同志社大学元大学院生による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

【基本情報】

番号

2020-04

不正行為の種別

盗用

不正事案名

同志社大学元大学院生による研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

不正事案の研究分野

開発経済学

調査委員会を設置した機関

同志社大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

同志社大学 大学院グローバル・スタディーズ研究科 元大学院生

不正行為と認定された研究が行われた機関

同志社大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

平成31年4月22日

本調査の期間

令和元年7月9日~令和元年11月25日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和2年10月23日

不正行為が行われた経費名称

基盤的経費(私学助成)

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 平成31年4月、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科に在学していた大学院生の論文3編(うち1編は博士論文)について、不正行為の疑いがある旨同研究科から報告があった。これを受けて大学は、同大学の規程に基づき予備調査を行った結果、本調査を行うこととし、研究倫理委員会の下に専門調査委員会を設置した。指摘があった論文3編について本調査を行った結果、全ての論文で盗用(特定不正行為)が行われたと認定した。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)調査委員会による調査体制(専門調査委員会)
 本調査:3名(内部委員1名、外部委員2名)

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)調査対象者:大学院グローバル・スタディーズ研究科 元大学院生、その他共著者1名
  イ)調査対象論文:論文3編(英語論文:2015年、英語論文:2016年、博士論文:2016年)
  ウ)調査対象経費:基盤的経費(私学助成)

 2)調査方法
  調査対象論文に関し、剽窃検知ツールを使用する等盗用元とされる著作との類似性の精査を行うとともに、調査対象者等への事情聴取を行い、事実関係等を確認した。

(3)本事案に対する専門調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 (結論)
  1)認定した不正行為の種別
   論文3編において、盗用(特定不正行為)が行われたものと認定した。
  2)「不正行為に関与した者」として認定した者(被認定者)
   大学院グローバル・スタディーズ研究科 元大学院生
 (認定理由)
  調査対象論文3編全てにおいて、調査対象論文と盗用元の論文を比較すると、引用表示なくほぼそのまま転載している文章が多数見られ、学術論文としてのオリジナリティを認めることはできない。出典の表示等を付すことは、当該分野の研究者であれば大学院生であっても当然注意を払うべき常識的なルールであり、研究者として著しく注意義務を怠ったといえる。
 (不服申立て手続き)
  本調査の結果を調査対象者に通知したところ異議申立てがなされたため、異議申立審査委員会を設置し異議申立ての妥当性を審議した。その結果、異議申立てに理由がなく妥当性を欠くものであり、再調査を実施する必要はないとの結論となった。

3.不正行為に関連する経費の支出
 基盤的経費(私学助成)による研究活動であるが、盗用(特定不正行為)と認定された論文の作成過程において、直接的に関係する支出は認められなかった。
 

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ勧告等
 被認定者に対して、投稿した研究論文の取下げの勧告を行った。

2.不正行為を認定した者に対する大学の対応(処分等)
 博士学位の取消しを決定した。
 

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 ・被認定者は、母語ではない英語の論文において、語学力の関係から他人の文章を引き写し、その一部のみを加工するなどして自己の文章として使用する安易な態度が見受けられたこと
 ・被認定者は、他者の文章を使用している自覚はありながら、不正に当たるかどうかの判断を自己が選んだ剽窃検知ソフトに委ねており、盗用等の研究不正に関する基本的な理解が不十分であったこと
 ・不正行為は認定されていないが、3編の論文のうち1編の共著者について、共著者でありながら論文の作成を漫然と被認定者に委ね、内容の確認を行う等研究に対する真摯な姿勢が欠けていたこと

2.再発防止策
 ・研究倫理教育責任者である学部・大学院研究科等の長(ちょう)が、各学問分野の特性も考慮しつつ、学生を含む所属の研究者に対する研究倫理教育の取組を通して更なる研究倫理意識の向上に努めること
 ・教員への指導の観点から、研究倫理教育やFD等を通じて、全教員に対して注意喚起すること
 ・留学生については、文化や言語の違いから理解が不十分である場合が考えられるため、個別研究の場合だけでなく、共同研究の場合におけるオーサーシップや共同研究者(論文共著者)の責任等を含む研究不正防止教育等、指導教員等から丁寧な教育を行うよう努めること
 ・剽窃検知アプリケーションを本格的に導入し、学生が論文を投稿する際に、指導教員等がチェックできる体制を整えたこと、等
 

 

 

◆配分機関が行った措置

 資金配分機関である文部科学省において、不正行為が認定された研究者に対して、競争的資金等の資格制限の措置(令和3年度~令和7年度(5年間))を講じた。

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)