科学技術基本計画 第2章 重要政策 2.優れた成果の創出・活用のための科学技術システム改革 5.科学技術活動についての社会とのチャンネルの構築

 科学技術は、その意義や日常生活とのかかわりが国民により十分に理解されてこそ、長期的に発展し活用されていくものであり、科学技術の振興には国民の支持が欠かせない。科学技術は社会と共に歩むことが基本であり、科学技術に携わる者はこのことを心すべきである。
 他方、国民が科学技術について深く理解し、社会を巡る様々な課題について、科学的・合理的主体的な判断を行えるような環境の整備が必要である。

(1)科学技術に関する学習の振興

 科学技術に関する学習の振興により、国民の科学技術に対する興味・関心を育てるとともに、国民が深く科学技術を理解できるようにするため、更には優れた科学技術関係人材を養成するため、それらの基礎となる幅広い素養を培う。
 初等中等教育においては、子ども自らが知的好奇心や探求心を持って、科学技術に親しみ、目的意識を持ちながら観察、実験、体験学習を行うことにより、科学的に調べる能力、科学的なものの見方や考え方、科学技術の基本原理を体得できるようにする。このため、一層きめ細かな指導を充実するとともに、教員研修の充実、産業現場等におけるインターンシップや社会人講師の活用の促進、学校教育の情報化の推進、施設・設備の充実を図る。
 大学においては、自然科学系の分野を専門としない学生にも、科学技術に関する基礎知識とともにそれに基づく広い視野からの判断力を養えるよう、教育内容の充実を図る。
 幼児期から高齢者までの社会教育においても、高等教育機関や博物館・科学館等を活用して、科学技術の基本原理や新たな動向などについて興味深く学習できる機会の拡充とその内容・指導の充実を促す。

(2)社会とのチャンネルの構築

 科学技術の振興に当たっては、国民の理解増進に努める必要がある。このため、研究機関の公開や博物館・科学館等の機能の発揮を図るとともに、メディア等を通じて科学技術をわかりやすく伝える機会を拡充する。さらに、地域において、科学技術に関する事柄をわかりやすく解説するとともに、地域住民の科学技術に関する意見を科学技術に携わる者に伝達する役割を担う人材の養成・確保を促進する。
 さらに、研究者が、社会とのかかわりについて常に高い関心を持ちながら研究開発活動に取り組むとともに、社会的な課題への対応策について、科学技術に関する知識を基盤として積極的に提言できるよう、研修等を通じて、研究者自身の意識改革を図る必要がある。

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