新規課題に係る用語説明

本文で使用されている用語の解説

バリアフリープロセシング

 従来のプロセス材料が持っている、リサイクル材料の使用に対する制限や、限定された加工法、即ち、自由度の高い加工法への障壁(バリアー)や、素材から製品を作るまでの距離(時間、手間)を短縮するために障壁(バリアー)となっている要因にとらわれない、自由度の高い加工法。

固相精密合成法

 固相の高分子上に取り付けた小さな官能基上で目的とした反応生成物(化合物)を精度よく合成する方法。

3次元フォトニック結晶

 屈折率が大幅に異なる2種類の透明媒質を光の波長の1/2程度の格子間隔で3次元周期構造化した結晶。

顕微光電子分光法

 物質に光をあてると、光励起された物質の表面から放出される現象を光電子放出といい、放出させた電子を光電子という。この光電効果の法則の発見により、アインシュタインは、1921年にノーベル賞受賞。その光電子のエネルギー分布を分光(スペクトル)測定することで、その元素組成や物質の物性(電子状態)を研究する手法。

アクチンフィラメント

 筋肉を構成する繊維の一つ。筋肉繊維は筋原繊維からなり、筋原繊維はアクチンフィラメントとミオシンフィラメントによって構成されている。

塑性領域

 構造物に力を加えて変形させた場合、ある限界を超えると、力を取り除いても変形が残り元に戻らない状態になる。この限界を超えた領域を塑性領域という。

トランジェント成分(電磁界)

 電化製品のスイッチを入れたときなどに一時的に発生する電磁波。高調波成分が発生する。

非侵襲的計測

 皮膚を診断する場合、的確な診断をするには最終的には皮膚を切り取り、顕微鏡での観察や検査を行う手法をとらざるを得ないが、疾患部分の皮膚を切り取ることは、そもそも病患部の皮膚を切り取ること、患者への負担等から診断の度毎に行うなど何回も行うことは無理。このため、皮膚を切り取ることなく(非侵襲)、そのままの状態で必要な診断(計測)を行う技術。

QOL(Quality of Life)

 生活の質。障害者やお年寄りが、ただ生きながらえるだけでなく、スポーツや日常生活が自由にできるよう、生活の質を高めよう、という考えから由来。

バイオマス

 一般には、生物由来の有機性廃棄物を指す。本研究では、これらの有機性廃棄物の中で、資源として再利用可能なものと定義。

非線形光学素子

 光の波長変換や光の進路転換ができる部品。

光電変換素子

 光を照射すると電気伝導度が向上する部品。

発光素子(EL)

 電場をかけると発向する

生体内ペプチド

 ペプチドは、分子量が約1万以下で、2種以上のアミノ酸が分子内にあるカルボキシル基(-COOH)とアミノ基(-NH2)で結合し、ペプチド結合(-CO-NH-)でつながってできている一群の化合物。生体内ペプチドは、生体内に存在し極微量で生体内の細胞間の情報伝達や制御するものとして働く物質のことである。例えば、神経の伝達や制御(エンドルフィン)、血中の糖濃度の調節(インスリン)、血圧調節(ナトリウム利尿ペプチド)などがある。

前駆体

 前駆体は、ある有用物質を得るための前段階の物質を示す。例えば、生体内ペプチドの構造を含む蛋白質は、酵素により生体内ペプチドを生成するが、この前段階の蛋白質が前駆体である。

極限環境(超高速流、超低温流、超希薄流など)

 常温常圧(大気圧・室温)からかけ離れた環境、たとえばマイナス200℃で気体が液体になる寸前の状態や、圧力が真空に近い状態である特殊な環境を示す。極限環境で起こる気体の流れを超高速流、超低温流、超希薄流と呼ぶ。

熱流体現象

 温度、圧力などの状態の変化が伴うときの空気などの流れをいう。

光機能性分子、機能性分子の薄膜

 光機能性分子・機能性分子とは、光、圧力、温度などの外部刺激を受けることによって光を放つ(発光)などの機能を有するもの。光機能性分子、機能性分子薄膜とは厚さが数マイクロメートル(千分の数ミリメートル)から数ナノメートル(百万分の数ミリメートル)のものを示し、機能性分子(光機能性分子も含む)の機能を素子として利用するためのもの。

