメントの具体的内容をとりまとめ、研究グループのリーダーとの連名で応募する。この際、研究グループのリーダー(拠点長が着任して以降は、拠点長)を「拠点構想」の実施に一義的な責任を有する「拠点構想責任者」とし、ホスト機関の長をホスト機関からのコミットメントの部分も含めた構想全体に責任を有する「全体責任者」(本件補助金は、ホスト機関に対する機関補助となるため、最終的な実施責任は「全体責任者」たるホスト機関の長が負う。)とする。「拠点構想」は、当該補助金による取組だけでなく、拠点、ホスト機関及び連携機関の独自の取組や実施期間終了後の取組も含めた、総合的かつ長期的な構想として策定することとする。
また、「拠点構想」において示した拠点運営に係る事項のうち、当該補助金の充当が適当と考える事項についての具体的な計画(以下、「充当計画」という。)についても、「拠点構想」とあわせて策定することとする。
なお、公募に当たり、ホスト機関ごとの応募件数を制限することは行わない。
(1)充当計画の実現に必要な経費は、補助金として文部科学省から支給する。なお、直接経費の30パーセントに相当する額を間接経費としてホスト機関に対し支給する。
(2)本プログラムにおいて使用できる費用の種類は、原則として別添1に示すものとする。
(3)当該補助金により充当する1拠点当たりの経費は、原則、年間5~20億円(間接経費を含む。拠点構想、実施年に応じ、充当する経費の規模は変動。各年度の最終的な補助額は予算確保の状況に応じて調整する。)とする。
(1)審査手順
文部科学省は、外国人有識者を含む外部有識者からなる委員会(「世界トップレベル研究拠点プログラム委員会」。以下、「プログラム委員会」という。)を設置し、提出された提案書類による書類審査並びに「拠点構想責任者」及び「全体責任者」からのヒアリングの二段階審査を経て選定する。
(2)選定に係る評価項目及び審査基準
(3)選定に当たっては、プログラム委員会等の意見を踏まえ、拠点構想、充当計画及びホスト機関からのコミットメント(以下、「拠点構想等」という。)についての改善のための意見を付すことがある。
(1)選定されたホスト機関は、9.(3)でいうプログラム委員会等の意見を踏まえ、拠点構想等を必要に応じ修正の上、文部科学省に提出する。なお、これらについては、検討の結果、更に意見を付すことがある。
(2)ホスト機関は、拠点構想等の実施状況についての独自の評価を行うため、外部有識者から構成される評価委員会を設置するとともに、中間評価年度、及び終了予定年度には当該委員会を開催し、第一線研究者が世界から集まって来ている状況や研究達成目標の達成度合を含め「目に見える拠点」の実現状況につき適切な評価を行った上で、その結果を文部科学省に報告する。文部科学省は、上記評価及びプログラム委員会の意見を踏まえ、当該拠点構想の継続の適否等を判断する。
(3)上記(2)のほか、ホスト機関は、毎年度、拠点構想等の進捗状況及び経費の使用実績に関する報告書を作成し、文部科学省に提出する。
(4)文部科学省は、プログラム委員会の下に有識者による構成される、各選定拠点ごとのワーキンググループを設置し、上記(3)の報告書の検討及びサイトヴィジット等を通じて、拠点構想等の進捗状況を確認する。仮にホスト機関によるコミットメントの部分を含め、10.(1)により提出された書類に照らし、拠点構想等の実施に不十分な部分が認められる場合には、文部科学省は全体責任者及び拠点構想責任者に対し改善を求める。
(5)本事業による成果については、国民・社会に対しての説明責任を果たす観点から、事後評価を実施した年度に開催される一般国民を対象とした成果発表会において発表する。
(6)拠点長の異動その他(別に示す)拠点構想の重要事項に変更の必要が生じた場合は、拠点構想責任者及び全体責任者は遅滞なく文部科学省に変更を申請する。文部科学省は必要に応じプログラム委員会に諮った上で、当該変更が上記9に示す審査基準を満たしていると認めるときは変更を承認する。
また、上記以外の事項について拠点構想等に変更が生じた場合には、拠点構想責任者及び全体責任者は遅滞なく文部科学省に報告する。
(1)提出書類は、別添2(PDF:361KB)の応募書類様式によるものとする。(正版は英語により作成し、一部様式については日本語版も添付。)
(2)提出部数、提出先については以下のとおり。
<提出部数>
<提出先>
(3)提出書類は、提出者の利益の維持、「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」その他の観点から、文部科学省及び(委託先機関)における審査等の資料とするが、それ以外の目的には使用せず、内容に関する秘密は厳守する(詳しくは下記URLを参照のこと)。
