広島大学における研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

【基本情報】

番号

2019-07

不正行為の種別

盗用

不正事案名

広島大学における研究活動上の不正行為(盗用)の認定について

不正事案の研究分野

教育学

調査委員会を設置した機関

広島大学

不正行為に関与した者等の所属機関、部局等、職名

広島大学大学院教育学研究科博士課程後期・大学院生

不正行為と認定された研究が行われた機関

広島大学

不正行為と認定された研究が行われた研究期間

告発受理日

平成30年7月13日及び18日(両日において盗用が疑われる旨の情報提供があった)

本調査の期間

平成30年10月19日~平成31年3月15日

不服申立てに対する再調査の期間

報告受理日

令和元年12月23日

不正行為が行われた経費名称

該当なし

 

 

【不正事案の概要等】

◆不正事案の概要

1.告発内容及び調査結果の概要
 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期に在学する大学院生が投稿した同研究科の講座が刊行している紀要の論文について、研究活動に係る不正行為(盗用)が疑われるとの情報提供(平成30年7月13日及び同18日付け)が広島大学学術情報リポジトリを公開している図書館を介して通報窓口にメールが転送され、受理した。これを受けて教育学研究科にて予備調査を行い、その結果を踏まえて、本調査を実施することとし、不正行為調査委員会を設置した。情報提供のあった論文1編及び予備調査にて盗用の疑いが提起された論文1編、計2編について調査を行ったところ、以下のとおり、これら2編の論文について、特定不正行為(盗用)を認定した。

2.広島大学における本調査の体制、調査方法、調査結果、不正行為と認定した理由
(1)研究不正調査委員会による調査体制
  7名(うち外部委員4名)

(2)調査の方法等
 1)調査対象
  ア)調査対象者:大学院教育学研究科博士課程後期 大学院生
  イ)対象論文:情報提供のあった論文1編及び予備調査にて盗用の疑いが提起された論文1編
 2)調査方法
  調査対象論文に関し、研究活動に係る不正行為(盗用)の事実を認めるに足る証拠の有無について、剽窃チェックソフトを使用して類似性等の精査を行った上で大学院生、大学院生の主任指導教員、当該紀要の編集委員長への事情聴取等を行い、事実関係等を確認した。

(3)本事案に対する調査委員会の調査結果を踏まえた結論
 (結論)
  調査対象論文2編において、特定不正行為である盗用が行われたものと認定した。
 (認定理由)
  大学院生は論文作成の作法の理解が足らず、独自に曲解しており、それに基づいて参考にした多数の先行文献の文章をほぼそのまま引き写しをして継ぎはぎし、引用の明示をしないまま論文を作成していた。よって、先行文献を適切な表示なく流用したものとして、盗用と認定した。

3.認定した不正行為に直接関連する経費の支出について
 盗用を認定した論文の執筆過程において、直接の因果関係が認められる経費の支出はなかった。

◆研究機関が行った措置

1.論文の取下げ
 配布済みの当該論文を掲載した紀要の回収等を行い、広島大学学術情報リポジトリにおいて公開している当該2論文を削除した。

2.被告発者及び主任指導教員に対する広島大学の対応(処分等)
 本案件の調査結果を受けて、大学院生を広島大学学生懲戒規則に基づき懲戒処分(停学2か月)とした。
 主任指導教員の大学院生に対する指導上の責任については、広島大学職員就業規則に基づき、主任指導教員に対して人事処分を行った。(※主任指導教員については懲戒処分に該当しない処分内容であり、大学における職員の懲戒処分公表の指針に該当しないことを踏まえ、処分内容は非表示。)

◆発生要因及び再発防止策

1.発生要因
 ・不正行為認定者は論文作成の作法の理解が足らず、独自に曲解していたこと。
 ・当該紀要の査読を含むチェックが機能していなかったこと。
 ・不正行為認定者と主任指導教員の間において投稿論文執筆について意思疎通が図られていなかったこと。

2.再発防止策
 ・大学院生の研究倫理教育の教材に大学の不正行為を事例として資料に追加することとした。
 ・令和2年度から研究倫理教育を含む大学院授業科目を新たに開講することとした。
 ・大学の研究科・講座等で発行している紀要等の定期刊行物については、編集委員会等による査読あるいは内容確認に加えて、剽窃防止ソフトによって確認を強化することとした。(学生の投稿を含む)
 ・当該紀要の刊行に至る一連の手続を見直し、「研究倫理上のチェックリスト」を論文の投稿時に提出させ、学生については、申込時に主任指導教員の確認(主任指導教員の自署欄を設けた書類を添付)を経て執筆・投稿することとした。また、当該紀要への全ての投稿論文への査読(剽窃防止ソフトによる確認を含む)を実施することとした。

 

 

 

 

◆配分機関が行った措置

 資金配分機関である文部科学省において、当該大学院生に対して、資格制限の措置(令和2年度~令和4年度(3年間))を講じた。

 

お問合せ先

科学技術・学術政策局人材政策課

研究公正推進室
電話番号:03-6734-3874

(科学技術・学術政策局人材政策課研究公正推進室)