ここからサイトの主なメニューです

杏林大学准教授による研究活動上の不正行為(剽窃)の認定について

【基本情報】

番号

2020-03

不正行為の種別

剽窃

不正事案名

杏林大学准教授による研究活動上の不正行為(剽窃)の認定について

不正事案の研究分野

経営学

調査委員会を設置した機関

杏林大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

杏林大学 総合政策学部 准教授

不正行為と認定された研究が行われた機関

杏林大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

平成30年度~令和元年度

告発受理日

令和元年9月11日

本調査の期間

令和元年12月6日~令和2年1月30日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和2年9月28日

不正行為が行われた経費名称

科学研究費補助金

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要(公表された研究成果に限る。)
 令和元年9月11日、杏林大学総合政策学部所属教員が公表した論文について研究不正が疑われるとの告発があった。これを受けて予備調査を実施した結果、本調査の実施を決定し、研究不正調査委員会を設置した。その結果、論文1編において不正行為(剽窃)(※1)を認定した(※2)。
 ※1:ここでいう「剽窃」とは、研究者以外の者による文章を適切な表示なく流用することであり、研究者による文章を適切な表示なく流用することである「盗用」(特定不正行為)とは異なる。
 ※2:上記の他、ガイドラインの適用対象となる「発表された研究成果」には該当しないが、未公表論文1編において不正行為(盗用及び不適切なオーサーシップ)が認定されている。

2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について
(1)研究不正調査委員会による調査体制
 8名(内部委員4名、外部委員4名)

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)対象研究者:杏林大学 総合政策学部 准教授
  イ)対象論文:学内紀要論文(2019年) 1編
 2)調査方法
  ・調査対象者への事情聴取
  ・調査対象論文に係る調査対象者の行為が、研究者倫理に背馳する行為に足るか否か事実関係を精査

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 (結論)
  1)認定した不正行為の種別
   剽窃
  2)「不正行為に関与した者」として認定した者
   杏林大学 総合政策学部 准教授
 (認定理由)
  調査対象論文1編について、研究者以外の者が執筆・公表した文章を適切な表示なく流用していることから、不正行為であると判断した。なお、杏林大学における研究活動の不正行為への対応に関する規程における「盗用」が、「他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること」として、“研究者”の業績についてのものとされていることから、研究者以外の者のテキストからの借用は「盗用」(特定不正行為)とは言えないと判断し、「剽窃」としている。

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
 不正行為を認定した論文について以下の支出があった。
  ・科学研究費助成事業 258,440円(学会発表旅費、学会参加費)
 

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ
 調査対象者に対し、調査対象論文の取下げを勧告した。

2.被認定者に対する大学の対応(処分等)
 人事審議会を開催し、懲戒(論旨退職)処分とした。
 

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 ・調査対象者は責任ある研究行為・論文作成の際に遵守すべきルール等に関する理解・認識が極めて乏しく、研究倫理が欠如していた。
 ・研究倫理教育・研修会を定期的に開催するとともに、学外の競争的資金の申請・交付に当たり、APRINのe-learning教材の受講を条件とし、調査対象者はe-learning教材の履修を修了していた。しかし、結果的には十分浸透していなかった。
 ・調査対象者が業績・実績を残さなければならないとのプレッシャーを感じ、また育児休職が取れなかったことで、科学研究費助成事業を中断することも出来なかった。育児・介護に直面する研究者を支援する研究支援員制度を設けており、調査対象者にも学生の研究支援員を配置したものの、十分な支援には至らなかった。更に、調査対象者の心理的負担を軽減するためメンターも配置したが、メンターとの関係がうまくいかず中止したことで、適切な研究活動を全うすることができなかった。
 ・調査対象論文が掲載された紀要には投稿規程がなく、研究倫理に背馳していないかを確認するチェック機構が十分に働いていなかった。

2.再発防止策
 ・令和2年度以降、相互に議論ができるワークショップを企画することで、研究者がわきまえるべき基本的な注意義務の理解を徹底し、研究者が研究倫理にのっとった研究活動に取り組む姿勢を身につけるようにする。
 ・令和2年度以降実施する科研費執行及び申請の説明会において、コンプライアンス向上に資する内容について、より具体的な事例を挙げ、研究不正にあたる行為について周知を徹底することを全学的に取り組む。
 ・若手研究者、論文執筆に関するキャリアの浅い研究者を対象に、研究倫理及び出版倫理に関する理解を深める施策を検討する。経験豊富な研究者の指導・助言を受けることのできるメンター制度の導入や研究分野が近い研究者間の交流を活性化させるsmall group活動を今以上に周知・広報するため、活動成果を積極的に公表することで促進する。
 ・研究支援員の配置について、研究推進委員会の審査を加え、適切な配置が行える仕組みを取り入れる等、令和2年度内に研究環境の整備を行う。
 ・紀要の発行に際して、出版倫理に背馳していないかを確認する観点から、令和2年度内に投稿規程の策定、論文剽窃チェックツールの導入等査読体制の強化を図る。
 

 

 

◆配分機関が行った措置

 特定不正行為は認定されていないため、研究者に対する措置は講じない。

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)