(4)提出書類の内容の一部については、後述の12.(3)の目的のための必要な範囲において他府省を含む他の競争的資金の担当者(独立行政法人を含む。)に情報提供を行うことがある。また、他の競争的資金制度における重複提案の確認を求められた際には、同様に情報提供を行うことがある。
本補助金は、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、」、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令」等に基づいた適切な経理等を行わなければならない。
本事業の経理については、他の経理と明確に区分し、その収入及び支出の内容を記載した帳簿を備え、その収入及び支出に関する証拠書類を整理し、並びにこれらの帳簿及び書類を当該取組が完了した年度の翌年から5年間保存することとする。
なお、設備備品等を購入した場合は、それらが国から交付された補助金により購入されたものであることを踏まえ、補助事業の期間内のみならず、補助事業の終了後においても、善良な管理者の注意をもって管理し、補助金交付の目的に従って、その効率的運用を図ることとする。
補助金の不正な使用等が認められた場合には、補助金の全部又は一部の返還を求めるとともに、不正な使用等を行った研究者は、以下の期間について、世界トップレベル研究拠点プログラムへの参画を制限する。
また、他府省を含む他の競争的資金担当課に当該不正使用等の概要を提供することにより、他府省を含む他の競争的資金担当課は、所管する競争的資金への申請及び参加を制限する場合がある。
(1)不正な使用等を行った場合は、補助金の返還が命じられた年度の翌年度以降2年間((2)の場合を除く)。
(2)不正な使用等を行い、本事業以外の用途への使用があった場合は、補助金の返還が命じられた翌年度以降2~5年間の間で、その内容等を勘案して相当と認められる期間
なお、研究費の不正使用防止に関する研究機関の取組については、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(平成19年2月15日 文部科学大臣決定)に基づき、管理・監査体制の整備、及びその実施状況の報告等を実施していただくとともに、体制整備等の状況に関する現地調査が行われる場合は当該調査にご協力いただくこととなりますのでご留意ください。
本拠点内での研究活動の不正行為(捏造、改ざん、盗用)が認められた研究者については、「研究活動への不正行為への対応のガイドラインについて(平成18年8月8日 科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会)」に基づき、本補助金の全部又は一部の返還を求めるとともに、以下の期間について、世界トップレベル拠点研究プログラムへの参画を制限する。
また、他府省を含む他の競争的資金担当課に当該不正行為等の概要を提供することにより、他府省を含む他の競争的資金担当課は、所管する競争的資金への申請及び参加を制限する場合がある。
(1)不正行為に関与した認定された者については、2~10年間の間で、その内容等を勘案して相当と認められる期間
(2)不正行為に関与したとまでは認定されないものの、当該行為について、一定の責任を負う者として認定された者については1~3年間の間でその内容等を勘案して相当と認められる期間
国又は独立行政法人が所管している他の競争的資金制度※注において、研究費の不正使用等又は研究活動の不正行為等により制限が行われた研究者については、他の競争的資金制度において応募資格が制限されている期間中、世界トップレベル研究拠点プログラムへの参画を制限する。
※注: 現在、具体的に対象となる制度については、以下のHPを参照。
また、平成19年度に新たに公募を開始する制度も含む。なお、平成18年度以前に終了した制度においても対象となることがある。
応募書類に記載した内容が虚偽であったり、関係法令・指針等に違反し、拠点構想を実施した場合には、「補助金の交付をしないこと」や、「補助金の交付を取り消すこと」がある。
申請時に、申請ホスト機関名、各機関ごとの申請数等を公表する予定。また、採択されたものについては、拠点構想責任者名、拠点構想の概要等についても公表する予定。
<問い合わせ先>
<スケジュール>
科学技術・学術政策局計画官付
-- 登録:平成21年以前 --