【基本情報】
番号 |
2020-02 |
不正行為の種別 |
盗用 |
不正事案名 |
研究活動上の不正行為(盗用)の認定について |
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不正事案の研究分野 |
社会学 |
調査委員会を設置した機関 |
大学 |
不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名 |
元大学院生 |
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不正行為と認定された研究が行われた機関 |
大学 |
不正行為と認定された研究が行われた研究期間 |
- |
告発受理日 |
平成30年9月13日、9月25日、平成31年1月23日 |
本調査の期間 |
平成30年11月14日~令和元年7月12日 |
不服申立てに対する再調査の期間 |
令和2年2月17日~3月27日 |
報告受理日 |
令和2年7月22日 |
不正行為が行われた経費名称 |
基盤的経費(私学助成) |
【不正事案の概要等】
◆不正事案の概要 |
1.告発内容及び調査結果の概要 元大学院生が平成25年に書籍に寄稿した論文について、平成30年9月13日、同年9月25日、平成31年1月23日に、各々別の告発者から研究活動上の不正行為(盗用等)を行ったとする告発がなされた。予備調査の結果を受けて本調査を行うこととし、研究倫理委員会の下に専門調査委員会を設置した。告発された内容について調査・検証した結果、盗用(特定不正行為)があったと認定した。 2.本調査の体制、調査方法、調査結果等について (1)調査委員会による調査体制(専門調査委員会) 本調査:3名(内部委員1名、外部委員2名) 再調査:7名(内部委員3名、外部委員4名) (2)調査の方法等 1)調査対象 ア)調査対象者:元大学院生 イ)対象論文:調査対象者が寄稿した書籍に掲載された論文1編 2)調査方法 調査対象論文に関し、告発書の内容及び添付書類を確認し、盗用元とされる著作との類似性の精査を行うとともに、告発者、被告発者等への事情聴取を行い、事実関係等を確認した。 (3)本事案に対する専門調査委員会の調査結果を踏まえた結論 (結論) 調査対象論文において、盗用(特定不正行為)が行われたものと認定した。 (認定理由) 調査対象論文と盗用元を比較すると、ほぼ同一の文章が多数見られ、必要な出典の表示等も一切ない。出典の表示等を付すことは、当該分野の研究者であれば大学院生であっても当然のように注意を払うべき常識的なルールであり、研究者として著しく注意義務を怠ったといえる。 3.不服申立ての概要、再調査の結果 本調査の結果を調査対象者に通知したところ、「新たな証拠」とともに異議申立てがなされ、その内容について審議した結果、再調査に係る専門調査委員会を設置して再調査を行うこととなった。再調査内容は、改めて当初の告発内容の確認と異議申立てに係る検討事項の確認、調査対象者からの事情聴取を行った。再調査の結果、当初の結論を覆さない旨(盗用の認定)を決定した。 4.不正行為に関連する経費の支出 盗用(特定不正行為)と認定された論文の作成過程において、直接的に関係する支出は認められなかった。 |
◆研究機関が行った措置 |
1.論文の取下げ勧告等 調査対象者に対して、研究論文が掲載された共著書を公刊した出版社に今回の調査結果を報告し、引用元を示す正誤表の挟み込み等の対応策を依頼するように指導を行った。 2.不正行為を認定した者に対する大学の対応(処分等) 調査対象者が学生時代の不正行為であるため、大学の規程に基づく処分の対象とならないが、厳重注意相当と判断した。 |
◆発生要因及び再発防止策 |
1.発生要因 ・平成25年当時は、大学としての研究倫理教育は行っておらず、大学院生に対する研究倫理教育は、専ら各指導教員に依存しており、大学及び学部レベルにおいて、十分かつ徹底した研究不正防止活動が行われていなかったこと ・調査対象者は、他者の文章を使用する場合における出典の表示等の重要性を十分に意識できていなかったこと ・出版前における組織としてのチェック機能が十分に働いていなかったこと 2.再発防止策 ・現在は、大学に所属する研究者に対して、研究倫理教育の受講を義務付けていること ・研究倫理教育責任者である学部・大学院研究科等の長が、各学問分野の特性も考慮しつつ、学生を含む所属の研究者に対する研究倫理教育の取組を通して更なる研究倫理意識の向上に努めること ・教員への指導の観点から、研究倫理教育やFD等を通じて、全教員に対して注意喚起すること ・剽窃検知アプリケーションを導入し、学生が論文を投稿する際に、指導教員等がチェックできる体制作りを行うこと 等 |
◆配分機関が行った措置 |
競争的資金等による経費の支出がなく、かつ平成27年度より前に不正が行われた事実であることから、研究機関及び研究者に対する競争的資金等の返還並びに研究者に対する競争的資金等への申請及び参加資格の制限は行わない。 |
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