流体変数

 圧力、温度、気体組成などの要因を示す。

熱流体センシング

 流体変数(圧力、温度、気体の組成などの要因)を測定する技術のこと。

センサプローブ

 圧力、温度、気体組成等を測定する部位(プローブ)を意味し、本提案では光機能性分子、機能性分子を指す。

流れの場

 空気などの気体が流れている場所のことを意味し、流れの速度、周囲の温度、圧力などを空間的に表したもの。

時計遺伝子

 体内時計の動作に関わっている遺伝子。

幹細胞

 通常、体の細胞は、種類に応じて機能や形態が固定しており、別の種類の細胞に変わる(分化)ことはない。これに対して、骨髄や皮膚組織等の一部には、ある程度数種類の細胞に分化することができる細胞が存在する。この細胞を幹細胞という。

増殖・分化誘導因子

 発生過程において、細胞の形態・機能に相違を生じさせたり、細胞を増殖させたりする原因となる因子。

ニューロインフォマティクス

 OECDにおいては、「神経科学と情報科学研究分野を総合して、脳のデータを有効に利用できるようにするための情報流通を図ること、及びそれらのデータ利用のためのツールと手法を開発し、またこれを応用すること。」とされており、現在具体的な内容の検討が進められているところ。脳の機能と構造を解明するために有効であると期待されている。

多遺伝子性疾患

 多数の遺伝子が関与して引き起こされる病気。

疾患感受性遺伝子

 病気に反応する遺伝子。

マイクロアレイシステム

 DNA塩基配列の断片をガラスチップに張り付けたもので、病気の有無による遺伝子発現の状態の違いを容易に検出できる。

cDNAライブラリー

 相補的DNA、complementary DNAの略。mRNAに相補的な配列を持つDNAという意味であり、タンパク質に翻訳される部分のDNAのことを言う。

DNA

 デオキシリボ核酸のこと。生物の生命活動を司っている遺伝情報を担っている化学物質。

mRNA

 メッセンジャーRNA。遺伝子が発現してタンパク質が合成されるときには、遺伝子上の情報が一旦mRNAに写し取られ、この写し取られた情報を基にして>タンパク質が合成される。

in vitro

 細胞やスライスとして生体組織を外へ取り出して調べることを in vitro(インビトロ:「試験管内で」)という。

分子・ハーモニック構造

 様々な機能を持つ分子が、協調して一定の働きをする構造。例えば、光を吸収する分子と励起された電子のエネルギーを伝達する分子とそのエネルギーを再び光に変えて放出するような構造で一定の光を吸収して別の場所で異なる波長の光を出す構造。

X線解析法

 X線を結晶に当てて生じる回折パターンを解析し、結晶構造を解明する方法。×線の特定の入射角に対応して結晶格子点にある原子平面で散乱反射が起こり、写真乾板上に一連のスポットが現れる。各スポットとパターンの中心点からの距離が結晶中の繰り返し構造の間隔や周期の逆数となることから、結晶の原子配列を解読することができる。

NMR法

 1970~80年代に、スイス、オランダなど欧州で発展した構造解析手法。結晶を作ることなく溶液中で立体構造が決定でき、動きに関する情報も得られる。感度の問題等から対象となる分子の大きさに制限があり、蛋白質の場合では、200残基程度が限界である。分光法の1つで磁場を用い分子内の原子核スピンを観察し、原子の化学的な環境、共有結合情報、原紙間距離等の情報を得た後、これらの制限を満足する立体構造を計算科学的に求める。

話し言葉工学

 現在の音声認識技術が対象としている朗読音声(書き言葉と同様に文法的に整っている言葉)とは異なり、特定のイントネーション、言い間違い、ためらい、繰り返しなど文字によっては伝達できない情報を含む「話し言葉情報」を大量に高速に機械処理を実現するための工学技術体系を指す造語。

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科学技術政策局調整課

-- 登録:平成21年以前 --